2018年06月10日

◆ 中米のグアテマラの噴火

 中米で大噴火があって、死者多数。その教訓を考える。

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 中米のグアテマラのフエゴ火山で大噴火があった。死者多数。
 中米グアテマラのフエゴ山(標高3763メートル)の大規模噴火から10日で1週間。8日までに死者109人が確認され、197人が行方不明だ。
( → 「のみ込まれた瞬間、電話越しに妻の叫び声」グアテマラ:朝日新聞 2018-06-10






 死者多数。ただし、記事によると、噴火はいきなり襲いかかったわけではない。逃げるための時間はたっぷりあった。しかるに、「たいしたことはないさ」と思って、のんびりと構えていたら、あるとき突然、大噴火が起こって、火砕流が一挙に人家を埋め尽くした。
 トマスさんが暮らしていたエルロデオ村サンミゲルロスロテス地区は、火砕流にのみ込まれた。
 約200世帯の住民のほぼすべてが肉親を亡くしたり、行方が分からなくなったりしている。連絡が取れない18世帯は、家族全員が生き埋めになっているとみられる。
 ドミンゴ・トマスさん(65)は、外で叫び声を聞いた。遊んでいる子どもたちがけんかでもしているんだろうと思った。あっという間に、夜のように真っ暗になり、ひどい臭いに包まれた。孫娘の1人を抱きかかえて飛び出した。直後に巨大な岩石が降ってきて、家がつぶれた。フエゴ山の方を見ると、灰色の土煙がものすごい勢いで村に迫ってきていた。
 最近1カ月ほどは、毎日のように地鳴りがし、小さな噴石が集落まで飛んできたという。村人はそのたびに屋内に入ってしのいでいたという。「噴火に慣れてしまい、多くの人が逃げずに家に残ったのだと思う」
( → 「のみ込まれた瞬間、電話越しに妻の叫び声」グアテマラ:朝日新聞

 逃げる機会はたっぷりあったのに、「まだ大丈夫」と思って、逃げなかった。「油断」である。そして突発的に、火砕流が襲いかかった。

 ──

 以上は事実だ。
 このことは、日本についても、十分に教訓になるだろう。
 実は、東日本大震災の大津波のときでも、逃げる時間はあったのに、逃げずに見物していたら、津波に呑み込まれて死んでしまった……という人が多かった。(特に大堤防のあった田老地区)
  → 画像で見る岩手県田老町の悲劇と防潮堤の破損【東日本大震災】

 これと似たことが、今回の大噴火でも起こった。(あえてグズグズしていたせいで、逃げ遅れて、大量の死者)
 とすれば、今後、日本でまた大地震か大噴火が起こったら、同様のことが起こるだろう、と推察できる。だから、震災関係者は、強固な避難勧告(または避難命令)を出すべきだ。火砕流が来てからでは遅いからだ。




 さて。実は、このことは決して杞憂なんかではない。実は、最近、ハワイでも大噴火が起こっているのだ。
 米ハワイ島のキラウエア火山では、溶岩が周辺に流出し続けており、ハワイ島最大の淡水湖だった「グリーン湖」は湖水が蒸発した。8日までに600棟以上の民家が焼失。
 グリーン湖は水深が深いところで約 60メートルあり、地元の人たちが水浴びするなど憩いの場になっていた。住民たちは「信じられない」と衝撃を受けているという。
( → ハワイ島噴火、民家600軒が焼失 淡水湖が蒸発:朝日新聞






 このグリーン湖は、キラウエア火山から 30km 弱も離れている。「そんなに長い距離を火砕流が走ったのか?」とも疑ったが、そんなはずがない。
 「たぶん地割れだろう。離れた土地では、別個に溶岩が噴出したのだろう」
 と推測したが、その推測は裏付けられた。
 キラウエア火山では噴火が始まった5月3日以降、山の東側裾野を中心に24カ所の亀裂が発生。
( → 噴き出す火柱、道ふさぐ溶岩=噴火続くハワイ島−キラウエア火山:時事

 24カ所の亀裂が発生ということだから、そのうちの一つがグリーン湖にかかったようだ。

 ──

 ともあれ、中米の大噴火だけでなく、ハワイでも大噴火があった。同時期に。……とすれば、これらは無関係だとは思えない。
 実際、「キラウェア噴火は、富士山噴火と強い関連がある」と主張する人もいる。
 筆者の独自データ分析によって、過去の歴史を通じてキラウエア火山が噴火すると、中南米や日本列島周辺でも火山噴火や大地震が相次いで発生する傾向にあることがわかったのだ。しかも現在、富士山の大規模噴火を危惧する学者の声まで上がっている。
( → 【緊急警告】キラウエア火山噴火は日本の巨大地震と富士山噴火の“引き金”だった! 過去データで完全判明、今すぐ備えを確認せよ!

