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「首相案件」と述べた首相秘書官(当時)を国会喚問することになりそうだ。
《 自公、柳瀬氏ら招致排除せず=野党は証人喚問要求 》
自民、公明両党の幹事長と国対委員長は 11日午前、東京都内で会談し、学校法人「加計学園」の獣医学部新設をめぐり、「首相案件」と述べたとされる当時首相秘書官だった柳瀬唯夫経済産業審議官らの国会招致について「国会審議を通じて必要があれば与野党で協議して決める」ことを確認した。柳瀬氏らの招致を排除しない姿勢を示したものだ。
( → 2018-04-11時事ドットコム )
未定ではあるが、喚問が実現しそうだ。では、それでどうなる? 特に、佐川喚問との違いを考えよう。(柳瀬喚問について。)
(1) 証言拒否は可能か?
佐川喚問では、肝心の点で、証言拒否がなされた。理由は「訴追の恐れがあるから」というもの。では、同様のことは、柳瀬喚問でもなされるだろうか?
「ありえない」というのが、私の判断だ。なぜなら、柳瀬氏が何をしたのであろうと、訴追の恐れはないからだ。逆に、証言拒否をしたことで、証言の宣誓に反することとなり、罪に問われそうだ。
証言拒否ができないとなると、「真実を述べる」か、「偽証するか」の二者択一となる。
(2) 気質
では、柳瀬氏はどうするか? 真実を述べるか? 偽証するか?
これについては、本人の気質が大きく影響するだろう。
佐川氏は、とても気の強い人なので、対決姿勢を取る。日本中の国民を敵にしても、おのれの信念のために偽証する感じだ。彼にとっては国税庁長官になることが何よりも重要だったのだろうから、その代価としてなら、いくらでも偽証するだろう。批判されても、蛙の面にションベンという感じだ。厚顔無恥と言ってもいい。
一方、柳瀬氏は、「記憶にない」を連発するばかりで、「逃げ」の姿勢ばかりを見せている。見た感じでも、いかにも弱気だ。
ま、国税庁長官になるタイプと、首相秘書官になるタイプでは、気質が違っても当然だろう。前者は他人を従えるタイプだが、後者は他人に従うタイプだ。
で、そういう弱気なタイプだと、「真実を述べるか」「徹底的に偽証するか」を迫られたら、「徹底的に偽証する」という道は取りにくいだろう。嘘をつき続けるだけの気力が続かないだろう。となると、やがてはいつか、真実を告白することになりそうだ。(さもなくば自殺してしまう。)
というわけで、気質を見るだけでも、佐川氏とは逆の方向に向かいそうだ。
(3) 責任を負えるか
柳瀬氏は、佐川氏とは決定的に異なる点がある。それは、自分が実行者を兼ねている、という点だ。
佐川氏なら、文書の偽造を自分でやったわけではない(実行者ではない)ので、「知らぬ存ぜぬ」で、嘘をつき通すことも可能かもしれない。
柳瀬氏は、「首相案件です」と語った本人である(実行者である)ので、「知らぬ存ぜぬ」で、嘘をつき通すことはできない。まさしく自分でそう語ったのだ。
となると、あとは、次の二者択一だ。
・ 首相の命を受けて、そう語った。
・ 首相の命を受けず、独断でそう語った。
前者ならば、首相の責任が問われることになる。柳瀬氏としては心苦しいだろうが、真実なのだから、その点では良心の痛みはあるまい。
後者ならば、首相の命を受けず、勝手に首相命令を捏造したことになる。官僚としては最悪のことをやったことになる。ほとんど犯罪的だ。日本中の国民から罵倒されるだろう。特に、官僚の世界では、徹底的に罵倒されるだろう。当然ながら、懲戒免職ともなる。……しかし、そんなことを受け入れられるとは思えない。いくら首相のために嘘をつくにしても、これほどひどい嘘をつくことはできまい。これじゃまるで、「殺人犯の身代わりになって死刑になる」というような感じだ。いくら何でも、そこまでやる義理はあるまい。
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まとめ。
佐川氏と柳瀬氏とでは、同じく国会喚問といっても、実状は大きく異なる。
(1) 佐川氏は証言拒否が可能だったが、柳瀬氏は証言拒否が不可能だ。(刑事訴追の恐れがないからだ。)
(2) 気質的に、佐川氏は大見得を切って嘘をつくようなタイプだが、柳瀬氏は嘘を貫き通すようなタイプではない。
(3) 佐川氏は偽証しても大きな問題にはならなかったが、柳瀬氏は偽証すると大きな問題を起こす。(公務員として最悪のことをなした大悪人となってしまう。)
……以上の三点によって、柳瀬氏は偽証をする可能性がずっと小さい。佐川氏が偽証をしたからといって、柳瀬氏も偽証をするとは言えない。柳瀬氏は「首相の命令を受けた」と正直に告白する可能性が十分にある。
