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記事は次の二つだ。いずれも本日の記事。いずれも全文を読める。(本日現在)
→ 子宮頸がん 接種めぐる議論なお:朝日新聞 2018-02-15
→ 「予防はワクチンと検診の両輪で」川名敬氏に聞く:朝日新聞 2018-02-15
一部抜粋しよう。
13年6月の厚労省部会で示された資料によると、HPVワクチンの副反応の頻度(発売後〜13年3月末)は他のワクチンよりも高い。接種との因果関係の有無にかかわらず接種後に報告される重篤な副反応の発生数は、二つのHPVワクチンはそれぞれ100万回あたり43.4件と33.2件。これに対し、比較的近い時期に発売されたインフルエンザ菌b型(ヒブ)ワクチンは22.4件、小児用肺炎球菌ワクチン27.5件だった。
薬害オンブズパースン会議副代表の別府宏圀医師は「HPVワクチンは異常に高い抗体価を長期間にわたり維持するように設計されており、このため複雑な自己免疫反応を引き起こしている可能性がある」と話す。痛みのほかにも、月経異常や記憶力、注意力の低下など多様な症状があるとし、「ほかのワクチンとは明らかに異なり、リスクが大きい。原因がはっきりしない以上、被害者の声に真剣に耳を傾け、勧奨の再開はすべきではない」と言う。
厚労省は今年1月、HPVワクチンのリーフレットを改訂した。その中で、HPVワクチンを10万人に接種すれば、595〜859人の子宮頸がんの罹患(りかん)、144〜209人の死亡の回避が期待できると推計した。一方、副反応の疑いがあったとの昨年8月末までの報告は、10万人あたり92.1人、重篤なケースは52.5人に上ったとした。
( → 子宮頸がん 接種めぐる議論なお:朝日新聞 )
グラフもある。

グラフから、次のことがわかる。
「若年者では、重篤被害の発生する率は、100万回あたり 43件 または 33件だ。これは、日本脳炎その他のワクチンの 25件 よりも5割前後多い。また、インフルエンザのワクチンの 2.3件に比べると、圧倒的に多い。(約 20倍弱。)
その一方で、若年者では、子宮頸がんワクチンで死ぬ人はとても少ない。25歳以下ではほとんど無視できて、30歳以下でも少ない。死者が目立つのは中高年以上である」
このことは、次のことを意味する。
(1) 子宮頸がんワクチンを接種することで多くの人命を救えるというが、それで救える人命の大部分は中高年以上である。特に、老齢者が圧倒的に多い。(しかし、老いた人々はすでに十分に生きてきたのだから、それらの命を救うことの重要性は高くない。老人の死と若者の死とを、同列に扱うことはできない。)
(2) 子宮頸がんワクチンを接種することで重篤な被害を受けた人は、生命は助かるが、人生を失う。単に生きているだけ、ということであるにすぎない。植物人間になるほどひどくはないが、それに近い扱いだ。こうなると、「生きているからいい」ということにはならない。むしろ「人生を奪われた」という点で、「命を失った」というのと同等に考えるべきだ。(英語ではどちらも Life だ。Life を失った、と見なせば、どちらも同様だ。)
(3) 若者を見る限り、子宮頸がんワクチンを接種すると、救える命の数よりも、奪われる人生の数の方が圧倒的に多い。救える Life よりも、奪われる Life の方が圧倒的に多いのだ。つまり、メリットよりもデメリットの方が圧倒的に多い。
(4) ただし、中高年の生命も考慮すると、救える Life の方が多くなる。中高年の HPV 感染死者は多いからだ。
(5) WHO などの保険関係者は、「人の生命はみな同じ価値がある」という発想のもとで、「失う生命を少なくすることが大事だ」と考える。しかしながら、「人の生命はみな同じ価値がある」ということはない、というのが私の立場だ。若者の命は、老齢者の命よりもずっと大切だ。これから青春を生きようとする人々の命は、すでに人生を十分に生きた人々の命よりも大切だ。命でなく人生でも同様である。
(6) 個人レベルで言えば、次の二者択一だ。「若者の時点で人生を奪われる危険を冒すか。それとも、十分に生きたあとで、早死にする危険を冒すか」。……危険率だけを見れば、後者の危険率の方が高い。しかし、後者の場合には、すでによく生きたあとで死ぬのである。それだけ、不幸さは小さい。
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ここで私の個人的な感想を言うなら、青春期を生きることこそが最も大切であり、青春期を経たあとではいつ死んでも後悔はない。充実した青春期を生きたので、その後にいつ死んでも悔いはない。しかし、青春期を過ごせなかったなら、悔いは大きい。死んでも死にきれない、という思いだ。
そして、そういう悔しい思いを味わう羽目になったのが、子宮頸がんワクチンの被害者だ。あるときまで優秀な生徒として幸福な高校生生活を送っていたのに、子宮頸がんワクチンを打ったばかりに、突然、知性が大幅に低下して、馬鹿みたいになって、体もまともに動かせなくなる。人間らしく生きることができなくなる。人生を奪われる。……あまりにも悲惨だ。自殺してもおかしくない。そういう悔しい思いを味わわせるのが、子宮頸がんワクチンなのだ。
一方、多くの医療関係者は、正反対の立場だ。
「人の命は誰もが平等だ。すでに十分に生きた高齢者の命も、まだ青春期を迎えたばかりの若者の命も、同等に大切だ。前者の命を救うためであれば、若者の人生が破壊されるのもやむを得ない。生きていさえすれば、どんなに悲惨な人生であっても甘受すべきだ。甘受できなくなって、自殺したとしたら、それは本人の問題であるから、私たち医者の責任ではない。自殺した人の命にまで責任を持てない。自殺した方が悪い。自殺させるようにした私たちは悪くない」
あるいは、もっと愚かかもしれない。
「子宮頸がんワクチンで重篤な患者が出るというが、インフルエンザワクチンだって重篤な患者が出るだろ。どっちだって重篤な患者が出るんだから、どっちだって同じことだ。43 も 2.3 も、同じことだ」
朝三暮四の猿は、総計7の場合に損得を勘違いして喜んだが、実損は生じなかった(単にぬか喜びをしただけだった)。一方、人間の場合は、43 と 2.3 の区別ができないまま、大損する。……猿と人間は、どちらが賢いか?
