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(1) ビュールレ・コレクション
これはこの春、一番の目玉。観客は多数。特にルノワールの美少女は大人気。他にも印象派の作品が多数。
もともと評判が高い美術展なので、これはぜひ見なくては、と思って行ったのだが、想像以上に素晴らしかった。美術史に残る傑作がいっぱい展示されている。私の知っている限りでは、史上1位と言ってもいいくらいだ。過去にも多くの有名美術館の展覧会が来たが、これほどの高水準のものは見たことがない。(少なくとも私は。)
ま、単品で言うなら、もっと上の物は何度か来た。モネの「日傘を差す女」とか、ムンクの絵とか、有名なものは何度か来た。しかし、多くの傑作がずらりと並んでいるという点では、今回に勝るものはなかった。(と感じる。)
万人にお勧めだ。一生に一度でもいいから、行った方がいいだろう。普通の有名展覧会の 10回分ぐらいの価値がある。
→ 『至上の印象派展 ビュールレ・コレクション』(国立新美術館)
(2) プラド美術館展
これはたいして期待しないで行ったのだが、レベルの高さにびっくりした。印象派よりも前の時代(17〜18世紀)が主体だが、古典派時代の絵画のレベルの高さに驚く。特にすごいのは、絵画のもつエネルギーだ。
古典派の絵画というと、静的な感じのものが多いのだが、この展覧会では、静かさというよりは、あふれるエネルギーを感じる。それは「天才的」と言ってもいいようなエネルギーだ。ちょっとダビンチと似たような感じ(ダビンチの 10分の1ぐらいの感じ)がある。それは、そこいらにある古典派の絵画とはまったく別種のものだ。
この時代の最高峰の絵画がずらりと並んでいる、という感じだ。絵画というと、印象派の絵画が好まれることが多いが、それよりも前の時代にも、圧倒的な力量を持つ作家がたくさんいたのだ、とわかる。
これもまた、十分に見る価値がある。絵画好きならば、必見だろう。
→ プラド美術館展 ベラスケスと絵画の栄光|国立西洋美術館
(3) プーシキン美術館展
これはテレビCMがいっぱい流されているので、ついでに行ってみた。 (2) といっしょに見ることができる。(どちらも上野駅前だから。もちろん料金は別だ。)
はっきり言って、これは期待はずれだった。もうちょっとマシかと思ったが、並みの展覧会と同程度。外国の美術館の移設展としては、並み以下。特に見る必要はない。この (3) を単独で見に行くほどの価値はない。ただし、お金と時間が十分にあるのならば、(2) のついでに見るのもいい。暇つぶしにはなる。
→ プーシキン美術館展──旅するフランス風景画|東京都美術館
→ 【公式】プーシキン美術館展ー旅するフランス風景画
[ 付記 ]
(1) は大混雑だが、(2)(3) は現時点では すいている。(いずれも平日の場合。)
なお、美術展は一般に、会期の後半になると込む。なるべく前半に行く方がいい。
また、閉館の少し前だと、客が激減して、混雑を回避しやすい。通常、閉館の 30分前に、入館停止となる。閉館の 45分前に入るのが、混雑を避けるコツかな。
土日は? もちろん、大混雑でしょう。たぶん。
あと、(1) では、お土産を買う行列が(レジ前で)長蛇の列をなしている。会計を済ませるだけで、長い時間がかかる。忙しい人は、買うのは諦めた方がいいかも。
「そんなに並ぶの? げげっ。行くのはやーめた」と思うかもしれないが、入館には別に待たされない。ただし、もうすぐ会期終了だから、今後は大変かも。ゴールデン・ウィークだしね。
「なんでもっと早く教えてくれないんだ!」
と思うかもしれないが、私だって、自分の都合というものがあるんです。しょうがないでしょ。読者のために美術館に行くわけじゃないし。昨日行ったばかりで、今日書いたんだから、遅すぎるわけでもない。
なお、(2)(3) は、まだまだ会期に余裕があります。
【 関連動画 】
[ 余談 ]
これは蛇足だけど、私は若いころ、美術展のチケットをプレゼントして、美人ちゃんを展覧会に誘って、展覧会デートをしたことがたびたびあった。
映画館は暗くて隣席の人がわからないが、美術展は明るいので、デートの場としては悪くない。「タダで展覧会に行けるのなら」と思って、美人ちゃんが誘いに乗ることもあるわけだ。
なお、展覧会のあとは、いっしょにお食事。そのあとは公園でデート。
( ※ これが男女交際の正しいあり方です。)
( ※ 一方、いきなり「おっぱい触っていい?」なんて言うのは、非モテのやる邪道。こんなことを言えば嫌われるだけだ。それもわからず、「相手は了解しているかも」と妄想するなんて、馬鹿丸出し。)