2018年01月13日

◆ ロブスターを苦しめるな?

 ロブスターを調理の際に苦しめるな、という趣旨の方針をスイスが定めた。これをめぐって世間が騒いでいる。

 ──

 ロブスターを調理の際に苦しめるな、という趣旨の方針をスイスが定めた。
 スイス政府は 10日、動物保護規定の見直しを発表し、ロブスターなどの甲殻類を活きたまま熱湯でゆでる調理法を禁止する規則を設けた。
 3月から施行されるこれらの規則では、「ロブスターなどの活きた甲殻類は氷や氷水に漬けて輸送してはならない。水中生物は常に自然と同じ環境で保存しなければならない。甲殻類は失神させてから殺さなければならない」と定めている。
( → ロブスターは失神させてから調理を、スイスが保護規定定める

 これについては、はてなブックマークで感想が見られる。たいていは批判的。
  → はてなブックマーク



http://amzn.to/2EDSjbq


 一方、オーストラリアでは、以前から同様の法律が施行されている。(州法のレベルで)
 オーストラリアでは「食物を苦しませずに殺す法律」があるので、ロブスターやエビといった甲殻類でも調理するときには即死するように脊髄からさばくことが定められている。生きているそれらをそのまま焼いたり茹でるのは厳禁とされている。
( → 食のタブー - Wikipedia

 ニューサウスウェールズ州動物福祉法の対象となっている」と述べた。同州の、Humane harvesting of fish and crustaceansのガイドラインでは、「すべての甲殻類は、煮沸、焼く、刻み目を付ける、または切断するなどの痛みを与える処置の前に、最低20分間塩水/氷スラリーに浸すことが推奨される。」
 そしてそういった処置なしで茹でることは「容認できない」とされている。
( → NPO法人アニマルライツセンター

 これらの甲殻類はすべて、カットしたり、茹でたり、あぶる前に20分は塩水か氷水
につけておく。
苦痛を与える作業を行う前に動かなくなったことを確認する。
( → オーストラリア サウスウェールズ州のガイドライン「魚や甲殻類の人道的な殺し方」 Humane harvesting.pdf

 これらの法律では、苦痛を与えないために、「殺す前には氷で冷やして神経を麻痺させること」が義務づけられている。
 一方で、冒頭のスイスの規定では、「氷や氷水に漬けて輸送してはならない」とされている。
 氷漬けにした方がいいのか悪いのか、ちょっと矛盾した感じもあるようだ。(厳密には矛盾していないが、方針がちょっとね。)





 ──

 さて。「ロブスターを苦しめてはいけない」「無用の苦しみを与えるべきではない」という理屈は、特におかしくもない。「ロブスターを人道的に扱う」というのは、ちょっと理屈としてはおかしいが。
 レストラン、ケータリング業界で使われる甲殻類はロブスター、カニ、ヤビー、マロン、ザリガニ、バルマンバグを含む。これらの生き物を扱う者は捕獲、運搬、収容、殺す時に人道的な方法が取られているか確認しなければならない。
( → オーストラリア サウスウェールズ州のガイドライン「魚や甲殻類の人道的な殺し方」 Humane harvesting.pdf

 ま、「人道的」という言葉遣いはおかしいが、発想そのもは特におかしくもない。日本にも「生類憐れみの令」というものがあった。
 とはいえ、動物虐待の罪で、人間様が死罪になるという極端な刑罰が科せられるという不合理も生じた。
 貞享4年(1687年)6月26日:多々越甚大夫(旗本・秋田采女季品の家臣)が、徳川家綱の命日である5月8日に、吹矢で燕を撃ったため死罪。
 元禄2年(1689年)2月27日:病馬を捨てたとして陪臣14名・農民25名が神津島へ流罪。
 元禄8年(1695年)10月16日:鉄砲で鳥を殺し、その鳥で商売をしたとして大坂与力はじめ10人が切腹、1人が死罪。
( → 生類憐れみの令 - Wikipedia

