2018年03月21日

◆ 自動運転と赤外線センサー

 自動運転車で死亡事故が発生した。この原因は、夜間運転にうまく対応できていないことだろう。対策は赤外線センサーだ。

 ──

 自動運転車で死亡事故が発生した。事故が起こった時刻は夜間で、認識しづらい状況であったらしい。
 事故は18日夜10時(日本時間19日午後)ごろ49歳の女性が歩道から外れた車道を渡っていたところ起きた。自動運転機能が作動中で、運転席には監督者も乗っていた。
 米紙サンフランシスコ・クロニクルによれば、地元警察は歩行者が急に飛び出し、人間でも避けるのが難しい事故だったとみているという。
( → 自動運転で死亡事故 ウーバー車両、米で歩行者はねる (写真=AP) :日本経済新聞

 米ライドシェア最大手のウーバーテクノロジーズの自動運転車は、アリゾナ州で車道を横断中の歩行者をはねて死亡させる事故を起こしました。詳細は調査結果が待たれますが、現地時間は夜10時ごろで夜道だった。運転席には人が乗っていたものの、事故を防ぐことはできなかった。
( → ウーバー車両の死亡事故をどう見るか

 日曜の夜22時頃、彼女は自転車を押して、横断歩道ではない車道を横切っていたところ、UberのボルボSUVが激突したのです。現場はミル・アべニューとカリー・ロードの交差点で、どちらも車線が複数あり、道幅も広く見通しもいい場所でした。ですが自動運転車は不意の歩行者に対応できず、減速しないまま突っ込んでしまったようです。
( → Uber、アリゾナで自動運転試験中に人身事故。史上初の死亡事例に | ギズモード・ジャパン

 事故は夜間に起こった。歩行者が道路上に出てきたのが一因だとはいえ、歩行者をうまく認識できなかったことは、自動運転システムそのものに能力不足があったことになる。

 ──

 では、能力不足とは? 夜間のセンサー技術が未熟であることだ。
 現状では、センサー技術には、次のようなものがある。
  ・ 単眼カメラ
  ・ ステレオカメラ
  ・ ミリ波レーダー
  ・ レーザーレーダー(赤外線レーダー)


 このいずれも、夜間のセンサーとしては、能力不足である。
 単眼カメラとステレオカメラは、夜間には光量不足で、能力が著しく低下する。こちらからヘッドライトで照射することはできるが、それでも能力は低い。特に、相手が黒っぽい衣服を着ていると、「闇夜のカラス」状態で、認識が困難となる。
 ミリ波レーダーはもっとひどい。これは電波を反射する金属類には強いが、電波を反射しない人間には無反応に近くなる。
 比較的まともなのは、レーザーレーダー(赤外線レーダー)だが、もともと能力が低い。対応できる距離は他のセンサーの半分ぐらいだし、対応できる速度も半分ぐらいだ。コストが低いので、低価格の大衆車に採用されることが多いが、「安かろう、悪かろう」になっている。

 ──

 では、どうすればいいのか? 「赤外線カメラを使う」というのが、私の提案だ。赤外線カメラなら、軍事技術で昔から開発されているから、これを転用すればいい。
 ただ、これは平凡な案だから、いちいち私が提案するまでもなく、すでに考察済みであろう。……そう思って、検索したら、さっそく見つかった。これだ。
 イスラエル企業のAdaSkyが作った新しい赤外線センサーが、レベル3〜5自動運転機能の実用化を早めるかもしれない。このシステムは、赤外線カメラに機械学習ソフトウェアを組み込み受光データを処理する。
 AdaSkyのソリューションは “Viper” という名前で、他の車や人から発せられた赤外線を検出するする。数百メートル離れた場所からの信号も感知できるため、他のセンサーよりも早く歩行者を検出できる。LiDARや一般のカメラと協調して動作することにより、その歩行者が間違いなく歩行者であることを早期に確認できるという。
( → この赤外線カメラシステムは、自動運転技術を改善する | TechCrunch Japan

 動画を見ると、単眼カメラ方式であり、mobileye の技術によく似ている。提携関係にあるのかもしれない。(どちらもイスラエルだし。)
 単眼カメラ方式のほかに、ステレオカメラ方式も考えられるが、実行している会社はまだないようだ。(コスト的には、高感度の赤外線カメラの費用が高額になるので、単眼カメラ方式の方が有利になりそうだ。)

 ともあれ、このような技術(赤外線カメラを使う技術)があれば、夜間の自動運転にもきちんと対応できるようになるだろう。
 一方、その装置を搭載しないで、自動運転を実施するのは、現状では時期尚早だ、と言えるだろう。ウーバーが実験中止を決めたのは妥当だ。



 [ 付記 ]
 ウーバーの自動運転車は、ボルボ製だ。
  → http://j.mp/2IA59Ky

 ボルボは、会社は年産 50万台という小規模な会社だが、自動運転技術では最先端のエヌビディア(NVIDIA)と提携しているので、優秀だ。
  → http://j.mp/2IF14oI

