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鹿の獣害対策をしている会社がある。その案は二つ。
(1) 一方通行の柵 …… 線路に入りにくくて出やすい、という柵。(ただの柵だと、入りやすい一方で、いったん入ると出にくい。その逆にする。)
(2) 鹿が線路に入るのは、線路を舐めて鉄分を補給するためだ。そこで、鉄分補給の栄養剤を用意することで、線路に入りにくくする。
詳細は下記。(メーカー公式)
→ シカ対策システム ユクリッド 鉄道商品・獣害対策商品 日鐵住金建材株式会社
※ 図があるので、図を見て理解するといい。
解説は下記。
→ シカと列車の衝突事故が起きる原因は「鉄分」だった! | ダイヤモンド・オンライン
以上は情報の提供という形で、紹介した。
【 関連項目 】
すでに同じテーマで2回、記した。
→ 鹿の獣害対策の妙案: Open ブログ
※ 夜間だけ通れる踏切を設置する
→ 鹿の獣害対策の妙案 2: Open ブログ
※ 走行中の列車からシカと犬の鳴き声を流す
以上の二つは、いずれも効果があることが判明している。
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一方、本項で新たに紹介した方法では、大きな効果が判明している。
〔侵入件数(※)〕
171件(未設置期間(平成24年10月〜平成25年3月))→ 4件(設置期間(平成25年10月〜平成26 年3月))
〔衝撃件数〕
3件(未設置期間(平成24年10月〜平成25年9月))→ 0件(設置期間(平成25 年10月〜平成26年9月))
(※)野生動物観測用のカメラやセンサーを用いて件数をカウント。
( → シカ対策システム ユクリッド 鉄道商品・獣害対策商品 日鐵住金建材株式会社 )
【 補説 】
一方で、現実には対策がなされていないので、衝突事故が続発している。たとえば、次の記事。
《 全文表示 | 電車が鹿→鹿→猪→鹿に衝突 「当たりすぎだろ」と騒然 》
列車が遅延する要因はさまざまあるが、JR紀勢本線で起きた遅延理由をめぐってツイッターに衝撃が広がった。
わずか数時間で、鹿に3回、猪に1回、衝突したというのだ。「当たりすぎだろ」と驚きの声があがる一方で、地元民と思われるユーザーは少し違った反応をしていた。
「地元では、あーまたか」
「三瀬谷駅最寄りですが正直日常茶飯事です」
と、「よくある」ことだと受け止める声も少なくない。
JR東海の広報担当者は8日、J-CASTニュースの取材に、運行状況サイトに書いている内容は「事実です」とした上で、「動物の衝突による遅延はしばしば起きます」と話した。
紀勢本線では列車と野生動物、特に鹿の衝突が相次いでおり、JR東海では対策に乗り出したことがあった。2012年5月、鹿との衝突時に線路外に押しのけるクッション状の「衝撃緩和装置」を一部特急車両の先頭部分に取り付け、効果を検証した。
( → J-CASTニュース )
クッション状の「衝撃緩和装置」だって。バカじゃないの。これは衝突の被害を軽減するものであって、衝突そのものをなくすものではない。こんなことをいくらやったって、衝突回数は減らない。
対策の方法はわかっているし、上記の会社からの売り込みもあったはずなのに、それを無視して、鹿対策をしないのだから、呆れるしかない。
馬や鹿みたいな頭しかないのは、JR東海であったようだ。馬・鹿だね。
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ちなみに、JR九州では、ちゃんと対策をしている。
→ JR九州、シカと列車の衝突事故に対策 “鉄分餌”で防ぐ: 西日本新聞
JR東と JR西 は、やっているという情報を見出せなかったので、たぶん、やっていない。
[ 余談 ]
次の声もある。
鹿は群れで移動する。鹿はびっくりすると硬直して動かなくなる。夜間の道で車の前に飛び出されるとクラクション鳴らそうが低速でバンパーで小突こうが逃げてくれない。あいつらホント馬鹿だ。
( → はてなブックマーク - takamocchiのコメント )
びっくりすると硬直して動かなくなる、か。
ふうむ。無為無策の JR各社と、どっこいだな。