 とはいえ、今回のロブスターは、生類憐れみの令とは関係ない。
 ただ、そうは言っても、別の問題もある。

 ──

 オーストラリアでロブスターを人道的に扱う、というのは、それはそれで成立するだろう。
 では、ロブスターでなく人間については、どうか? 人間については、人道的に扱うか? これについては、オーストラリアにおけるアボリジニ虐殺の歴史を見るといい。
 1788年よりイギリスによる植民地化によって、初期イギリス移民の多くを占めた流刑囚はスポーツハンティングとして多くのアボリジニを虐殺した。「今日はアボリジニ狩りにいって17匹をやった」と記された日記がサウスウエールズ州の図書館に実際に残されている。
 1803年にはタスマニアへの植民が始まる。入植当時3000〜7000人の人口であったが、1830年までには約300にまで減少した。虐殺の手段は、同じくスポーツハンティングや毒殺、組織的なアボリジニー襲撃隊も編成されたという。数千の集団を離島に置き去りにして餓死させたり、水場に毒を流したりするといったことなども行われた。
 また、1828年には開拓地に入り込むアボリジニを、イギリス人兵士が自由に捕獲・殺害する権利を与える法律が施行された。捕らえられたアボリジニ達は、ブルニー島のキャンプに収容され、食糧事情が悪かった事や病気が流行した事から、多くの死者が出た。
( → アボリジニ - Wikipedia

 これがオーストラリアの歴史だ。これはまあ、一種の人種差別だ。「有色人種はロブスターよりも劣る」というわけだ。
 そのことは、オーストラリア人(シーシェパード)が「鯨を守るために日本の艦船を攻撃する」という行動を取って、オーストラリア人が拍手喝采していることからもわかる。








 これはどうも、「鯨よりも日本人の方が下だ」という発想なのだろう。
 ここで、「オーストラリア人だけが特別だ」という弁解もあるかもしれない。しかし、シーシェパードを支持するのは、オーストラリア人だけではない。欧米の多くの白人たちも、同様の見解である。

 ──

 さらに言えば、オーストラリアだけでなく、アメリカにも同様の例が見られる。それは、東京大空襲だ。市民である日本人を虫ケラのごとく大量殺害した。これにはヒトラーも真っ青だろう。








 東京大空襲だけではない。広島と長崎もある。こちらの動画は、ひどすぎるので、掲載もはばかられるが。

 ──

 「それは過去のことだ、半世紀以上も前のことだ」
 という弁解もありそうだが、近年になっても同様のことはあった。それは湾岸戦争だ。大量のイラク人(兵士・民間人)を生き埋めにした。
 1990年代の湾岸戦争においては、ドーザーブレードを装着したアメリカ陸軍の装甲ブルドーザー「M9ACE」によってイラク軍の塹壕を埋め立てる作戦が行われた結果、逃げ遅れたイラク軍兵士の一部が生き埋めとなったという報告がある(cf. 塹壕#現代の歩兵と塹壕)。
( → 生き埋め - Wikipedia

 アメリカの一新聞社がスクープして、テレビ朝日の番組『ザ・スクープ』が報じたところによると、湾岸戦争の際、アメリカ軍が砂漠で塹壕(ざんごう)のイラク兵と民間人数千人を、巨大なシャベルのついた戦車で生き埋めにして“地ならし”していたという。
( → 「湾岸戦争」の舞台裏・下

 十二日付のイラク政府系紙アルジュムフリアは、サウジアラビア、クウェート両国との国境に近いイラク南部の砂漠地帯で、一九九一年の湾岸戦争末期に米軍によって生き埋めにされたイラク軍兵士の集団墓地が発見された、と伝えた。
 同紙によると、捜索チームが農民らの支援を得て発見した。イラクの殉死者委員会の当局者は「兵士たちは軍服と軍の装備を付けたまま発見されており、生き埋めにされたと思われる」と指摘している。
( → 米軍がイラク兵生き埋め? 集団墓地発見とイラク紙【カイロ12日共同】

 使われた兵器はこれだ。
アメリカ陸軍の装甲ブルドーザー「M9ACE」
 敵の塹壕を戦闘員もろとも埋めてしまう作戦行動が可能な戦闘工兵車であり、通常戦闘の範疇を超えた非人道性が問題であるともされている。
( → 生き埋め - Wikipedia
ikiume.jpg


 ──

 結論。

 ロブスターは人道的に扱うべきだが、有色人種は人道的に扱う必要はない。……それが欧米人の発想だ。
 心優しく憐れみ深い人々というのは、そういうものなのだろう。欧米では。
( だから、「ロブスターを大切に」と思うのだ。)

posted by 管理人 at 22:32| Comment(2) | 一般(雑学)4 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
なんでベッキーさんの記事、コメント投稿できないのでしょうか
もしかして、アクセス禁止とかにしました?
議論で勝てないからといって、途中で逃げるのは卑怯じゃないですか?
Posted by らるふ at 2018年01月16日 12:20
> アクセス禁止とかにしました?

もしそうなら、ここにも書けないでしょ。

投稿できないのは、ひわいな用語を使っているせい。用語単位で禁止になります。スパム対策。
Posted by 管理人 at 2018年01月16日 14:03
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

過去ログ