2018年06月05日

◆ 薄いペットボトルは分別するな

 薄いペットボトルは分別しない方がいい。何でも分別すればいいというわけではないのだ。

 ──

 ペットボトルには、肉厚がきわめて薄いものがある。特に、大容量のミネラル・ウォーターではそうだ。(お茶もそうだ。)
 これらのペットボトルには、薄いラベルが付いている。このラベルは、プラスチックであって、ペットではない。
 ゆえに、ラベルとペットボトルをいっしょに出すと、純粋なペットとはならないので、リサイクルに不都合になる。
 それでも、ラベルは「薄っぺらで軽い」という性質があるので、扇風機で吹き飛ばすことにより、ラベルだけをはじき飛ばすことができる。
 ところが、薄いペットボトルに限っては、それができない。ラベルとペットがいっしょに吹き飛ばされてしまうので、ラベルだけを分別することができないのだ。
 そこで自治体は、
 「ラベルを剥がしてから、分別に出してください」
 と依頼している。
 以上は、朝日新聞の記事による。
 市民に呼びかけても、一定数はラベルがついたボトルが混入する。こうしたボトルは再生業者が破砕し、風で吹き飛ばしてラベルをより分けてきた。ところが、近年は薄くて軽いペットボトルが増えてきたことで、破砕して風をあてるとラベルと一緒にボトルも飛んでしまい、分別できなくなってきたという。
 ラベルなど不純物の混入量は、入札で決まる売却価格にも影響する。
 容リ協によれば昨年度の下半期、寒川町と茅ケ崎市のペットボトルは県内最高額の1トン4万7065円で売れた。寒川町の担当者は「市民の協力が大きい。収集した時点でキャップもラベルもほとんどついておらず、きれいな状態で、再生業者からも高い評価をうけている」と話す。
 ほとんどの自治体は3〜4万円台で売れているが、横須賀市は半額近い1万9千円。異物の混入が多いことも影響したとみられる。売れればほぼそのまま、自治体の収入になるというから切実だ。容リ協の担当者も「手作業や機械での分別は限界がある。中身をすてて軽く洗い、ラベルとキャップをはがして出してほしい」と話している。
( → 神奈川)ペットボトルのラベル取って 軽量で仕分け困難:朝日新聞

 では、これに協力するべきか?
 「イエス」と答える人も多いだろう。環境保護に熱心であるほど、そうだろう。
 しかし、私は「ノー」と答えたい。理由はこうだ。
 「ラベルを剥がせば、自治体の収入が増えるだろうが、住民の手間は増える。住民の余計な人件費(労働コスト)と、自治体の収入増を比較すれば、差し引きして、大赤字になるだろう」

 要するに、自治体の方針は、「住民を無償でこき使って、その代価を自治体が得る」というものだ。ブラック労働の発想のものである。とんでもない発想だ。
 ま、暇で暇で仕方ない人なら、それに従って、リサイクルごっこをしてもいいだろう。だが、まともに仕事をしている人なら、無償労働なんかして、端金を自治体に与えるべきではない。そんなことをするくらいなら、昼寝して、疲れを取る方が、ずっとマシだ。

 結論。

 「リサイクルのため」「環境保護のため」という名分で、無償労働をするべきではない。



 [ 付記1 ]
 ついでだが、同様のことは、「エコ・キャップ」や「ベル・マーク」についても言える。
 多数の人のブラック労働で、一部の人だけが利益を得る……ということは、リサイクルの分野ではしばしば見られるが、これは、詐欺も同然だ。

 本項では、自治体による「リサイクル詐欺」の例を示した。引っかからないようにしよう。

( ※ ついでだが、普通のプラスチックも、必ずしもいちいち分別する必要はない。大きいものはともかく、小さなプラスチックシートなどは、いちいち分別しないで、そばのゴミ箱に入れれば十分だ。手間を無駄にするべきではない。)

( ※ 大きいプラスチックだと、分別してもいい。そばに袋があれば、たいして差はないだろう。それより、かさばるプラスチックごみをまとめて、家庭ゴミの体積を減らせることが、ちょっと有益だ。……ま、どうするかは、ご自由に。)

 [ 付記2 ]
 繰り返しになるが、注釈すると……

 厚いのはラベルだけを扇風機で飛ばせるから機械処理が可能。
 薄いのはラベルだけを扇風機で飛ばせないから人的処理が必要で、高コスト。
 そこで、「ごちゃ混ぜで全部ペットとして出すよりは、薄いのだけはプラゴミとして出した方が、自治体も家庭もどちらも得するので win-win になる」(それがベストだ)……というのが、本項の趣旨。

 [ 付記3 ]
 ペットボトルを分別して出した方がいいのは、ペットボトルを大量に消費する家庭。
 一方、ペットボトルをほとんど消費しない家庭では、いちいち分別しないで、プラゴミといっしょに出せば十分だろう。どうせたいした量じゃないんだし。(いちいちペットボトルの日に外出して運んでいくのも面倒だ。)

 ※ プラゴミとして出せば、燃料となって発電に使われるので、石油消費量を減らす効果がある。

 [ 付記4 ]
 「ラベルのないペットボトル」というのもある。朝日の天然水。報道されて、記事になった。
  → エコもここまで来た…アサヒがラベルのないペットボトル飲料をAmazon限定で発売



https://amzn.to/2LpnoD9


 メーカーによると、特許・意匠出願中とのことだから、一般的にこうなるわけではないようだ。
posted by 管理人 at 22:26| Comment(6) | エネルギー・環境2 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
自販機やコンビニ、駅等で回収されたPETボトルはキャップ、ラベルがついたまま、洗浄もされることなく事業系ルートで回収されます。その後、選別、洗浄、キャップやラベルの除去プロセスを経て再生されているようです(PETボトルリサイクル推進協議会)。

つまり家庭から排出されるPETボトルでも飲み終えたままで回収再生は技術的に可能なわけです。この選別、洗浄、キャップやラベルの除去プロセスを自治体のリサイクルプロセスに付加した場合の損益が明らかにされるべきかと。赤字に陥らないのならば、洗浄やラベルやキャップの除去を各家庭に勧めるのは仰るとおり余計な介入です。PETボトルの厚い/薄いに関わらず。
Posted by 作業員 at 2018年06月05日 23:43
 最後に [ 付記2 ][ 付記3 ] を加筆しました。
 タイムスタンプは 下記 ↓
Posted by 管理人 at 2018年06月05日 23:57
 最後に [ 付記4 ] を加筆しました。「ラベルのないペットボトル」の話。
 タイムスタンプは 下記 ↓
Posted by 管理人 at 2018年06月06日 06:10
プラスチックであってペットでない、ていう言い方はもにょりますね。
比重違うんだから昔みたいに塩水あたりで分離するか、ラベルに混ぜものして比重軽くするかすれば良いのに、と思いました。
Posted by しかし at 2018年06月06日 08:52
ペットボトルのラベルって風で吹き飛ばすのですか。
どうやって除去しているのだろうと思っていたのですがおもしろいですね〜

たしかに、特に小さいペットボトルだとラベルを除去するのはいちいち面倒ですが、その分自治体の売り上げが減って結果行政サービスに影響するなら、、と思いましたが、たかだか数万円の話でしたか。
いやはやホントにリサイクルごっこですね(^_^;
Posted by K2 at 2018年06月06日 11:09
ホームレスすら見向きもしないものに資源としての価値なんてないんだから、ほんと全部燃やせばいいよ。
Posted by そもそもごみ at 2018年06月06日 14:00
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