 この記事では、プレーとの連関の影響で、遠い地でも地殻変動の相互影響がある……というふうに示している。
 実は、これと同様のことは、私もかつて述べたことがある。
 ハイチに続いて、チリでも大地震が起こった。このような地震の連発は、偶然とは思えない。やがて日本にも波及して、日本でも大地震が起こる可能性がある。
( → 日本も地震?: Open ブログ

 これが 2010年2月25日 の記事だ。
 そして、1年後の 2011年3月11日に、東日本大震災が起こった。まさしく、予言の的中だ。

 この記事の後半には、後日談としての話が掲載されている。NHK の番組を紹介する形で、金森博雄名誉教授の見解を紹介している。
 番組内で教授が述べていたように、「地球は一つのものであって、各地はたがいに関連している」のである。各地がバラバラで(無関係に・独立的に)地震を起こす、というわけではないのだ。

 それと同様のことが、今回の大噴火でも成立する、と考えて良さそうだ。
 日本で大噴火が必ず起こる、とまでは断言できないが、大噴火が起こる可能性はかなり高まっている、と言える。
 それが、富士山や阿蘇山での超巨大噴火になるとは言えないが、以前の雲仙岳ぐらいのレベルでの大噴火ならば、十分に起こりそうだ。

 警戒しておくに越したことはない。そしてまた、いざ大噴火の予兆が起こったら、すぐさま避難を開始するべきなのだ。火砕流が来てからでは遅い、とわきまえておこう。



 [ 付記 ]
 雲仙岳では、住民は避難したが、マスコミが危険地域に残っていて、火砕流に呑み込まれて、大被害が出た。死者40人、行方不明者3人、負傷者9人。
  → 出典(雲仙普賢岳噴火の被害と経緯のまとめ)




 【 続報 】( 2018-06-17 )
 続報がある。朝日の記事。
  → 避難拒み、写真撮る人も 訓練生かし、警報を周知 グアテマラ噴火、安否分けたのは:朝日新聞

 記事の核心はこうだ。
 「避難訓練をしていた地域の住民は助かったが、そうでない地域の住民は助からなかった」
 避難訓練をしていた地域の住民は、以前の訓練に従って、避難したので、助かった。ぐずぐずしていた老人たちは、説得されて、避難した。結果、全員が避難した。
 避難訓練をしていなかった地域の住民は、警報を無視した。「火山のことはおれの方が良く知っている」と自惚れて避難勧告を無視したり、「まだまだ安全さ、噴火してから逃げれば十分さ」と楽観したりした。その後、噴火が起こると、ものすごく高速な火砕流に呑み込まれて、多数が死亡した。

 時間経緯はこうだ。
  ・ 午前6時に、噴火の危険があると発表。
  ・ 正午過ぎに、退避を呼びかけた。(避難勧告)
  ・ 午後3時に、噴火発生。

 時間的な余裕はたっぷりとあった。しかるに、多くの住民が避難を拒否した。「噴火してから逃げれば十分さ」と楽観していた。そして、死んだ。

 《 データ 》
 現時点で、死者は 110人で、これは死体が確認された分。行方不明が 200人近くで、これは死体が確認されていない分(火砕流に埋もれた人がほとんど)。
 合計 300人ほどの死者が出た計算になる。なお、避難訓練がなければ 1000人以上が死んだだろう、と見なさられているそうだ。(記事による)

 人に死をもたらすものは油断だ、ということがよくわかる。
 そしてまた、油断しがちな人々の意識を変えるのが避難訓練だ、とわかる。避難訓練の大切さは、避難するときの動作をスムーズにすることではない。避難を上手にすることではない。避難を拒否して日常性に留まろうとする人々の意識を根底から変えることだ。
 人はいざというときに、これまでにやったことのないことをやることができにくい。高齢者ほど、そういうものだ。そこで、あらかじめ何度か経験させることで、避難を拒否したがる意識を解消するのだ。
 これはいわば、「初めてのことを怖がる処女に経験させる」というようなものだ。
( ※ 品がなくて、済みません。)


 《 加筆 》
 避難を強力に推進するための方法として、「サイレンを鳴らす」ということを提唱したい。高齢者の尻が重すぎるのだから、その対策として、サイレンを鳴らして、危機感をあおるのだ。
 避難勧告が出た時点で、そうすれば、死者を大幅に減らすことができそうだ。
 該当地域にはサイレンを設置しておくべきだろう。費用はほとんどかからない。

 「強力スピーカーでがなり立てろ。ぐずつく人々を追い立てろ」
 という案は、前にも述べたことがある。
  → 津波対策の妙案: Open ブログ
posted by 管理人 at 20:40| Comment(4) | 一般(雑学)5 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
本編と直接は関係ないですが、昨日の群馬の地震は、赤城山の直下だったようです。
赤城山はかなり前ですが活動して、カルデラを形成しています。
群馬白根も浅間山も遠くはないので、活動触発されても違和感ありません。
いまから注意しておくべきだと思います。
Posted by 菊池 at 2018年06月18日 08:05
↑を書いている間に、大阪で震度6発生。
Posted by 菊池 at 2018年06月18日 08:07
避難訓練をしていた地域の住民は、警報を無視した。
→避難訓練をしていなかった地域の住民は、警報を無視した。
では?
Posted by のび at 2018年06月18日 08:44
 ご指摘ありがとうございました。修正しました。
Posted by 管理人 at 2018年06月18日 12:18
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