2018年01月21日

◆ 野生動物は増えている

 野生動物の一部が絶滅の危機にある、と言われるが、実は、全般的に大幅増加しているらしい。

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 野生動物の一部が絶滅の危機にある、と言われる。先日も、「熊が絶滅の危機にある」と報じられ、本項でも扱った。
  → イノシシ・熊の被害対策: Open ブログ
 ここでは、次の記事を紹介した。
 ツキノワグマは、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで危急種に分類される。環境省によると、国内では九州で絶滅と考えられ、四国では絶滅の恐れがあるとされている。
( → 朝日新聞 2018-01-08

 絶滅の危機、というふうに報じられている。しかし、それが本当かどうかは、実数を計測しなくてはわからない。なのに、その計測は、たいていは推測であって、厳密な計測ではない。





 では、厳密な計測は? かなり正確度の高い調査をした人がいるそうだ。無人カメラで機械観測していると、長期的には熊の生息数は大幅に増加していると判明するそうだ。
 朝日新聞の記事を紹介しよう。(個人コラム)
 生息数も理由も正確に知るのはなかなか難しい。推定するしかないにしても、実態とずれていれば対応策の判断も的外れになる。手がかりはないかしら。
 写真家の宮崎学さん(68)。森のあちこちに監視カメラを仕掛ける手法で知られる。赤外線センサーを使った独自の仕組みで動物が現れると自動的にシャッターが下りる。そうやって蓄積した膨大な写真に加え、植物の生育具合や足跡などあらゆる証拠を集め、緻密(ちみつ)な推理で動物たちの動向を解き明かす。
 名探偵の見立ては明快だ。
 「増えてる、増えてる。2キロ間隔で里からカメラを並べていくと、どこのカメラにも写ります」。体長もわかるし、股間にも焦点を合わせてパチリ。「若いオスもメスもいます。繁殖予備軍がいっぱい。サルだってカメラを置き始めた40年前から何倍も」
 宮崎さんの仕事場がある駒ケ根市の街中や山を案内してもらった。
 少し山に入ると、その日の未明に積もった新しい雪の上に動物の足跡が何種類も。イノシシ、シカ、キツネ、リス……。監視カメラには、ネズミやモモンガが写っていた。
 宮崎さんがずっと見続けているのは、人間社会と自然との境界領域だ。
 人が暮らす場所の近くで多くの動物たちを撮影している。境界領域で、動物たちは人間社会を前提にして生きている。
 たとえば日本の森林は多くが人工林だが、手入れが十分に行き届かない。集落周辺の森林も人が薪用に伐採しなくなった。おかげで下生えなどがのびのびと生育し、うっそうとした茂みは動物の楽園になる。だから「日本の森は今、めちゃくちゃ豊か」という。「そこに虫も鳥獣も集まる。シカが増えればその死骸を食べてクマも太る」
( → (日曜に想う)老いる日本の証拠写真 編集委員・大野博人:朝日新聞 2018-01-21

 ここには、「動物が人の前にしばしば姿を見せるようになると、えさとなる木の実の不作だとか、温暖化だとか自然環境の変化を原因として思い浮かべがちだ」とも記されている。それが世間常識だ。
 しかし実際にはそうではなく、単に野生動物の数が増えているらしい。
 たしかにスギの人工林の奥地では、野生動物は減っているようだが、それを補って余るほど、全体では野生動物が増えているようだ。

 ──

 以上が記事の趣旨だが、私としては、疑問点も記しておこう。

 第1に、上の調査では、境界領域でしか調査をしていない。奥地では増えているかどうかは不明だ。
 第2に、「熊の生息数については、スギの人工林では少なく、広葉樹林では多い」ということが別調査で判明している。これはどうしてかというと、広葉樹林では、どんぐりなどの木の実がなるからだ。

 とはいえ、従来言われているほど、「野生動物は絶滅の危機にある」というほどではないようだ。特に熊については、かなり楽観できそうだ。
 厳密な実数の計測は不明だが、もっとよく調べると、案外、楽観できるのかもしれない。



 [ 付記 ]
 スギ人工林と広葉樹林の対比については、NHK の生物番組「ダーウィンが来た」がある。先日、モモンガのことが放送されていた。
  → 第523回「スギが大好き! ニホンモモンガ」
  → 「スギが大好き! ニホンモモンガ」 | ダーウィンが来た!ブログ|NHKブログ

 モモンガは、杉人工林が大好きで、杉人工林の方が生息数が多いそうだ。
 《 [ダーウィンが来た!生きもの新伝説 》
 杉の植林地と広葉樹の森に巣箱をそれぞれ36個ずつ設置し、2年間モモンガがどれくらい利用するかを調査した。広葉樹の森では16匹。杉の植林地では35匹のモモンガが利用した。
 モモンガは杉の葉を食べて暮らしていた。杉の梢には年中葉が生い茂るため食べ物が不足しないという。広葉樹の森に住んでいたモモンガの巣箱からも、杉の皮で作った布団が見つかっていた。杉の皮は簡単に剥がれてた集めやすく保温性が高いという。
( → 番組概要ページ - gooテレビ番組(関東版)





posted by 管理人 at 13:37| Comment(2) | 一般(雑学)4 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こちらでは増えています。里山から集落へ進出してきています。そしてトチ狂って市街地を暴走しています。山間の集落を闊歩する話もよく聞きます。
Posted by 京都の人 at 2018年01月21日 23:01
都市部なのに、住宅地までシカやキツネが良く出没します。クマの目撃情報も増えている感があります。
Posted by けろ at 2018年01月22日 11:01
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