2018年06月03日

◆ 空母への改修 2

 護衛艦を空母に改修しよう当動きがあるが、空母よりも空中給油機の方が重要だ。

 ──

 「政府は護衛艦(ヘリ空母)の いずも を空母にしようとしているが、専守防衛に反するから、駄目だ」
 という趣旨の社説が出た。(いささか時期遅れで)
 《 空母化の研究 専守防衛からの逸脱だ》
 安倍政権がまたひとつ、戦後日本の防衛政策の転換を画策している。専守防衛の原則を踏み外す空母の保有である。
 2015年に就役した海上自衛隊最大の護衛艦「いずも」は空母のような甲板を持ち、多くのヘリを一斉に運用できる。設計段階から戦闘機を載せる空母への改修が想定されていたが、3月以降、政府・自民党内の動きが相次いで表面化した。
 まず小野寺防衛相が国会で、米国製の最新鋭ステルス戦闘機F35Bの搭載を視野に研究中であると初めて認めた。4月には防衛省が米軍の後方支援を目的とする調査報告書を公表した。
 政府の動きを後押しするように、自民党は年末の防衛大綱策定に向けた先日の提言で「多用途運用母艦」の導入を打ち出した。「専守防衛の範囲内でさまざまな用途に用いる」としているが、攻撃力を格段に高めた空母であることは疑いない。
( → (社説):朝日新聞 2018-06-03

 朝日はこう述べて反対してるが、私は同意できない。「専守防衛」なんてものは意味がないからだ。
 一般的に、「正当防衛」というものは、ただの防衛行為ではなく、攻撃行為を意味する。たとえば、殺人犯に殺されそうになったとき、逆襲して、殺人犯にケガをさせる(または殺人犯を殺してしまう)。こういうふうに相手を攻撃する行為のことを「正当防衛」という。それは名前は「防衛」ではあっても、実質的には攻撃なのである。

 ミサイルで言おう。ミサイル防衛網は「専守防衛」の概念には一致するだろうが、「正当防衛」の概念の範疇では、「敵ミサイル基地への攻撃」も含まれる。これは攻撃ではあるが、正当防衛と見なしていいのだ。
 こういうわけであるから、「専守防衛」にこだわることは無意味である、というのが、私の見解だ。
( ※ 憲法9条の規定を、正当防衛については例外と見なす考え方に従えば、正当防衛としての攻撃も憲法違反とならない。)

 ──
 
 ただし、それとは別に、「空母」については私は否定的に考える。理由は三つだ。

 (1) 離島

 政府は「離島防衛」を目的としているが、離島防衛は目的とはならない。なぜなら、離島そのものが不沈空母になるからだ。あちこちの離島に飛行場を用意しておけば済む問題だ。
 この件はすでに先日の項目で言及した。
  → 空母への改修: Open ブログ (4月28日)
 ※ 朝日もこの時点で言及すれば良かったのに。1カ月も遅れている。
 ※ 本項は、上記項目の続きである。

 (2) 長距離

 空母というものは、特別に長距離を移動する場合にのみ役立つ。離島のような日本近辺では、空母の意味はない。意味があるとしたら、中東のような遠隔地に派遣する場合だ。
 しかし、中東に F-35 を派遣して、その分、日本の防空がお留守になるというのでは、本末転倒だろう。何を考えているんだ。バカじゃないの? 日本を弱体化しようとしていることになる。
( ※ 自民党議員は、北朝鮮の工作員で、日本を滅ぼそうとしているのかもね。)

 (3) 空中給油機

 中東のような長距離でなければ、空母よりも空中給油機の方が圧倒的に便利だ。そもそも、空母だけあって、空中給油機がなかったなら、戦闘機は途中で帰還しなくてはならない。それでは効果が大幅減だ。一方、空中給油機があれば、長時間の飛行が可能だ。そして、その場合は、空母は特になくてもいい。
( ※ 空中給油しながら、陸上の基地に戻ればいい。)
 
