2018年02月14日

◆ 新幹線と空港の整備

 新幹線と空港をどう整備してくべきか? 長距離交通網の政策という観点から考える。

 ──

 「新幹線と飛行機のどちらが有利か」というような交通マニア向けの話をするわけではない。国家政策の観点から、「長距離交通網をどう整備していくか」という観点から考える。
 現状をさまざまな視点で捉えると、いろいろと情報が見つかる。

 新幹線の料金


 新幹線の料金が外国と比べて高すぎる……という批判があった。
  → 日本の新幹線のチケット代は、やっぱり高すぎだった(加谷 珪一)

 たしかに高いのだが、それへの対策は「国家が補助せよ」ということではない。

 日本の新幹線の料金が高いことの理由は、筆者の言うように「コストがかかるから」ではない。その証拠に、JR 各社は新幹線で多額の黒字を出している。利益率は 30% 程度だ。つまり、営業係数は 70% 程度だ。(東海道、上越)
  → JR 路線別の営業係数 (前出)

 では、その黒字はどこへ行くのか? 赤字路線の赤字の穴埋めだ。
  → 全国の赤字路線を廃止するべきか? : Open ブログ

 というわけで、新幹線の料金を下げるためには、「政府が補助する」ことは必要ないし、「コストを下げること」も必要ない。かわりに、「赤字路線を廃止」すればいい。小幅はともかく大幅な赤字路線を廃止するべきだ。(上記項目)
 そうすれば、巨額の赤字を穴埋めうする必要もなくなるので、新幹線の料金を引き下げることができる。

( ※ 「ただし、東海道新幹線については、すでに満席状態なので、料金を引き下げてもうまく行かない。客が殺到して、席を取りにくくなるだけ、という問題が発生する。他の路線では、料金引き下げの余地がある。上越新幹線や山陽新幹線がそうだ。)
( ※ リニア新幹線ができれば、東海道新幹線の満杯状態は解消するので、東海道新幹線についても料金引き下げが可能となるだろう。)
( ※ ただし、そのいずれにしても、赤字路線の廃止が前提だ。ない袖は振れない。)

 北海道の空港


 本州は別として、北海道はどうか? 北海道新幹線はまだ札幌までは届いていないので、北海道への長距離交通網は航空機が主流となる。
 ここで心配なのは、新千歳空港のキャパだ。近年、中国や台湾からの旅行客が激増しているが、新千歳空港のキャパは足りるだろうか? そこで、調べてみた。

 ──

 旅客増はたしかに大幅になっている。
  → 新千歳空港の旅客数が過去最多に!インバウンドが牽引
  → 北海道に中国人多すぎワロタ 新千歳空港が満杯すぎて函館、青森からも入国へ
  → 手荷物カウンターに100m行列…新千歳空港がパンク状態、インフラ整備が利用客激増に追いつかず

 ただし、空港の整備もどんどん進んでいる。
  → 新千歳空港、国際線ビル2倍に 650億円投資

 また、発着枠も大幅に拡大された。
  → 新千歳空港が発着枠拡大。インバウンド増加を期待!
  → どんどん増える新千歳空港の発着枠。最大3割の増枠も視野。

 というわけで、需要は急増しているのだが、供給も急増しているので、当面、「不足」という問題は発生していないようだ。(満杯に近いが。)
 実際、バニラエアで検索してみると、「成田−新千歳」(2日間で往復)を見ると、4日後の搭乗便なら 8000円で済む。(ただし、翌日搭乗便になると、18,000円ぐらい上がる。それでも新幹線よりはずっと安い。)

 とはいえ、問題がないわけではない。新千歳空港の発着可能数は、そろそろ上限に達しつつある。一方で、ホテル不足という問題も生じている。これ以上の需要増加には、対応が厳しくなってきている。

 ──

 そこで、代案としては、「旭川空港の充実」ということが考えられる。北海道には、他にはめぼしい空港がないからだ。(次にあるのは函館空港だが、場所が悪すぎて、新千歳空港の代役にはなれない。)
 では、旭川空港はどうか? これまでは、新千歳空港の人気増に埋もれてしまって、便数は増えるどころか減ってしまっていた。しかし最近になって、新千歳空港の満杯状態を代替するために、旭川空港も拡充しつつあるそうだ。新ビルは 2018年12月の開業の予定。
  → 旭川空港の国際線ビルが本格着工、訪日客2.5倍に

( ※ 旭川空港は、道央の観光地へのアクセスがいいので、十分に拡充するべき価値がある。しかしながら現状では、拡充は大規模にはならないようだ。)
( ※ 「旭川空港の充実」は、いくらかある。では、これで北海道の観光客の需要増加に、間に合うか? どうも間に合いそうもない、というのが、私の予想だ。理由は、下記。)

 ──

 実は 2020年には東京五輪がある。それにともなって、夏の北海道旅行も激増しそうだ。
  ・ 五輪のついでに北海道に寄る外国人観光客が多い。
  ・ 五輪で東京のホテルが埋まってしまうので、東京に来るはずの人が北海道に行く。


