2018年04月23日

◆ 観光業の問題

 観光業にはいろいろと問題がある。特に最近は、外国人観光客が多すぎる「観光公害」が話題になっている。では、どうすればいい?

 ──

 「観光公害」が話題になっている。たとえば、京都には外国人観光客が多すぎて、路線バスが超満員となり、市民がバスを利用できなくなっている。また、あちこちでトイレ不足の問題が発生する。その一方で、弁当持ち込みで食事代も出さないので、地元に落ちる金は少ない。地元は踏んだり蹴ったりだ。
  → 「訪日客は迷惑」京都を悩ます"観光公害" | プレジデント
  → 観光公害 - Wikipedia
  → そろそろ本気で考えなければならない『観光公害』 京都 | 訪日ラボ
  → (ニッポンの宿題)目立つ「観光公害」:朝日新聞

 では、どうすればいいか? 一応、対策を考えている人もいるようだ。
  → 広がる「観光公害」へ対策を急ごう:日本経済新聞
 だが、これでは有効ではないようだ。困った。

 ──

 そこで、困ったときの Openブログ。うまい案を出そう。

 まず、基本方針は、こうだ。
 「問題の根源は、外国人観光客が、京都のような一部地域に集中することだ。だから、これを日本各地に分散すればいい」


 これは要するに、需給の不均衡の問題だから、この不均衡を解消すればいいわけだ。
  ・ 京都のような人気地域では、観光税などを徴収して、客を減らす。
  ・ あまり人気のない地域では、観光客を呼ぶ推進策をとる。

 こうして日本各地に広く分散すれば、一部地域における過剰な集中という問題は解決できる。これが基本方針だ。

 ──

 ただし、基本方針はわかっても、それを実現する具体策が問題だ。というのは、次の状況があるからだ。
 「地方の旅館は、外国人観光客を受け入れる態勢ができていない」


 たとえば、食事内容も、布団(の時間)も、温泉(の時間)も、いろいろと旅館の側の規定で制約されていて、客の自由にはならない。
 日本旅館は、ある一定の様式で使うことが前提となっていて、個人の自由にはならないのだ。特に外国人には適さないことが多い。この件は、下記で詳しく論じられている。
  → 外国人が心底ガッカリする「日本の旅館事情」 | 東洋経済
  → はてなブックマーク
 
 ま、なかにはまともな旅館もあるのだが、とにかく旅館は小規模経営が多いので、外国人対応ができていない旅館が多い。玉石混淆ではあるが、駄目な方が圧倒的に多い。
 こういう状況を解決するには、どうすればいいか? 

 ──

 そこで、うまい案を出そう。こうだ。
 「日本旅館をチェーン店化する。ホテルのチェーン店みたいに、日本旅館をチェーン店にして、サービスを均一化するとともに、サービスのレベルを大幅にアップさせる」


 これはつまり、「マニュアル化によって外国人向けのサービスをお幅にアップさせる」ということだ。

 実は、これは、私の独自の案ではない。次のテレビ・ドラマで紹介されていた案だ。
  → 「コンフィデンスマンJP」2話。エキレビ!
  → 【コンフィデンスマンJP】第2話のネタバレあらすじと感想。

 老舗旅館が赤字で倒産寸前になって、大手の旅館チェーン店に買収されそうになるが、「買収されて可哀想だ」と思った人が介入して、すったもんだが起こる。それで、最終的には、買収されずに済んだのだが、どういうわけか、勝手に(結婚して)廃業してしまう。廃業したあとは、大手の旅館チェーン店のものとなり、全面改装されたが、そうしたら、近代化されてサービス満点となって、大人気。赤字で倒産寸前だった老舗旅館が、大手の旅館チェーン店のものになったことで、大幅にレベルアップして、状況は改善した……というわけ。

 話は皮肉だが、本質をうまく突いている。
 多くの老舗旅館が赤字で倒産寸前なのは、サービスが旧態依然であるからだ。これを一軒一軒、個別に改善するというのは、ちょっと難しい。そこで、大手チェーン店が介入して、多くの旅館を一挙に改革すれば、状況は改善するわけだ。

 実際、日本の旅館で好ましくなっているのは、「星のや」みたいなチェーン店となっているところばかりだ。一軒ずつ孤軍奮闘しているような老舗旅館は、なかなか状況が改善しない。そもそも、何をどう改善したらいいのかも、わかっていないようなありさまだ。ここでは経営ノウハウが根本的に欠落している。だったら、身売りするような形で、チェーン店に買収されるか、あるいは、フランチャイズに入る方が、よほどマシだろう。

