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生産性を向上させるための方法として、世の中の経営者がよく唱える方法は、下記のようなものだ。
・ 働いていない休み時間をカットする。
・ 会議のような非生産的な時間を短縮する。
・ 一日中、朝から晩まで働きずくめ。
・ やたらと残業をする。死にものぐるいで働く。
・ 終業後は、自発的に無給で勉強する。
しかし、これらとは正反対の方法で生産性を向上させた、という報告がある。
・ 1日5時間だけ働き、あとの3時間は働かない。
・ 働かない時間は、会議でおしゃべりしたり、勉強したり。
・ 5時間だけは集中的に働く。
・ そうしたら仕事の質と量が向上して、生産量は3倍に。
1個人の体験談として、下記に報告がある。
→ はてなアノニマスダイアリー
本当かどうかは定かでないが、「いかにもありそう」「さもありなん」という感じだ。
逆に、冒頭に述べた諸点(経営者が唱えたもの)の方が、ずっと嘘っぽい。これはブラック企業の、過労死に至る道であって、生産性を最悪にする道だとしか思えない。
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一方、Google の採用した「生産性を高める方法」というのもある。それは、「グループの人間関係をよくすること」という地味な方法。
→ グーグルが突きとめた!社員の「生産性」を高める唯一の方法はこうだ
有効かもしれないが、あまり参考になりそうにないですね。
※ これが成立するのは Google の社員の場合。つまり、
もともと高給で選ばれた最優秀の人材である場合。
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そこで私が提案する方法は、こうだ。
「多くの仕事のうち、生産性が低くなる仕事を切れ」
つまり、生産性の低くなる仕事をやめて、生産性が高くなる仕事だけをやっていれば、自動的に、生産性が高くなる……というわけだ。
換言すれば、こうだ。
「うるさい顧客の面倒な仕事を切れ。つまり、うるさい顧客を切れ」
うるさい顧客のために、あれこれと手間暇をかけていれば、一定の収益を上げるために、多大な労力を費やすことになるので、生産性が下がってしまう。だから、そうならないように、うるさい顧客を切ってしまえばいいのだ。
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なお、これと同様の方法を取っている会社がある。
残業ゼロを徹底させる。……しかし従前は「明日朝までになんとかしろ」などと無理を言ってくる顧客にも対応していたところ、「残業対応はしない」と180度転換することになるので、事前に取引先には事情を説明し、協力を依頼していた。
ほぼ全ての取引先が好意的に共感・賛同してくれたが、中には「俺たちは休日でも働いてるんだから、お前たちも働いて当然だ!労働者名簿を提出して、名前がある社員は全員休日出勤しろ!」と意味不明な怒りをぶつけてきた顧客もいたという。
結果的にその会社とは契約解除となった。
( → ホワイト企業を目指すなら、まずは「ブラック顧客」を切りなさい(新田 龍) )
こうして、うるさい会社(顧客)を切った。で、その結果は? 記事によれば、「ノー残業を実践した当月に、売上は27%もアップするという成果となった」そうだ。
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さて。以上では、「うるさい顧客を切る」という方針を示した。
しかし、うるさい顧客を次々と切ったら、顧客がいなくなってしまうかもしれない。
そこで、あらかじめ、次のことをやる。
「最初から値引きした状態で、高品質・低価格でカタログを示す。そうすれば、新たに顧客がどんどん押し寄せるので、うるさい顧客を切ってしまっても、問題ない」
比喩的に言えば、「行列のできるお店にする」ということだ。これなら、うるさい客を追い出したとしても、別の客がどんどん来るから、問題ない。
ここで、「お客がどんどん来るから、料金を値上げしてしまえ」というふうにすると、客が減ってしまって、うるさい客の相手もせざるを得なくなる。それでは生産性が低くなってしまう。
だから「大儲けしよう」と欲張らずに、あまり値上げをしないでおけばいいのだ。
ま、基本的には「値引きしない」という方法を取るといいだろう。
実際、「値引きしない」という方法を取って成功した企業はある。キーエンスだ。
キーエンスでは、値引きという概念もないです。たった5%安くするだけで、その事業部の最高幹部の決済というレベル。
( → 謎めいた上場企業、キーエンス社員の平均年収日本1位の秘密は、徹底されたマーケティング )
