米国と中国が関税の引き上げ合戦をしている。これをどう評価する?
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いきなり結論を言えば、こうだ。
「米国は、関税を引き上げるにしても、その時期がまずい」
これはどういうことかというと、
「もっと前にやるのならばいいが、今やるのはまずい」
ということだ。
詳しく言うと、こうだ。
中国が北朝鮮への経済制裁をサボっている時期だったならば、中国を懲らしめるのは正義なので、関税引き上げも妥当だった。(経済制裁をしない中国への経済制裁)
しかし、その後、中国は北朝鮮に経済制裁を実施して、北朝鮮の経済状況は非常にひどくなってしまった。あまりにもひどくなって、北朝鮮は音を上げた。核保有政策を放棄するとまで言い出して、米国との対談をするという方針も示している。つまり、現状は、対話の時期だ。この状況では、核放棄のための対話を進めるのが最善の策だ。
一方、北朝鮮への経済制裁を実施した中国に関税引き上げをするとしたら、「北朝鮮に経済制裁を加えたことに対して、ご褒美を上げるどころか、罰を上げる」ということになる。これでは、下手をすると、中国は北朝鮮への経済制裁を解消しかねない。最悪のシナリオでは、こうなる。
・ 中国は北朝鮮への経済制裁をやめる。
・ 北朝鮮は喜んで核兵器を開発する。
こうなりかねない。
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中国は、ちょっと頭が足りないから、報復関税なんかを実施して、米国に対抗している。
しかし、中国がもうちょっと利口なら、報復関税なんかを実施しないで、北朝鮮への経済制裁を解消するだろう。これこそが、米国に最大のダメージを与えるからだ。
また、報復関税なんかを実施すれば、傷つくのは中国である。米国の対外貿易赤字の半分を占めているのが中国であり、この両国の貿易が大幅に縮小することで損をするのは中国だからだ。
米国が関税引き上げをしていないときであれば、「中国が北朝鮮に経済制裁をしなければ、関税を引き上げるぞ。もし報復関税なんかをしたら、両国で引き上げ合戦になり、貿易は縮小するが、それで損するのは中国自身だぞ」と脅迫できた。
しかし、いったん関税を引き上げたなら、もはや伝家の宝刀を引き抜いてしまったことになるので、脅しはもはや効かない。つまり、中国が北朝鮮への経済政策をやめて、北朝鮮を野放しにするとしても、それを止める手段がなくなる。
中国はまだそのことに気づいていないようだ。だから、報復関税なんかを実施する。しかしそのうち、中国は気づくだろう。もしかしたら、「 Openブログに書いてあったから」と知らされて、気づくかもしれない。
だから、そうなる前に、米国は方針を改めるべきだ。
米国と中国の、どちらが勝つか? それは、「どちらが先に Openブログを読むか」にかかっている。(かもね)
2018年04月07日
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