2018年02月04日

◆ 国立大付属高が人気減

 国立大付属高の人気が低下しているそうだ。それについての感想。

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 国立大付属高の人気が低下しているそうだ。朝日新聞の記事だが、長い全文が無償で読める。
  → 変わる進学/国立大付属高 人気に陰:朝日新聞 2018-02-04

 国立大付属高といえば、高校受験時にはトップクラスの人気を誇っていたものだが、近年ではそうではないらしい。理由は、国立大付属高はまともに入試対策をしないので、私立高校や公立高校の方が人気になっている……という趣旨だ。(詳しくは記事を参照。)

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 これについて、私の感想を述べよう。(特に大々的な論説というほどではない。)

 「国立大付属高はまともに入試対策をしないので、私立高校や公立高校の方が人気になっている」……というのは、まあ、たしかにそういう面もある。特に、(筑駒は別として)学芸大付属やお茶の水付属ならば、仕方ないだろう。これらの高校に入るよりは、開成・桜蔭あたりに入った方が、受験には有利だと思える。
 ただ、そのことは、今になって急にそうなったわけではない。50年ぐらい前からずっとそうだった。なのに、最近になって急に国立大付属高の人気が落ちてきたのは、どうしてか? それは、親の経済状況が改善して、子を私立に入学させることができるようになったからだろう。昔ならば、親が貧しいので、子を私立に入学させることは困難なことも多かった。しかし今では、親が裕福になったので、子を私立に入学させることが容易になった。
 これは、所得水準が向上したということもあるが、少子化の影響もありそうだ。少子化で、子が一人しかいない、という家庭が多いので、その分、教育費や養育費を子供一人に集中させることができる。だから、一人の子を私立に入学させることも可能になった。
 要するに、経済的な理由が、「国立大付属高の人気減」の理由だ。

 ただし、このことは、筑駒には当てはまらない。開成と筑駒の両方に合格したとしたら、筑駒に入りたがる人の方が多いだろう。では、なぜか? 受験指導の有利さでは開成の方が圧倒的に有利なのに、なぜ生徒は筑駒に入りたがるのか?
 理由の一つは、「学費が安いから」というものだ。家が裕福でなければ、否応なしに、選択肢は筑駒だけとなる。
 もう一つの理由は、「受験指導なんか必要ない」ということだ。筑駒の(中学でなく)高校に入学するような生徒は、もともと頭がいいので、緻密な受験指導なんかしなくても、もともと東大合格ぐらいの水準は突破してしまうのだ。開成でも筑駒でも、どっちみち高い学力で、楽々と東大合格ラインを突破するのだから、「受験指導の有利さ」というのは、学校の選択基準にはならないわけだ。

 さらに(筑駒 OB である)私の個人的体験談を言うなら、筑駒の圧倒的な有利さは、「生徒のレベルの高さ」である。天才的な神童とも言えるような優秀な生徒がいるのだ。とくに私の場合は顕著で、とんでもない天才レベルの友人が身近にいた。
 一人は、数学の天才で、教師も驚くほどのすごい別解を連発した。「エレガントな解答」の連発である。「どこからこういう発想が湧くのか」と思って、感嘆しながら、私は唖然として見ているばかりだった。(この友人は、私の隣の席にいた。)
 もう一人は、総合力が圧倒的で、東大模試では全国1位であり、しかも2位以下に大差を付けての独走だった。「ほとんどすべての科目で満点に近い」というありさま。(この友人は、家が私の近くだったので、下校時には電車で一緒になることが多かった。)

 とにかくまあ、こういうふうに「天才レベルの圧倒的な神童」というのが身近にいると、高校生としての生活は大きな影響を受ける。中学生時代には、私は「はきだめの鶴」みたいに傑出していたが、筑駒に入ると、(特に入学直後には)劣等生みたいな状況となった。まわりの生徒は、(塾や中学で)エリート教育を受けた生徒ばかりだったが、私だけは「半田舎の中学で教科書で学んだだけ(あとは参考書の自習だけ)」というありさまで、これまでに得た教育環境の差を痛感させられた。入学直後には、教育環境があまりにも激変したことで、ビクビクしっぱなしだった。(花形満を目にした左門豊作みたいだった。)
 とはいえ、今にして思えば、高校時代は実に恵まれていたと感じる。受験指導だけはひどいものだったが、受験なんかは個人の努力でどうにでもなる。東大合格なんてのは、たいした問題にはならない。それよりは、周囲にいる天才レベルの友人こそ、何よりも得がたいものであったと思う。
 筑駒と開成の双方に合格したのであれば、筑駒に入学することをぜひともお薦めする。
 あと、学芸大付属や筑波大付属だって、筑駒と五十歩百歩だと思う。ただ、この二校は、共学なんですよね。共学だと、受験には圧倒的に不利だ、ということはあり得そうだ。



 【 関連項目 】

 → 少子化と東大のレベル低下/男女別学の効果: Open ブログ
  ※ 共学よりも別学の方が成績が大幅に上回る、という話も。

 → 国立大付属校を抽選入学に: Open ブログ
  ※ 「国立大付属校はエリート校なのでけしからん。ゆえに
    国立大付属校を、抽選入学にせよ」と唱える声がある。
    この声(暴論?)をめぐって、いろいろと論じている。



 【 追記 】
 (あとで思いついたが) 私立高校の人気が高まったことには、別の理由もある。
 それは、「私立高校の一部無償化」だ。これによって負担が大幅に軽減されたので、低所得世帯でも私立高校への進学が可能となったのだ。詳しくは下記。
  → 東京都 私立高校授業料無償化 2018
 
posted by 管理人 at 23:59| Comment(0) | 一般(雑学)4 | 更新情報をチェックする
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