 なお、「画一化されたサービスはイヤだ」と思い人もいるかもしれないが、それは早計だ。チェーン店というのは、東急インや、アパホテルみたいな、低級な大衆レベルのものばかりではない。「ザ・リッツ・カールトン」や「星のや」みたいな高級のチェーン店もある。
 スーパーだって、ヨーカドーみたいな大衆店ばかりがあるわけじゃない。富裕層向けの高級スーパーもある。同様に、旅館やホテルのチェーン店も、高級なものがあるわけだ。チェーン店だから悪いというようなことはない。

 なお、「チェーン店にする」というと、資本関係ばかりが着目されるが、その本質は、「近代化する」ということだ。逆に言えば、地方の老舗旅館は「前近代的なままだ」ということだ。──これが現代の観光業の問題だ、と言える。



 [ 付記1 ]
 金沢では大量のホテルが建設されて、供給過剰の恐れがあるそうだ。
  → ホテル乱立、金沢過熱 新幹線開業3年「過剰」指摘も:朝日新聞
 だったら、京都に来る観光客を、金沢あたりに誘導するといいだろう。
  → 絶対に外れない!金沢で行くべきおすすめ観光スポット39選

 [ 付記2 ]
 金沢(石川県)については、興味深い情報がある。ここは現代では小都市だが、歴史的には京都にも匹敵するような大都市だった時代があるのだ。
  → なぜ新潟や石川が「人口日本一」だったのか?  - ねとらぼ
 一部抜粋しよう。
 (人口では)1877年には新潟と同じ日本海側から新たな1位が登場します。それは石川県。
 「日本海側」の県がなぜ1位になったのでしょうか。
 19世紀までは経済の中心は第一次産業であったため、作物の王様である「米」を育てるのに適した環境であった日本海側が賑わいました。
 加えて、明治の途中で陸路が発達するまで、運送の主役は長らく「海運」でした。その中でも代表的な「北前船」という運送手段が活躍したのも日本海側です。
 実は黒潮の流れに逆らって走る太平洋側のルートは当時の船では航海が大変でした。それに対して日本海側の西廻り航路のほうがカンタンかつ安く運べたので、海運の主要ルートだったのです。
 当時日本海最大の都市にして、一目置かれていたのが金沢でした。

 金沢は、かつては日本でもトップクラスの大都会であったわけだ。加賀百万石は伊達じゃないわけだ。

 [ 付記3 ]
 加賀百万石の名残は、現代にもある。駒場公園の旧 前田侯爵邸だ。東大・駒場のそばにあるので、知っている人も多いだろう。

 ここは、人もあまり来ないので、デートの穴場だ。ここの和室で彼女と二人でイチャイチャしたことを思い出す。素敵な青春。それがあったのも、加賀の殿様のおかげ。ありがとう。

