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今回の大雪で、あちこちで自動車の立ち往生が発生したが、理由は意外だった。以前の事例では、電車や自動車が、あまりにも深い雪になかば埋もれるような形で、前に進めなくなったものだった。
一方、今回の立ち往生は、まったく違う形で生じた。スタック(タイヤのスリップで動けなくなること)だ。
ここでは、雪の量はたいしたことはないのだが、雪が溶けてぬかるみ状になっているところで、ただのノーマルタイヤを使っていることで、タイヤがスリップしてしまう。スタッドレスタイヤやチェーンなどがあれば、そういうことは起こらなかっただろうに、大雪のさなかにノーマルタイヤなんかを使うから、スリップして、動けなくなるのだ。
具体的な事例は、あちこちにある(テレビで報道された)が、特にひどいのは、首都高の山手トンネルの事例だ。
午後7時半ごろから、翌朝午前5時ごろまで渋滞が続いて、10時間ぐらい自動車が動かずに止まっていたそうだ。その間、渋滞の距離は最大で 10キロメートルにも及んだそうだ。
→ 【大雪】首都高山手トンネルで立ち往生10時間|産経
→ 乗らなきゃよかった首都高 山手トンネルで立ち往生 - 毎日新聞
→ 山手トンネル夜通し大渋滞 歩いて避難も tv-asahi
→ 首都高・山手トンネルで缶詰め状態に、非常口から脱出する人も - Togetter
渋滞の原因は、トンネル出口の 上り坂で、トレーラーがスリップして立ち往生したことだ。当然だが、チェーンも付けていなかったはずだ。( → 本項末で訂正)
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このようなことの再発を防ぐには、どうすればいいか? 「高速道路の全面封鎖」も考えられるが、「部分的な入場制限」の方が妥当だろう。
私としては、次の制限で十分だと考える。
・ 対象は大型車
・ チェーンを付けていないものに限る
この2条件に合致したものは、高速道路への入場を認めない。(チェーンを付けているものが高速道路に入場できる。)そうすれば、同様の問題は発生しなくなるだろう。
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なお、条件については、補足的に説明しておくこともある。
(1) スタッドレス
スタッドレスについては、入場を認めない。なぜかというと、ノーマルタイヤと、見た目で区別しにくいからだ。強制的に「入場禁止」とするためには、一目でわかりやすくする必要がある。そのために、チェーンの有無という判定基準を取る。
(2) 入口よりも前
チェーンの有無という判定をする場所は、高速道路の入口部分(料金徴収所)であってはならない。もしそうすると、そこで多大な渋滞が生じるからだ。
そこで、そこよりも もっと前の、一般道路との接続部分でやるといい。
ここに判定者がいて、判定者が「ダメ」と判定した車(つまりチェーンがない車)については、高速道路に向かう通路には入れず、一般道路に追い出されていくことになる。これなら、入口前で、入れなかった車の渋滞は生じない。
(3) 事前告知
「大型車は、チェーンがないと、高速道路に入れない」
ということを、テレビやネットで告知しておくといい。これによって、高速道路に入ろうとする自動車の総数を減らすことができる。
つまり、大部分の大型車は、もともと高速道路に入る気なくす。これなら、「高速道路の入口まで来て、いきなり入れなくなる」という問題は生じない。つまり、入口での渋滞は生じない。
(4) 料金の割増し
大型車は、渋滞を起こす危険度が高いので、もともと利用する気をなくさせるといい。それには、料金を大幅に上げるといい。
たとえば、大型車については、「大雪なので料金を5倍に上げます」というふうにする。これで、大部分の大型車は、利用する気をなくす。
料金の割増しの方法は、ETC を使えば簡単だろう。今どき、大型車はみんな ETC を搭載しているから、料金を5倍に上げても、あとは自動的に徴収できる。簡単だ。
「そんなに値上げすると、大型車が来なくなって、損するぞ」
と思うかもしれないが、心配ない。大型車が来なくなるのは、困ったことではなく、もともと狙ったことだ。大型車が来なくなっても、普通の乗用車が来れば、料金収入はそこそこ得られる。
一方、大型車がどんどん来て、そのあとでスタックして渋滞が起こると、大変だ。今回のように大きな渋滞が生じると、その間、該当の高速道路は麻痺するから、そこでの料金収入は大幅減となる。
実際、今回、この部分での料金収入は激減したはずだ。スタックによる渋滞が起こると、利用者が大損をするだけでなく、経営する側も大損するのだ。
だからこそ、経営する側にとっても、渋滞を避けることは最優先となる。そのためには、渋滞の危険がある大型車は、なるべく排除するべきなのだ。
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かくて、以上の措置を取ることで、渋滞の再発を防げるだろう。
( ※ それを実施すれば、の話だが。)
[ 付記 ]
乗用車については、「チェーンの義務づけ」は必要ないだろう。スタッドレスでも十分に足りることが多いからだ。また、乗用車ならば、軽いので、「上り坂を登れなくなる」という可能性も低い。(高速道路の上り坂なんて、たかが知れている。)
また、万一、スタックしたとしても、乗用車ならば、人力で移動させることができる。大規模な渋滞にはならないはずだ。
とにかく、大切なのは、大型車を規制することだ。(大雪の日には。)
【 追記 】
関連情報を得た。
ノーマルタイヤで雪道を走ることは、道交法違反である。
→ 雪道をノーマルタイヤで走ると道交法違反だった!