 ──

 というわけで、結論は、こうだ。
 「空母は必要ない。空中給油機さえあればいい」


 では、空中給油機はあるか? 
 あることはある。KC-767 という機種が3機ある。
  → 主要装備 KC-767|防衛省 [JASDF] 航空自衛隊

 これに加えて、最新鋭の KC-46A も追加配備される予定だ。
  → ボーイング、航空自衛隊向けKC-46Aペガサスを契約 FMSの一環で
  → 空自、新空中給油機導入の意味 航続距離以外にもあるその目的
  → KC-46空中給油機とは

 ただし、現時点では開発途上であり、配備は数年後だ。
  → KC-46A、FAAの認証取得向け飛行試験完了
  
 なお、旧型と新型は、同一機種のマイナーチェンジぐらいの差であり、実質的にはほとんど変わらないそうだ。
  → KC-46について - Yahoo!知恵袋

 ──

 要するに、こうだ。
 「空中給油機が必要だが、すでに3機ある。新型は現在は開発途上なので、まだ配備されていないが、数年後に追加配備される予定。いずれにせよ、空中給油機があるので、空母なんてなくても済む」

 自民党の議員は、たぶん「空中給油機はすでにあるし、新型も数年後に配備される」ということを知らないのだろう。無知。それゆえ、「空母がほしい、空母がほしい」と喚いているわけだ。
 子供が「オモチャがほしい、オモチャがほしい」と喚くのと同じだ。


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posted by 管理人 at 09:19| Comment(13) |  戦争・軍備 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
中国が持ってるから日本も!!っていうのが空母ほしい人の本音かと思います。

有効性なんか二の次で、単なる対抗意識。
Posted by tomo at 2018年06月04日 14:34
 「漫画の 空母いぶき を見たから、ほしくなった」
 というのも有力。
Posted by 管理人 at 2018年06月04日 19:28
 漫画の 空母いぶき には、おかしなところがある。

> 殲20による下地島空港・宮古空港空爆により、…… F-35AとC-2を失い、下地島空港は使用できなくなった

 というが、F-35A を配備する空港が、レーダーもなしに爆撃を食らうというのは、おかしい。敵が低空飛行するにしても、哨戒機ぐらいは飛ばしているはずで、気づくはずだ。そうしないとしたら、おかしい。

 さらには、航空機を剥き出しにして破壊されるのもおかしい。巨大な格納庫を用意しておけば、屋根でカモフラージュされるので、半分ぐらいは被弾を免れるはずだ。

 逆に言えば、空母なんかを配備する前に、宮古島に高性能レーダーと大規模格納庫を建設するべきだ。十億円単位で済むはずであって、千億円単位にはならないはずだ。

 一方、空母への改修は、千億円単位の金がかかる。
  → https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/jbpress/politics/jbpress-52667
Posted by 管理人 at 2018年06月04日 19:38
左翼世代の軍事ヲタク、かわぐちかいじですか。
彼の作品にはトンデモ描写もありますからねぇ。

そんな虚栄心は軍人にも戦略論にもありません。
現在のところ使い道は、北朝鮮や中国への牽制でしょう。
もちろん実際に使えるものでなければなりません。
中国が台湾海峡を通過する日本の船舶数をカウントしているのをご存知でしょうか。
中国に海上封鎖のオプションがある証拠です。
シーレーンには常駐パトロールの必要があります。
Posted by 普通のおっさん at 2018年06月08日 04:31
> 北朝鮮や中国への牽制でしょう。

 逆でしょ。
 空母を配備して、三千億円ぐらいを(軍事的に無効な)空母のために使ってくれたら、その分、他の軍備が減るので、北朝鮮や中国は「日本の軍事力が三千億分も低下した」と大喜びですよ。
 嘘を書いて日本の軍事力を低下させようというのが、空母推進派の狙い。あなたもその一派だったか。真実を隠蔽して、日本の防衛力を低下させることを狙っている。無駄な兵器(空母)に金をかけて、必要な兵器を減らそうとしている。あなたはきっと北朝鮮や中国の工作員だな。