 季節が夏で暑いということも考えると、2020年の夏には北海道旅行者が激増しそうだ。
 当然、そのための長距離交通インフラは、十分に整備する必要があるのだが、どうもそこまで考えているようには見られない。
 北海道は道内を訪れる外国人観光客数を東京五輪・パラリンピックが開催される2020年ごろに現在の約2.5倍の年間500万人に増やす新目標を打ち出す意向を固めた。アジアを中心に外国人客の増加基調が続いており、20年に300万人としていた従来目標から約7割引き上げる。政府は20年までに日本全体で4000万人の目標を掲げており、観光資源の豊富な道も歩調を合わせる。2日に閣議決定した国の経済対策や規制緩和策などを活用し、道内の交通網や宿泊施設など受け入れ体制の整備を急ぐ。
( → 北海道、めざすは東京五輪までの訪日客2.5倍500万人

 観光客を増やすということで、「金儲けをしたい」という思惑は見て取れるが、「そのために巨額の投資をする」という発想は見て取れない。「捕らぬ狸の皮算用」はするのだが、「狸を捕るための罠の整備は手抜きする」という感じだ。タヌキだから、テヌキなのか。ダジャレでもやっているんですかね。

 もっと詳しく調べるために、国交省の対策を調べてみた。
  → 2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた国土交通省の取組

 目次部分を一部抜粋すると、こうだ。


kokkoushou.png


 つまり、空港の整備は考えられているのだが、首都圏の空港に限られており、北海道のことまでは考えられていないようだ。(東京五輪の対策だから仕方ないのかもしれないが。)

 北海道限定で調べると、こうなる。
  → 北海道:空港整備 - 国土交通省

 本年度の空港整備のことが記してあるだけだ。あくまで単年度主義で少しずつ整備していくだけのようだ。2020年の夏に観光客が急増する、という発想はないようだ。当然、対策する予定すらないようだ。

 ──

 というわけで、何ごとも先を予想する本サイトとしては、将来の混乱を予想しておこう。「 2020年の夏には、北海道の観光客が急増するが、それについての整備はできていないので、ひどい混乱が発生するだろう」と。

 困ったことを予言する Openブログ。(問題が起こる前に事前対策が大切だよ、と警告を鳴らす。)



 【 関連動画 】







 おまけで、キャビンアテンダント。(エロの話あり。)







 関連記事。
  → CAの平均年収10年間で100万減 儲かる秘密のバイトが存在│NEWSポストセブン

posted by 管理人 at 20:34| Comment(7) | 一般(雑学)4 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
管理人さんの予言をみてカサンドラを思いますね
毎回管理人さんのいった予言のとおりひどいことがおきるし、今回のも其の通りになると思いますが警告しても対策がとられることなんかないのに徒労を感じたりしませんか
Posted by RFT at 2018年02月14日 20:50
> 警告しても対策がとられることなんかない

 毎度のことなので、慣れっこです。
 あと、思うのが先であって、あとは思ったことを書くかどうか、という手間だけです。書く手間ぐらいは、たいしたことはない。
 書いても書かなくても、どっちにしても、認識はすでに生じています。それを世間に共有してもらうかどうか、ということだけ。
Posted by 管理人 at 2018年02月14日 21:00
北海道の空港は13ありますが,
丘珠飛行場と島3つ,中標津,紋別以外の空港が民営化します。
そのあたりも記事にすると面白そうです。
Posted by 先生 at 2018年02月15日 11:03
東京・横浜から、北海道にクルーズ船を運航しましょう!
福島第一原発を沖から見て仙台泊、津軽海峡経由で小樽2泊、北海道を一回りして知床半島も見てから釧路泊、で帰ってくると。
Posted by 名無し at 2018年02月15日 13:47
管理人さんみたいな先見の明を持つ方が、政府や企業にいてくれたらなぁと毎回思います。
いや、いるのかもしれませんが、危機感を持って行動に移せる人が皆無なんでしょうね。
それを考えると頭が痛くなりますが、一ミリでもいい方向に変わる事を祈るしかないです。(共有も大事ですよね。どういう風に波及していくか分からないですし)
Posted by 名無し at 2018年02月15日 14:24
実はたくさんある北海道の空港。でも運航便がちょこっとしかないので、もうちょっと稼働率を上げるとそれなりに運用できるかも。
それに目的地によっては千歳や旭川なんかより十勝、釧路、女満別、稚内に降り立ったほうが便利なことが多いですし。
今のように千歳で降りてあとは陸路……というのは不便すぎます。そのくらい、距離があります。
Posted by けろ at 2018年02月15日 23:23
 旅行者の場合だと、目的地に合わせて空港を選ぶんじゃなくて、空港に合わせて観光地を決めているみたいですね。
 その意味で、空港を拡充すると、各地の観光地を振興することができそうです。といっても、現状では、空港は新千歳の一極集中なので、観光地もそれに応じたものになりがち。
Posted by 管理人 at 2018年02月16日 00:19
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