40歳の平均年収ランキングを発表しました。金融、商社、テレビ業界を抑え、堂々の1位を獲得した会社が株式会社キーエンスです。1,662万円。
キーエンスはカタログプライスから値引きをしない「コンサルティング営業」をしています。
( → キーエンス40歳年収がすごすぎ!高い理由は?どんな会社? )
ただ、キーエンスが値引きしないことには、「製品に独創性があるので、競合するライバルが存在しない」ということもあるようだ。上記サイトにそう書いてある。
キーエンスは、あの有名なアップル社と同じく、工場を持たないファブレス企業です。要は、製造は他にまかせて自分たちは、企画、営業、開発に専念して仕事します!っていう企業ですね。
つまり、他を凌ぐ卓越したアイディアやある分野に特化したスペシャリストが多数いるような場合は、それだけで自ら市場を創造できちゃいます。市場を創りだすことができれば、競合他社なんて考える必要はありません。
( → キーエンス40歳年収がすごすぎ!高い理由は?どんな会社? )
となると、話の根本は、「独創性を持つこと」となる。何だか身も蓋もない感じだ。
とはいえ、「独創性を持つこと」には、冒頭付近の話が参考となる。つまり、「働く時間を5時間に限定して、あとの3時間は働かない」という方法だ。
こうして、話はうまくつながった。円環ふうに。
【 関連サイト 】
(1) 残業をなくして生産性を上げた企業の例。
《 社員7人の町工場が「残業ゼロ」「全社員年収600万以上」「増収増益」を達成した、働き方改革とは? 》
社員7人の町工場ながら「完全残業ゼロ」を続けている「吉原精工」という町工場がある。残業ゼロといったときに、残業代分の給料がそのまま下がる会社が多いなかで、同社は、社員の給料は全員が600万円以上(参考:全国平均年収約420万円/平成27年度 国税庁民間給与実態統計調査より)となっている。一方で、同社はリーマン・ショック以降、売り上げや利益を伸ばし続けており、「社員も会社も儲かっている会社」として注目されている。
( → ダイヤモンド・オンライン )
(2) 切るべき顧客の例。
日産は大昔仕事した時に偉そうな上に納品後に値引き脅迫までされたから潰れてください。日産の車だけはやめろと周りに言ってまわってるわw
( → はてなブックマーク - inmysoulのコメント )
【 追記 】
「キーエンスでも値引きはしている」
という話がコメント欄に寄せられた。詳しくはそちらを参照。
国(官庁)が顧客の場合がまさにピッタリ当てはまります。
発注仕様書の内容が抽象的なので、一度受けて(落札→契約)しまうと、仕様書外のことまで平気で要求されます。
これ大嘘だよ
キーエンスのセンサーを使用(購入)している会社はみんな知ってる。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1158457231
じゃなくて、
「原則的にはしないが、例外も多い」
ということじゃないの?
自動車でも、新車については、似た事情のことがある。「値引きは5万円が限度」という建前があって、たいていはそうなんだが、ときどき交渉しだいで例外が生じる。
みずほ銀行のデスマーチや東芝の特許庁システム開発失敗と言った案件が想起されました。
で、キーエンスの労働環境が優良だろうか、と目を向ければそうでもないような気がしますど。
ちょっと逸れますが日産関連へのリンクで”フェイスブック 広告主に個人情報許可 日産など特別に”って結構大問題かと。世界的なデジタル名簿業者ということ?
規模や同業のなかで見て社員平均年齢がかなり若いですから想像はつきますよね。
管理人さん、それがですね例外レベルじゃないんですよこれが・・もう3〜5割は当たり前。
カタログプライス 298,000円のハンディターミナルをオプション込みで198,000円の見積もりとか
300万円台の実体顕微鏡(スコープ)が200万割れとか、20万円の開発ソフトを、無料進呈とか
どっかのTVショッピングじゃないけど、カタログプライスはわざと高額にしておいて、値引き感を
出すような営業ですよ実際。
まあ、198,000円だと備品になる(20万以上だと固定資産管理が必要)ので非常にうれしいのでは
あるのですけどね。(198,000円は殺し文句(見積もり)だよね)
それと、すごく簡単にデモ機を貸し出してくれるんですよ、しかも最初2週間とか言っといて
延長できますの繰り返して実際には半年ぐらい貸し出しっぱなし・・・
で、解析とかで必要不可欠になった頃に「良いでしょう。お安く提供できますよ〜」だから商売うまいね〜
あと、仕事きついのか知らんけどコロコロ担当が変わるんだよねー、担当者の名刺の枚数はダントツだね。