> シーレーンには常駐パトロールの必要があります。

 常駐まではともかくとして、そのためには、ヘリ空母で、ヘリによって潜水艦を探知する必要があります。日本にとって最重要なのは、ヘリ空母です。
 そのヘリ空母をつぶして、ただの(役立たずの)空母にしようというのが、空母推進派の狙い。ただのバカか、仮想敵国の工作員か、どちらかだな。
Posted by 管理人 at 2018年06月08日 05:11
将来、中国の潜水艦は脅威になります。
その潜水艦の開発建造数を減らすことができるとすれば、どうでしょうか。
いずも級の空母化により、中国機動部隊は陳腐化します。
中国は負けじと旧式化した海軍の更新増強に巨額の資金を投入することでしょう。
分散投資に伴う部分的な軍縮と国力の低下を強いられるわけです。
戦わずして勝つことになりそうですね。

北朝鮮の海軍は問題になりません。
空母が存分に活躍しそうですね。
実際使わずに済むことを願いますが。
Posted by 普通のおっさん at 2018年06月10日 20:31
> 中国の潜水艦は脅威になります。

 そうです。そして、潜水艦に対抗する最高の方法が、ヘリ空母です。ヘリでソノブイを落とし、潜水艦を探知します。「潜水艦は海で最強だ」と沈黙の艦隊で言っていますが、実は、ヘリ空母があると、潜水艦は負けてしまう。

 いずもみたいなヘリ空母があれば、中国の潜水艦を抑止できます。しかし、いずもを空母にしてしまえば、その分、ヘリ空母が減るので、中国の潜水艦は息を吹き返します。つまり、やればやるほど、日本の海軍力は低下してしまう。
 では、空母化によって、戦力は向上するか? しません。日本にはもともと離島という不沈空母があるので、空母なんか、あってもなくても、対中防衛力には影響しないからです。

 空母が有効なのは、中東あたりに行くときだけです。

> いずも級の空母化により、中国機動部隊は陳腐化します。

 そんなことはありません。いずもに F-35 を5機ぐらい搭載しても、大勢にはまったく影響を与えません。重要なのは離島に F-35 を大量配備することだけです。
 なお、中国の最新沿線当機は、将来的には数百機規模で配備されるでしょうから、日本がどれほど F-35 を配備しても、数の差で完敗するでしょう。航空戦力では、日本に勝ち目はまったくない。日本と中国で戦争をしたら、日本は白旗を揚げるしかない。

 ただし現実には、米軍がいるので、中国の負けです。
 結局、中国との優劣で決定的なのは、米軍の戦力です。日本が空母を作ろうが作るまいが、焼け石に水であって、莫大な中国空軍には対抗できません。
 特に、スホーイみたいなのが大量配備されたら、日本はどうしようもない。F-35 がいくらか配備されるのは、何年もあとのことです。現状では、F-35 の試験機(プロトタイプ)がちょっとあるだけ。
Posted by 管理人 at 2018年06月10日 20:52
すっかり「かいじ」に感化されてしまっていますねw
うちの職場の先輩は彼を右翼だと言うのですが、わたしは彼の作品は左翼学生のファンタジーと言っていますw

日本の離島の空港基地では長大なシーレーンはカバーできません。
格好の固定目標でもあります。
中国が最新の潜水艦を大量建造した場合、米国が艦隊を分散配備をしてでもシーレーンをカバーしきれるかは疑問です。
今も昔も日本のアキレス腱は「エネルギー資源」の補給路です。
「ヘリ」にも「ステルスVTOL機」いずれにも使えるということが、中国共産党を大いに迷わせます。

F-35Bは、10機以上は積めるはずです。
しかも中国海軍が対応できないステルス機が。
対して「遼寧」は実際に運用できるのは30機程度と言われています。
レーダーにばっちり映る兵装と燃料に制限のある旧式機が。
中国には、莫大な軍拡の後に「人口減少」というクライシスが待っています。
Posted by 普通のおっさん at 2018年06月10日 22:22
 シーレーンなんてものすごく長大なんだし、それをすべてカバーするとしたら、空母が 10艦以上も必要でしょう。ゆえにシーレーンを守るのは無意味。
 
 もっと問題がある。
 シーレーン防備のために航空機を派遣したら、その分、肝心の日本領空がお留守になってしまう。頭隠して尻隠さず。いや、もっと悪い。本末転倒。
 日本のなけなしの軍備を、日本領土から追い出して、どこかの遠くの地に派遣させようとするなんて、とんでもない。日本をすっかりお留守にしてしまう。