このことは道交法で規定されているが、どのようなタイヤにするべきかは、各都道府県ごとに別々の規定が定められていて、わかりにくい。(六法全書には書いてない。)
また、違反した場合にも、罰金のような刑事罰は科せられず、反則金を取られるだけだ。金額は5千円前後。
ずいぶん、大甘だ。
その一方で、スリップで事故を起こすと、事故の車両の修理代金で、多額の保険料をもらえるようだ。(保険の加入状態しだい。自損事故・対物事故。)
ノーマルタイヤで雪道を走った場合には、保険金で補償しない、というような規定が必要だろう。
ともあれ、法律違反をして事故を起こすと、反則金で5千円前後を取られる一方で、何万円か何十万円もの保険金をもらえるらしい。メチャクチャな制度ですね。
( ※ 金をもらったからといって、得をするわけじゃないが、とにかく制度としてはメチャクチャだ。犯罪者に金を払うんだから、盗人に追銭となっている。)
《 加筆 》
うまい案を思いついた。
警察官が高速道路の手前に出動して、反則金を取ればいいのだ。その警察官は、交通課職員のほか、刑事を繰り出せばいい。どうせ雪の日には、刑事は仕事にはならないんだから、一日限りで、交通違反の摘発に回ればいいのだ。
そうすれば、反則金を徴収できて、財政も潤う。また、「反則金を取られるぞ」という情報が世間に出回れば、ノーマルタイヤで高速道路に入ろうとする馬鹿はいなくなる。かくて、渋滞も激減する。のみならず、一般道での事故を減らせる。
社会的な好影響は、非常に大きい。そして、そのためには、雪の日に遊休している警察官を活用するだけでいいのだ。これぞ名案。
【 追記・訂正 】
本項執筆後に判明したことだが、トレーラーは チェーンを付けていたそうだ。
走行不能になったトレーラーはスタッドレスタイヤを装着し、チェーンも付けていたが、8%の急勾配を登り切れなかった。
( → 首都高山手トンネルでトレーラーが立ち往生 - 産経ニュース )
8%というと、かなりの急勾配だ。これなら、大型のトレーラーが上れなくても不思議ではない。(こんなに急勾配があるとは思わなかった。)
とすると、こういう急勾配がある首都高に限っては、大型車は全面的に通行止めにするしかないようだ。
前述の
「警官がチェーンの有無をチェックする」
というのは、高速道路一般については成立するだろうが、首都高だけは例外で、「チェーンの有無にかかわらず 大型車は一律に進入禁止」とするしかないようだ。
- ( ※ 何でこんなに急勾配なのかと思って調べたら、これは地下トンネルだった。川の下を通り、深度 55メートル。全長 5000メートル以上とのことだが、出口付近では急勾配になるようだ。……対処策としては、出口付近には融雪設備を付けることだ。ただしもう一つ、別案もある。トンネルの出口の先に、屋根またはトンネルを付けて、傾斜した坂には雪が入らないようにすることだ。この方法が、最もコスパがいいだろう。)
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「ノーマルタイヤが原因だ」
というのが本項の趣旨だったが、そうだとすると、首都高(山手トンネル)の立ち往生は、あまり適切ではなかったようだ。
そこで、かわりに、「レインボーブリッジの立ち往生」を典型例として掲げよう。
レインボーブリッジで、車50台が立ち往生している。東京港管理事務所によると、レインボーブリッジの一般道の芝浦と台場の間で、およそ50台が立ち往生しているという。
ノーマルタイヤの車がほとんどだとみられ、警察が、芝浦と台場の間で、上下線とも車の通行を止めている。
( → レインボーブリッジ50台立ち往生(FNN) )
東京都港区の東京湾にかかるレインボーブリッジで「雪の影響で車3台が絡む玉突き事故が発生した」という内容の 110番通報があった。警視庁によると、同所ではこの事故を含め、上下線で少なくとも2件の玉突き事故が発生。一時、最大約 300台が立ち往生した。警察官が誘導し、バックで橋の入り口まで戻らせた。
( → レインボーブリッジで一時車約300台が立ち往生 - 産経ニュース )
玉突き事故が発生したとのことだが、これは、ノーマルタイヤによるスリップが原因だったようだ。
( ※ ここに限らず、各地でタイヤのスリップによる自動車事故が起こっている。電信柱にぶつかるような自損事故が多いようだ。テレビで報道されていた。)
大型車でなくても、ある程度大きい車体になると「上り坂を登れなくなる」場合があります。
ザクザクの雪と凍結路面が重なると、大したことのない、ほんのちょっとした斜面でも登れなくなります。
本来は、慣れるしかないんでしょうけど、たまにしか無いから「仕方ない」と言うしかないかも。
慣れないから、知らないから、軽く考えてしまう。
地震でも津波でも火災でも、何でも同じですよね。
全部かどうかは分からないけど
情報ありがとうございました。
ご指摘を受けて、最後に 【 追記・訂正 】 を書き加えました。
それとも、修正をすれば済むと思ってます?