《 パノラマ写真 》





《 動画 》




posted by 管理人 at 23:56| Comment(9) | 一般(雑学)4 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
同意見です。津山や新見に行くと、外国人受けしそうな場所が沢山あるのにちっとも来ないのはもったいないと感じてます。一方、京都の河原町付近は既に外国状態、、、。(笑)
資本の力でバランス取って欲しいと感じます。
Posted by やまさん at 2018年04月24日 11:08
滅多に帰省しませんが京都市内に実家があるんんで、今の異常な賑わいに複雑な思いを持ってます。バルセロナみたいな酷い事にならんでほしいなと・・・。
しかし、メディアも酷いというか、手抜きが目立ちますね。
TV局は京都の特集ばかり組んでて、BS(特にNHK )は毎日のように放送してます。それも飽きずに毎回のように同じネタを繰り返し、変えるのはキャストだけみたいな。京都の観光関係・業者も取材に慣れてるので、局の方も手軽に取材できてしまうのかなと。京都本も腐るほど出てるし、それをなぞれば駆け出しのスタッフたちでも番組作れてしまいそうです。
「日本には京都しかないのか?」と思ってしまうほど、TVも雑誌も京都ばかり取り上げて、日本は何でもそうですが、偏りが酷すぎますね。
無料で毎日のように京都を宣伝してるようなものです。(お隣の奈良なんて、凄まじい魅力に溢れ、偉大な観光遺産が山のようにあるのに、それに気づけてない外国人や若者が多すぎ)
やまさん様が上に書いておられますが、日本各地には魅力的な場所が沢山あります。そういえば2008年頃、京都に飽きた外国人たちに人気があるのは高野山だという話題がSNSに上がってたりしましたし、もっと分散させる方法はあると思うんです。各自治体も、京都の賑わいを指を咥えて眺めてるだけじゃなく、積極果敢に誘致・宣伝すべきですが、やはり政府の協力が無いと限界があるでしょうね。温泉にしても、城崎ばかり人気があるようですが、城崎より湯量豊富な源泉溢れる温泉や歴史ある温泉旅館建築を持つ場所は各地(東北、北関東、北信越、東海地方、九州)に沢山あるし、特に寂れてしまった温泉地は勿体ないので(例えば群馬の水上。廃墟になったホテルや宿が風光明媚な風景の中で寂しそうに佇んでる。廃墟宿の中には建築好きなら垂涎の建物がある。リノベしたらまだ使えそう)、熱海のように復興出来れば外国人や国内の旅行者たちで賑わう可能性はあります。
Posted by 名無し at 2018年04月24日 12:02
管理人様の仰るように、宿の問題も大きいですね。
これについては、改革すべき問題が山積してます。
温泉宿なら、群馬の水上にある宝川温泉・汪泉閣が外国人で賑わってますが、それを参考にすれば良いかなと。(上に水上の衰退を書きましたが、衰退が酷いのは中心部です)
温泉旅館は一日で和文化の殆どが気軽に体験できるので(至れり尽くせり。しかも外国人の好きな「観光体験」も含めれば良い)、もっと注力したほうがいいですね。素晴らしい観光遺産ですから。
Posted by 名無し at 2018年04月24日 12:14
すでに地方に分散しつつありますよ
出張先でよく見ますもの
インターネット上の口コミで自然に加速していくんじゃないでしょうか

万事自分のペースで旅行したい人は民泊ですかね
ゲストハウスも人気ですね
Posted by 普通のおっさん at 2018年04月24日 20:03
国際色豊かになりましたが、郷に入れば郷に・・・あんておかまいなしに、自分のやりたい放題の方々が多いので、正直なところ、これ以上増えないでほしいです。
ちょっと一杯も一見さんお断りのお店は敷居が高いし交通の不便なところに行くしかなくなりました。

交通インフラも市民(通勤通学者を含む)パスで割引き、不所持者は倍額払いとかにしたら赤字も解消するかもしれません。
Posted by 京都の人 at 2018年04月24日 23:02
地方への分散は結構なんですが、ただ管理できる観光地に止めてほしいものです。

富良野の嵐の木や美瑛の哲学の木に纏わる騒動は記憶に新しい処ですし、最近では篠栗九大の森も...勿論外国人観光客のみに起因する問題ではありませんけど。
Posted by 作業員 at 2018年04月25日 00:54
> 富良野の嵐の木や美瑛の哲学の木に纏わる騒動

 調べたら、これですね。

 https://matome.naver.jp/odai/2138046887193477401

 農地の一角に観光客が来すぎて、地主が「迷惑だ」と怒っている、という話。

 これは、もったいない。せっかく多数の観光客が来るのだから、有料にして、お土産も販売すれば、多額の利益を上げることができるのに。
 無料のままなら、損するだけだから、怒るだろうけど。ほんとに、もったいないなあ。宝を捨てるようなものだ。

Posted by 管理人 at 2018年04月25日 05:28
農家に対する敬意んを感じないコメントだな。例えば寿司職人に対してピザが流行ってるから今あんたの店でピザ売れば小銭が稼げるよ。と言ったら怒りそうなことくらい想像できるでしょ。農家の方も有料にすればちょろっと儲かることくらい分かってると思うよ。でも農業の邪魔になるし本業を妨げてまでやることじゃない。たから怒ってるのだよ。
Posted by ははっ at 2018年04月26日 07:06
 来る客が少しなら通行を閉鎖してしまえばいいが、来る客が(記事のように)すごく多数になるなら、そちらを本業にしてしまえばいい。農業は(本業でなく)おまけにしてしまえばいい。楽して儲かる。
Posted by 管理人 at 2018年04月26日 08:00
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