[ 付記1 ]
不適切発言をした厚労省の部長が処分された。
厚生労働省は11日、報道各社に「是正勧告してあげても」と述べるなど定例記者会見で複数の不適切な発言をしたとして、勝田智明・東京労働局長を更迭し、減給10分の1(3カ月)の懲戒処分をしたと発表した。11日付で同省大臣官房付に異動させて、部長級から課長級へと降格させた。
同省は、監督指導の権限を盾に報道機関を牽制したと受け取られる発言など、不適切な発言で監督行政に対する国民からの信頼を著しく損ね、国家公務員法に規定する「信用失墜行為の禁止」に違反したと処分理由を説明している。
( → 東京労働局長を更迭 厚労省 「是正勧告」発言問題で:朝日新聞 )
ちょっと不適切な発言をしたぐらいのことで、これだけの処分だ。
だったら、「首相命令を捏造する」というようなことをした極悪人は、懲戒免職の上、何らかの刑事処分を受けても仕方ないだろう。
というわけで、「首相からの命令はありませんでした」と証言すること(つまり自分が捏造したと証言すること)は、とうてい起こりそうにないのだ。
[ 付記2 ]
それでも安倍首相は、「部下が偽証してくれる」と期待しているようだ。というのは、
「私が関与したと言った人は一人もいない」(出典)
と前にも述べたように、「私が関与したと証言するような人は一人もいないはずだ」(誰もが偽証してくれるはずだ)と思っているからだ。
つまり、自分がいかに命令を下したとしても、その滅入れりを受けた部下が「命令を受けました」と証言することはないだろう、と高をくくっているわけだ。
ついでだが、安倍首相が本当に関与していないのであれば、事実を明らかにすることが何よりも潔白の証明になるのだから、柳瀬氏のみならず、多くの関係者の証言を受け入れるだろう。また、佐川氏だけでなく、その周辺にいる部下などの証言も受け入れるだろう。事実を明らかにすればするほど、自分の潔白が証明されるはずだからだ。
しかし首相は、そうしない。国会喚問を受ける証人の数を徹底的に減らそうとしている。事実の解明を徹底的に渋っている。……このことからしても、首相が真っ黒であることは疑いの余地がないのだ。自分自身の行動が、自分の黒さを証明している。
愛媛県側の面会をした人は数人います。その証言がある。
首相官邸側にも、秘書官の行動日程が組織に残されているはず。その記録を見れば、「会っていない」ということは覆される。(またしても文書偽造をするか文書廃棄をするかして、スケジュールの記録がなくなっていたら、それこそ真っ黒の証拠となる。)
なお、「アリバイ」の申告もさせるといい。「該当の時間にどこで何をしていたか」を申告させる。スケジュール表を見れば一目瞭然なのだから、すぐにわかるはず。そこで、嘘のアリバイを申告すれば、たちまち嘘が暴露される。
重要なポストに就くことはできないのではないでしょうか。
もちろん些細なことまで記憶しておく必要はないのですが、今回のような重要なことを些細なことだというのなら判断能力が低下しているので、
これまた重要なポストに就くことはできないことになります。
→ https://www.nikkei.com/article/DGXMZO29260800R10C18A4MM8000/
首相は、喚問反対の方針。
→ http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/235634
やっぱり、真っ黒だ。
>スケジュール表を見れば一目瞭然なのだから、す>ぐにわかるはず。そこで、嘘のアリバイを申告す>れば、たちまち嘘が暴露される。
「官邸の行動記録は文書保存期限が過ぎたので破棄した」「個人のスケジュール表はとうに破棄した」でつっぱねるんじゃないですか。誰が見ても真っ黒ですけどね。
野党が期待する証言を得られずに、無駄だっただの、疑惑は深まっただのいうんでしょう。
実際に政権についたら自民党よりひどかった
→ http://www.yomiuri.co.jp/politics/20180412-OYT1T50101.html
なんでそんな不確かな情報をなんの疑いもなく信じるのかねぇ。。。
ちゃんと読売新聞が裏を取って報道しているんだから、不確かであるはずがない。ネトウヨが大好きな保守系の読売新聞ですよ。安倍首相が推奨する新聞。
なんででしょ?取材に応じたのが、メモを提供した人物だけだからなのでは?別人かどうか、なんの証拠もないですもんね。
自民党が多少悪いところあっても政権与党になるのと同じ理由