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大雪のさなかで、東電がとんだ間抜けぶりを発揮している。
気温低下のさなかに、電力需要の見込み違いで、電力が不足気味になったそうだ。「だから、暖房を弱くしてくれ。電気を使わないでくれ」だってさ。
《 東電が節電呼びかけ 気温低下で電力需要増 》
東京電力は、首都圏などで気温が下がって電力の需要が増え、供給の余力が少なくなっているとして、暖房の温度を低めに設定することや使っていない照明を消すといった節電への協力を呼びかけています。
電力需要が供給力に占める割合いわゆる「使用率」は95%となって、需給状況が厳しくなったということです。
東京電力は、22日の需要のピークは過ぎたとしていますが、家庭やオフィスなどでは無理のない範囲で、空調の温度設定を低くすることや使っていない照明を消すといった節電への協力を呼びかけています。
( → NHKニュース )
雪でものすごく寒い日に、「暖房を使わないでくれ」と言う。最も必要度の高い日に、その必要度の高い斧を使わせまいとする。まるで、ものすごく腹が減っているときに「食べるな」と言うようなものだ。あるいは、喉がすごく渇いているときに、「水を飲むな」と言うようなものだ。あるいは、病気になったときに限って、「治療を受けるな」と言うようなものだ。本末転倒みたいなものだ。
東電はどうして、こんな馬鹿なことを要請するのか? 発電設備が足りないからか? 違う。(東電による)事前の準備が不足していたせいだ。いくら設備があっても、その設備を動かす準備ができていなかったので、設備が動かない。かくて、需要増加に、うまく対応できない。
つまり、間抜けさが原因だ。
数字で言うと、こうだ。
予想最大電力 5,151 万kW
ピーク時供給力 5,368 万kW
とのことだ。( → 出典:東電のサイト[毎日更新で、22日の分。])
ちなみに、現時点での最大供給力は、5744万kW だ。(2017 年8月の供給力)
→ 2017年度夏季の電力需給対策について
あらかじめ「電力需要が増える」と予想しておけば、5744万kW を供給できたのに、大雪の予想が甘かったので、5,151 万kW の需要を見て、あたふたしている。
しかも、あたふたしていること自体が、間抜けである。
なぜなら、電力需要のピークはすでに過ぎており、夜間における需要はすでに減ってきているからだ。ピークを越えたあとで、今さら需要削減を訴えても、意味がない。意味のないことで騒いでいるだけだ。需要削減の要請自体が、必要のないことだった。
準備不足も間抜けだったが、事後に騒ぐのも間抜けだった。間抜けの二重奏。
[ 付記 ]
どうせ雪のさなかに広報するなら、「雪の日には、エアコン暖房は適していないので、電気ヒーターやガス暖房を使うようにしてください」というふうに促した方がいいだろう。雪のときには、エアコン暖房は効かないのだ。
この件は以前、下記項目で述べたので、そちらを参照。
→ 雪ならエアコン暖房はダメ: Open ブログ
電気料金を値上げすれば
需要も抑えられ
供給設備費用も出て
一石二鳥ですね
東電 最高!