──
「殺虫剤」を「虫ケア用品」に改称する、という方針が出された。アース製薬の方針。
《 「殺虫剤」って呼ばないで 業界がソフト路線、効き目は 》
殺虫剤業界最大手のアース製薬が、マイナスイメージのある呼び名を改めようと動き始めた。従来の「殺虫剤」という言葉を消し、代わりに「虫ケア用品」をうたう。「虫からケアする(守る)」という意味で、売り場に掲げるポップなどが3月ごろから変わる予定だ。
すでに自社ホームページは新呼称に変更。小売店や同業他社にも賛同を呼びかけている。
基幹商品の呼称を変えるのは、その名に付きまとう負のイメージを払拭(ふっしょく)するため。同社が昨年8月に行った全国の20〜60代の男女500人への調査では、殺虫剤という呼び名に「人体に有害なイメージを持つ」人が34%、「使うのが怖い」という人が17%いた。小売店からも「『殺』という字を店内に掲げたくない」という声が上がっていた。
( → 朝日新聞 2018年1月25日 )
「殺」の時を嫌う、というのは、わからなくもない。しかしそれなら、「防虫」「除虫」という言葉もある。そっちでもいいはずだ。(朝日のコラムの指摘。)
一方、「ケア」というのは、「手入れする」「メンテする」というのが、普通の意味だ。「殺す」というのとは正反対である。
のどケア http://amzn.to/2nlquyk
肌ケア http://amzn.to/2njBkFj
口腔ケア http://amzn.to/2njKCQK
当然、「虫ケア用品」は、「虫をケアする用品」であるから、クワガタなどを飼っている人が虫を飼育するために使う商品だ。スプレーをかけたとしたら、そのクワガタは元気に飼育されるはずだ。客は、そう期待するだろう。仮に、「虫ケア用品」を購入して、クワガタが死んでしまったら、「虚偽広告」という理由で会社側を訴える理由になる。
たとえば、「赤ん坊のためのケア用品」というのを買った母親が、赤ん坊にその商品を使うとしたら、赤ん坊に好都合になることが期待される。「実はこれは殺人用の毒薬なんです。取扱説明書にそう書いてあるでしょう?」なんて言っても、そんな言い分は通らない。そもそも、毒薬を「赤ん坊のためのケア用品」なんて呼ぶことは許されない。
殺虫剤も同様だ。会社側は「虫ケア用品とは、虫からケアするものです」なんていう屁理屈を言っているが、そんな屁理屈は通らないのだ。
こんな虚偽宣伝・虚偽広告は、詐欺も同然だから、断じて取り締まるべきだ。
仮にこれが許されるなら、「赤ん坊のためのケア用品です」と言って、誰かにネズミ取りの毒薬を送付することさえ、許されてしまう。「赤ん坊をネズミから守るためのケア用品です。ネズミケアをするんです。ネズミから赤ん坊を守るためのケア用品です」というふうに。
で、そのケア用品(殺鼠剤 さっそざい)を、使い方もわからないまま、母親が赤ん坊に飲ませてしまう……というようなことも、起こりかねない。
金儲けのために、殺虫剤を「きれいに言い換える」なんてことは、道徳上からも許されない。こんなことを許すつもりだったら、会社は自社の社員の赤ん坊に、虫ケア用品を飲ませるべきだ。そうして初めて、その危険性や馬鹿馬鹿しさがわかるはずだ。
会社側は、人間としての理性を失っている、とさえ言える。こいつはほとんど、「黒を白と言いくるめる」「塩を砂糖と言いくるめる」「毒薬を酒と言いくるめる」ようなものだ。
まったく。こういう阿呆は、面倒見切れないね(= ケアできないね)。
【 関連サイト 】
メーカーサイトでは、「虫ケア用品(殺虫剤)」と称している。つまり、この二つの言葉が、等価と見なしている。
→ 虫ケア用品(殺虫剤) | アース製薬 製品情報
この件についてのネット上の評価
→ アース製薬が「殺虫剤」を「虫ケア用品」に改称!| ニコニコニュース
→ 「虫ケア用品」名称変更に違和感 「Twitter凍結対策」との憶測も
→ 殺虫剤の呼称が虫ケア用品になると今後こんなディストピアが