修正前の記事しか読まない人もたくさんいると思いますが、その方々は、今回の件のドライバーに対して、プロなのになぜチェーンも付けないのだ、と思ったのではないでしょうか
今でもずっと
間違えるのは仕方ないにしても、まずは謝罪するのが筋でしょう
いい加減な情報を載せるサイトだというなら、話は別ですが
そうですね。そう思うなら、さっさと謝罪してくださいね。あなたが。
ちなみに、私は間違ったことを言っていません。原文を引用すると、こうです。
「当然だが、チェーンも付けていなかったはずだ。」
断定ではなく、推定です。
推定というのは、不確実さを含み、その推定が外れる可能性があることを含意しています。
推定が外れるたびに謝罪していたら、競馬場でははずれ馬券を買った人がみんな謝罪する必要がある。また、競馬の予想記事で外れたら、そのたびに謝罪する必要がある。また、天気予報が外れた場合も、そのたびに謝罪する必要がある。
こんな馬鹿げたことを言うのは、あなただけ。さっさと謝罪しましょう。あなたに良心があるならば。
ま、どうせ「断定だ」と勝手に思い込んだんでしょ。あなたの誤読。
本サイトで文句を言ってくる人は、みんな誤読が原因。自己流に勝手に誤読して、その妄想を理由に文句を言ってくる。あなたもそう。1000番目ぐらいだな。
私としては、推定が外れたら、謝るのが自然だと思います
私はそこの人情のことを言ったのですが、論理として謝る必要はない、と取られたということでしょうか
というか天気予報だってよく謝ってますよ
細かい気温の差とかならともかく、正反対のことを言ってしまった次の日とかはね
プロなんですから、予想が外れれば謝るのが自然だと思うんですが、そうではないと思っているんですね
謝罪に要する時間なんて数秒なのに、予想という肝心要の部分で失敗したのに、ね
まあ管理人さんはこれが仕事ということではないのでしょうからプロ意識なんて持つ必要はありませんけどね
予想に関しては結構プライド持ってるらしいと思っていたので、私の期待のしすぎでしたかね
それから挙げられた二つの喩えはいまいちピンときません
競馬については、買う人が外れて、誰に謝るというのでしょうか
対象は誰ですか
自分に謝るんですか
同様に、天気予報のほうは自然現象を相手に予想しているのであって、誰か特定の人をとりあげて、こういう過失があったはずだ、と言っているわけではありません
自然に対してごめんなさいをしろ、ってことですか? それはそれで面白いですが
今回の推定は、人に関する推定です
私が間違ったと言ったのは、その推定のことです
数秒じゃ済みません。本サイトは事実の記述ではなくて、ほとんどが私の意見や推定なんだから、予想が外れたからと言っていちいち謝罪していたら、数万件の謝罪が必要です。これからやるとしたら、調査と訂正をあわせて、数万時間がかかりますね。
> プロなんですから、予想が外れれば謝るのが自然だと思うんです
へえ。そういう人なんだ。じゃ、もう議論は成立しませんね。白人優位論者に、人種平等を説いても無駄だしね。
> 今回の推定は、人に関する推定です
チェーンがついているかどうかは、本項を書いた時点では判明していませんでした。本項の執筆後に、産経の報道が出て、チェーンがついていたという事実が判明しました。
私は超能力者じゃないんだから、未来の記事の予測はできません。こんなことで謝罪するとしたら、「超能力を持たなくて、ごめんなさい」と言うしかないですね。
ま、あなたみたいうるさい人向けに、謝罪しておきます。
私は未来を予知するという超能力がありませんでした。そのために推定が外れてしまいました。まことに申し訳ありません。ごめんなさい。平に謝罪します。
これでいいでしょ? もう来ないでね。
本サイトは事実を書くだけでなく、推測・推定することもたくさんあります。
推定したことについては「だろう」「はずだ」「かもしれない」というふうに、断定しない形で書きます。
それが当たることもあるし、外れることもあります。
外れた場合には、それを知った時点で、できる限り修正します。間違った点を示し、正しい情報を示します。