( ※ 「 43 も 2.3 も、どっちだって同じことだ」というふうに、大小の区別ができない見解は、はてなブックマーク にいくつも見出される。)
[ 付記 ]
データの補足をしておこう。
上に掲げた図では小さくて見えにくかったが、10〜20代の HPV 罹患の死者が少ないということは、次のグラフを見ると、よくわかる。(若者は子宮頸がんに感染して死ぬことはほとんどない、ということ。)
→ http://j.mp/2CPLwiI
率と実数とを換算するには、人口データを見るといい。各年代の女性の人口は、およそ 50万人前後だとわかる。(10〜20代)
→ わが国の人口ピラミッド(政府統計局)
【 関連項目 】
子宮頸がんワクチン被害については、本サイトでいろいろと述べてきた。
特に大事なのは、その作用機序がだんだん明らかになってきた、ということだ。
・ 基本的には、自己免疫疾患だ、と見なせる。
・ 自己免疫が脳に悪さをするらしい。
・ その理由は、脳の関門が緩むことらしい。
・ そうなる原因は、エクソソーム(など)らしい。
下記に各項目がある。
→ 子宮頸がんワクチンの問題整理: Open ブログ
→ 子宮頸がんワクチンの被害報告: Open ブログ
→ 自己免疫と子宮頸がんワクチン(機序): Open ブログ
→ 自己免疫とステロイド治療(子宮頸がんワクチン): Open ブログ
→ 子宮頸がんワクチン被害の原因: Open ブログ
→ 腸内細菌・自己免疫疾患・子宮頸がんワクチン: Open ブログ
→ 子宮頸がんワクチンとエクソソーム: Open ブログ
【 関連サイト 】
脳内関門を緩めることについては、新たな知見が得られた。糖尿病に関連する「インスリン」が脳の関門を通り抜ける、ということだ。
インスリンも他の物質と同様、血液脳関門で跳ね返されるはずなのに、なぜか関門を乗り越えて血管の壁を越えて脳の中に入り込めることが以前から知られていたからです。インスリンが血液脳関門を越えるメカニズムが分かれば、薬を脳へと送り込む手立てが見えてくるのではないか。
( → 認知症治療の切り札に!?"血液脳関門"突破の最新プロジェクト|NHK健康ch )
この発想で、「インスリンに似た仕組みで、治療薬を脳の内部に送り込む」ということで、脳の病気を解決する方法が見つかったそうだ。
「その原理の応用でアルツハイマー病の治療薬も見つかるのではないか」という期待も記されている。
しかし私としては、「その原理ゆえに、子宮頸がんワクチンの被害が生じているのではないか」という可能性も考えたい。子宮頸がんワクチンでは、何かインスリンなものがあって、有害な物質(アルミニウム?)が脳内にもぐりこんでいるかもしれないのだ。
( ※ ただし、それは、万人に起こるものではなく、ごく少数の人に限って起こる。その理由はまだ判明していない。)
”それは心因性のものでワクチン接種自体には問題はない”
とされてしまうと...
起こっている事象から目を逸らして”批判にはあたらない。問題はない”と切り捨てる姿勢には官房長官の応答と似た印象を抱いてしまいます。
子宮頸がん罹患した時点でQOLは大幅に低下しているのですから。
それでも全体の趣旨は変わらないとは思いますが。
Life を奪われたもの同士で比較しています。
Life を損なわれたもの同士で比較するのなら、(ワクチン被害の)重症者ではなくて軽症者でしょう。
> 罹患した時点でQOLは大幅に低下している
初期ならば自覚症状はありません。症状はひどくない。
QOL対策では、初期のうちに治療するのが最善です。
そのためには、検診を普及させることが大事。日本では検診率がひどく低いので、この率を上げることが重要。
http://openblog.seesaa.net/article/435851452.html
そもそも、20歳以上では今さらワクチンを打っても無効(手遅れ)のことが多い。成人への対策は、検診の普及です。ワクチンじゃない。そのことを理解していないのが、ワクチン派の人。