 自動運転の公道実験は、日本でも行われている。日産自動車が DeNA と提携して、3月5日から18日まで、横浜市で実施した。Easy Ride という名称。
  → http://j.mp/2IDglX7
posted by 管理人 at 10:33| Comment(10) | 自動車・交通 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
この手の歩行者が世界中にたくさんいますから。
夜間の運転は特に怖いです。
中央分離帯の茂みに潜んで今か今かと渡ろうとしているおっさんを結構な頻度で見ます。

http://dougarider.com/archives/1775
Posted by 普通のおっさん at 2018年03月21日 13:03
いい歳した大人が交通ルールを平気で破るのをよく見ます。
子供のお手本になりゃしない。
Posted by 反財務省 at 2018年03月21日 17:44
ウーバー社のボルボ自動運転車は自動運転車の機能不足でカリフォルニアでの走行許可が下りませんでした。
そのボルボ自動運転車を事実上自動運転が野放しのアリゾナ州でテストをしたのか又は指摘内容を修正して走行テストをしたのかは不明です。
それに自動運転車がボルボ自動運転車仕様そのままなのかウーバー社で改良を加えたのかも不明です。
ずれにしてもウーバーとテスラは倒産の陰口を囁かれる会社です。(無理してでも実績が欲しい)
Posted by ネトウヨ at 2018年03月21日 18:49
黒っぽい服装で夜間歩かれると本当に見えません。
危ないと思ったこと何度もあります。まして機械なら見落とすでしょう
警察も市役所も夜間は反射体やライト等を持ち歩いてくださいと何度も広報してますが、やらない人間が多すぎます
自動運転車の普及のためにも、歩行者の安全のためにも反射マーカーみたいなの義務化すればいいんじゃないんでしょうか
Posted by RFT at 2018年03月21日 18:56
どの程度の性能か分かりませんがトヨタ ヴェルファイアの自動ブレーキは夜間の歩行者も検知可能になったようです。

トヨタ 安全安心機能サイト
http://toyota.jp/safety/tss/?anchor=structure&tab=0&padid=ag341_from_vellfire_tss_jpsafety_precrash
Posted by skyblue at 2018年03月25日 12:46
 上記サイトを見た限りでは、
  ・ 対歩行者 …… 単眼カメラの感度アップ
  ・ 対自動車 …… ミリ波レーダー
 であるように思えます。

 ソニーの画像センサーは、近年、感度アップが著しいので、それを利用しているのかもしれません。

 https://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/201801/18-003/index.html
 http://www.optronics-media.com/news/20180110/49717/
 https://www.sony.jp/ichigan/products/ILCE-7SM2/feature_1.html
Posted by 管理人 at 2018年03月25日 13:38
Poloの自動ブレーキはレーダーセンサーで歩行者も検知するようです。夜間でも動作するのでしょうか。
https://www.volkswagen.co.jp/ja/models/polo.html#powerLayer=models/polo/2018_activesafety.display
Posted by skyblue at 2018年04月03日 15:37
> レーダーセンサーで歩行者も検知するようです。

 図を見ればわかるように、歩行者といっても、時計やメガネを付けていることが多く、電波を反射することが多いのでしょう。
 電波反射物を何も付けていない歩行者については、ぶつけても仕方ない、という発想でしょう。7割でも救えればいい、という発想。
 これはこれで成立する。「闇夜のカラス」状態では、他の方式が全滅に近いのに比べれば、7割でも救えれば最優秀となるだろう。(赤外線カメラには負けるが。)
Posted by 管理人 at 2018年04月03日 18:15
>>レーザーレーダー(赤外線レーダー)だが、もともと能力が低い。対応できる距離は他のセンサーの半分ぐらいだし、対応できる速度も半分ぐらいだ。コストが低いので、低価格の大衆車に採用されることが多いが、「安かろう、悪かろう」になっている。

LiDARは値段が高いセンサーの代名詞なんですが。
距離は100〜200mぐらい認識できるので、使えないほど短いということもない。
車庫入れ程度に使われる近距離ソナーセンサーと勘違いしているのでは?
Posted by 細波 at 2019年12月14日 10:54
 細波さんは見当違いのことばかりを書く前に、ググりましょう。そうすれば、自分の勘違いに気づきます。

 LiDAR は、赤外線レーダーではなく、赤外線レーザースキャナーです。

  https://motor-fan.jp/article/10005563?page=2

 「Openブログは間違っている」という前提で書くから、「自分が間違っている」ということに気づかない。ゴミコメントを書き込む前に、ググりましょう。ググレカス。

 p.s.
 ゴミにいちいち訂正してあげる私も親切すぎるな。ストーカーを増長させることは良くないね。
Posted by 管理人 at 2019年12月14日 11:04
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