また、元の文章が「である」というふうに断定であった場合には、元の記述が間違いだったので、間違った点を謝罪します。
しかしながら、元の記述が推定であった場合には、その「推定」には「外れる可能性を含む」ということが含意されていますから、外れたとしても、「もともと書いてあったとおりだ」というしかないですね。いちいち書かなくても、「外れるかもしれない」と書いてあるのと同様だし、「外れるかもしれない」というふに書いてある通りで、実際に外れることもあるのだから。
「外れるかもしれない」と書いてあって、実際に「外れた」としたら、「ちゃんと記してあったとおりになった」というわけですから、謝罪の必要はないでしょう。というか、謝罪したら、自己矛盾でしょう。「外れるかもしれないと書いて、実際に外れました。書いていたとおりになりました。言った通りになって、ごめんなさい」というのでは、自己矛盾。
ただし、「推定」を「断定」と誤読した人は、「謝罪しろ」と言い続けるでしょうね。まあ、推定と断定の区別が付かない人も、世の中にはいます。だから、天気予報が外れたからといって、いちいち気象庁にいちゃもんを付けたりするわけだ。(もともと確率的に示してあるだけで、外れる可能性は明示されているのだが、それを理解できないわけ。確率というものを理解できないわけ。)
モンスター・クレーマー。
基本的には、推測がハズレたからといって、いちいち修正をすることはありません。推測がハズレることは多数あるので、いちいち修正していたらキリがないからです。そもそも、推測というのは、ハズレることもあるから、推測というのです。
推測がハズレたことにいちいち謝罪しない、という点では、気象庁の予報と同様です。いちいち謝罪していたら、数が多すぎて、処理しきれなくなってしまう。(というか、誰もそんな謝罪文を読みたくない。)
ただし、推測がハズレたことに謝罪して、徹底的に事後サービスをすることもあります。それは、情報の対価を得ていた場合です。私にお金を払ってくれた人は、お客様ですから、お客様には、徹底的にサービスします。
一方、一円も金を払わず、無料で私から情報を得ておきながら、情報の一部に不完全なところがある(瑕疵がある)からといって、文句を言う人もいます。こちらはお客様でも何でもないので、新たにサービスはしません。
まあ、世の中には、無料で物をもらっておきながら、いちいち文句を言う人というのは、いるものです。
タイヤチェーンは雪が無い道路で使用すると切れてとても危険な状態になるそうだ。ブレーキホースに巻き付いて破談させることもあるらしい。
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20170119_1.pdf
今回の首都高程度の雪で大型車であればチェーンが切れることによるトラブルがの方がリスク大の可能性あり。
だったら自己判断で走行中止にするのがベストでしょうね。どうせ必要性もないんだから。単に「金を稼ごう」というケチな動機だけ。それで事故って、社会に大迷惑。
こういう大型車には、渋滞の損害金として、数十億円の賠償責任を求めた方がいいかも。
ただ、現実にはそれは無茶だから、無理。やはり経営側が「雪の日は大型車の一律禁止」を決めるのが合理的だ。事故による渋滞の損失リスクを考えたなら。
一方、緊急用の大型消防車ならば、リスクがあっても、走った方がいい。仮にチェーンが切れても、消防隊員なら、対処できる。
そもそも四駆なのでは? と思って調べたら、そうだった。消防車は、大型も含めて、四駆です。
で、この話題での提案は最終的には雪が降ったら商売目的の大型車は「自己判断で走行中止にする」(緊急車両は別)で良いのでしょうか?
いや、「リスクがあるので、経営側が大型車を進入禁止にする」(緊急車両は別)です。
雪の量に応じて、どの程度にするか、決めるべきでしょう。
少量の雪ならば、チェーンでの通行を認める。
大量の雪ならば、大型車の全面通行禁止。
今回は東京で 23センチの積雪。大雪ですね。
この負けず嫌い気質が良記事を生むのだろう
いいぞもっとやれ
本人は論理のすり替えを理解できたのだろうか