あ、製品・アフターサービスについては満足しているし、値引きは助かるしでキーエンスはすごく
良い企業ですよ。ほんとすごくお世話になってるよ。
文句言いたかったのは、管理人さんじゃなくて「値引きしない」なんて記事を書いた記者に対して
だから誤読しないでね、
あくまでも、記者に対して『嘘つくんじゃねー』だけだよ。
「キーエンス 値引き」
でググると、値引きしないという話がいっぱい出てくる。それも、個人でなく、しっかりとしたマスコミ記事のページ。
値引きの話がないというのならそれはあたりまえだよ。
”産業機器”の製品でこれだけ値引きします(しました)なんて話がポンポンインターネットに出てくる話がない。
(車なんかとはわけが違う)
基本はメーカー営業・代理店通して逐一見積もり書のやり取りなのよ。
Amazonや楽天が扱ってるような製品とはジャンルが違うのを理解していないと・・・
特にキーエンスは相対で売らないインターネット販売には製品をほとんど卸していないんじゃないかな
一般に会社がよく利用する「モノタロウ」でもキーエンス取り扱いを検索するとお寒い限り
試しにキーエンスの一般的なレーザー距離センサーの価格がインターネットで入手できるか
やってみればわかるね。結構手間かかるよ。
記者なんて会社の経営層にインタビューするだけだろうし、インターネット記事と現場(実際)が違う
一例と思っておけばいいかな
かつて見積もりを取ったことも、購入したこともあるのですがカタログ価格からどうだったか、全く覚えていません。
最近話題になったマレーシアのクールジャパンの記事でも。
この記事のコメント1位のマレーシア在住者の反論が
https://newspicks.com/news/3084187/
翌日のこの記事
https://newspicks.com/news/3087608/
で一気に事実とは違ったことが証明されてました。経営者や学識者が集まるnewspicksでも、結構釣られてましたね(自分もちょっと釣られた)。
何となく思うのは、「世の中にそんなに都合よくきれいに筋が通った話はない」ということかな。
キーエンスのデモ機の話は、なるほどという感じで、個人の話でもかなり信憑性を感じました。というか普通に面白かったですね。
本文の生産性とは関係ないですね、本文の論旨は結構同意です。
横やり失礼しました。
値引きしないっていう話はどっからきてんのか。そしてそれが信じられてるのがよくわからない。センサー関係だから製造業なら関わり多いと思いますが。
そして日産がやり玉に上がってますが、トヨタほどではないですよ、ていうか自動車メーカーはどこも顧客としては糞ですな。契約したあとに値下げを要求するのなんて自動車メーカーだったらどこでもしてきますし。
「だったら契約解除にして、納品しないぞ」と言えば、ジャストインタイムの生産が大幅に狂って、自動車会社が大損しそうだが。
管理人さん、そりゃ机上の空論もしく書生論だよ。
自分の会社の製品が唯一無二の製品を納入しているのならともかく大抵は同等製品を製造可能な
ライバル社がいるわけですよ。
そうすると、次回からライバル会社に転注されて発注が無くなるわけ可能性が出るんだな。
んでもって、生産ラインからすれば稼働率を確保するために、儲けの無い(多少赤字の)注文でも
有る方が良いんだな。
設備の稼働率が下がると固定費比率が上がって(損益分岐点が悪化)、それまで利益が出ていた
他の注文についても赤字になるなんて事が普通に発生するからね。
だから、自動車メーカーとかの大口注文については、生産性への影響がデカいので
なかなか『じゃあ納入しません』とはならないんだな現実は。。
生産ラインとしてはともかくトータル(一般ユーザへ納車しての最終的な売り上げ)として
みるならほとんど損しないんじゃないかな。。。
生産遅延で"大"損するのが当てはまるのは「売れる時期(旬)がタイトな製品」で売る時期を
失した場合だよね。
自動車はこれには当てはまらないよね。
プールに在庫がある車種なら、プールから引き当てになるから、プールの在庫が一瞬減る
だけ。
バックオーダーを抱えている車種・受注生産車種なら、もうユーザとの契約は終了してい
るので、ユーザへの引き渡し期日が伸びるだけ。
(ユーザも数日の遅延では、「お詫びに用品サービスします」とか言われれば目くじら立て
る人はそんなにいない)
もちろん、自動車メーカー・販売店の売り上げはその月低下することにより、キャッシュ
フローが一時的に悪化する程度の影響はあるかもね。
あと、メーカーの生産ライン側は、仮にラインの稼働率が落ちたなら他の部品納入メーカーに
対して、納入タイミングの変更を指示するだけ。
納入遅延指示部品の在庫を抱えるのは部品メーカーって事さ。
例えTier1だったとしても。