 ただし、あなたの意見は、安倍首相にそっくり。なるほど。二人とも日本の戦力配備の空洞化を狙っていたのか。それで、集団的自衛権を唱えていたんだな。
 それにしても、F-35 を日本から追い出してしまおうと狙っているなんて、頭いいですね。あなたは日本弱体化を狙う工作員だな。うまいことを言って、たぶらかす。その方針にだまされたネトウヨたちが、喜んで日本領域の弱体化に賛同するでしょう。バカばかりだし。

 しかし、敵国工作員であるあなたの狙いは、私が見破りました。

 ──

 ついでだが、「シーレーンを守れ」なんていう嘘をついても、そんな嘘に引っかかる人は少ないでしょう。
 仮に中国がシーレーンを攻撃しようとしたら、空母を派遣する必要があるが、その空母が米軍空母に撃沈されてしまう。
 肝心の空母を、たかがタンカーなんかを攻撃するために使うはずがない。馬鹿げている。タンカー攻撃に最も有効なのは潜水艦。超高額の空母は、もっと重要な任務のために使います。ど田舎みたいなシーレーンなんかに派遣するはずがない。

> 中国が最新の潜水艦を大量建造した場合

 それへの対抗策は、ヘリ空母であって、空母ではありません。空母への改修は、逆方向だ。
Posted by 管理人 at 2018年06月10日 22:58
空母作るぐらいならミサイル買え
中国との戦争を想定するなら日本も中国も空母なんていらない
それぞれの大陸から兵器を発進させるだけで事足りる
特に中国は日本に届くミサイルを持っていて日本は持っていない

一方的虐殺だけ空母なんて出番なし
アメリカとやりたいならいるけど軽空母でやり合うつもりなの?
ネトウヨは頭悪すぎてやばいね
Posted by かーくん at 2018年06月11日 06:42
>空母が10艦以上も必要
その発想が変ですね。
艦は移動できますし、ジェット戦闘機は更に高速で移動できます。
防衛費は現在に2倍にした方がいいでしょうね。

>あなたの意見は、安倍首相にそっくり。
安倍内閣の戦略がどういうものか詳しくはわかりませんが、考えている階層レベルは同じでしょうね。
管理人さんのそれは、「ゴジラ対キングギドラ」のレベルの階層なんでしょうね。
要するに、戦略ではない。

>タンカーへの攻撃
この発想も変ですね。
深刻な海洋汚染を招き、国際社会からは非難轟々です。
海上封鎖をするだけで日本は壊滅するんですから、そんな無駄なことをする必要はありません。
日本はそれをさせぬようにすればいいのです。

言ったはずです。
中国の潜水艦の建造数を減らすと。
中国の海洋侵略が進行しない内に、徹底的に力を削がねばなりません。

レッテル張りは〇翼の常とう手段ですが、あまりのへなへなパンチにガードをする気も起きません。
Posted by 普通のおっさん at 2018年06月12日 00:23
> 艦は移動できますし、ジェット戦闘機は更に高速で移動できます。

 中東やインド洋にいるタンカーを中国の潜水艦が攻撃するとして、日本の空母が日本付近にいたら、手も足も出せないでしょ。1艦だけあっても、シーレーン防御という目的のためには無意味。

> 海上封鎖をするだけ

 それをさせないのがヘリ空母。海上封鎖をしようとしたら、その艦船が破壊される。

> 中国の潜水艦の建造数を減らすと。

 そのために有効なのはヘリ空母。なのに、肝心のヘリ空母を減らしてしまえ、という戦略は、方向違い。
 

Posted by 管理人 at 2018年06月12日 00:58
管理人さん、支離滅裂になっていますよ
落ち着きましょう

>攻撃するとして
攻撃しません
ヘリで部隊投入、簡単に拿捕できます

>1艦だけ
将来もそう思ってるんですか?

>その艦船が破壊される
艦は潜水艦だけではないんですよ
ヘリなんて簡単に撃墜できます

>そのために有効なのは
日本にヘリ空母があると中国が潜水艦の建造数を減らすと
そんなこと管理人さん言ってましたっけ?
Posted by 普通のおっさん at 2018年06月12日 06:52
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