2018年01月11日

◆ 日産が Mobileye 離れ?

 日産自動車が自動運転などの先端技術に大規模投資をすると発表した。これは単眼カメラ方式の Mobileye から離れることを意味するのか? さて。

 ──

 日産自動車が自動運転などの先端技術に大規模投資をすると発表した。ルノー・三菱自といっしょに、5年間で 10億ドル( 1000億円余り)を投資するという。
 世界最大級の自動車メーカーであるルノー・日産・三菱連合は、10億ドルのCVCファンドを立ち上げた。このCVCは、電化、自律運転システム、ネットワーク、人工知能など「ニュー・モビリティ」に関連する分野に投資する。
( → ルノー・日産・三菱がCVC設立、バッテリーや自動運転など「ニュー・モビリティ」に最大10億ドルを投資へ | TechCrunch Japan

 同種記事は他にもある。
  → ルノー日産三菱アライアンス、スタートアップを支援…最初の投資先は全固体電池開発企業
  → ルノー日産三菱、ファンド通じ次世代電池VBに投資:日本経済新聞
  → 【CES 2018】ルノー、日産、三菱自動車、ベンチャーキャピタル「アライアンス・ベンチャーズ」設立。5年間で最大10億ドル投資

 IT系の新規技術分野全般に投資するようだが、そのなかに自動運転技術も含まれる。(自動ブレーキ技術も。)
 では、これは、単眼カメラ方式にこだわっていたことをやめるということか? 単眼カメラ方式の Mobileye からは離れるということか? 

 ──

 そうなることを期待したのだが、実は、そうではないらしい。Mobileye との連携は、いっそう強まるらしい。
 《 日産とモービルアイ、ゼンリンがレベル3の自動運転向け地図を共同開発 》
 日産自動車とMobileye(モービルアイ)、ゼンリンは2018年中に日本全国の高速道路を対象に自動運転用の高精度地図を作製する。日産自動車が2019年にも導入するレベル3の自動運転システムに向けた取り組みとなる。高精度地図の競争領域として3社で独自に開発する。
 日産自動車は、高速道路での車線変更を自動で行う自動運転技術「プロパイロット」の次世代版を投入する計画を既に発表しており、これに向けた共同開発となる。
( → MONOist(モノイスト)

 このように協力関係を深めるということからして、Mobileye から離れるということはないようだ。もちろん、単眼カメラ方式からステレオカメラ方式に乗り換えるわけでもない。
 となると、日産の自動ブレーキ技術は、今後も低レベルのままだ、ということになる。特に、高速域では低い性能しか持たないだろう。
 高速運転中の自動ブレーキ性能に期待するなら、日産の車を買うのはやめた方がいいだろう。
( ※ そもそも自動ブレーキが一番必要なのは、高速運転中なのだが、肝心のその状況でまともに使えないとなると、ろくな効果がないことになる。)
( ※ なお、メーカー自身も、「自動ブレーキの作動速度は 80km/h 以下です」というふうな条件を示している。 → 日産 公式サイト
( ※ 他社はどうか? 日産同様に「 80km/h 以下」という条件が付いている社もあるが、速度は無制限であるスバルのような社もある。)

 ──

 ついでだが、このような自動運転向けの地図が必要なことは、私もずっと前に指摘した。
  → 自動運転とビッグデータ: Open ブログ

 ここでは、走行中の自動車から得た画像データを、ビッグデータとして集中的に処理することで、3次元の立体地図のデータを得る……というふうに提案している。
 しかし、日産とゼンリンの方式は、ちょっと違うようだ。ビッグデータを使わず、単独で(自力で)立体地図を作るつもりらしい。……となると、すごく手間がかかりそうですね。
( ※ よくわからないが、ストリートビューの撮影車みたいなものか?)



 【 関連サイト 】

 トヨタの自動ブレーキ(高級版の Toyota Safety Sense P )は、時速 180km/h まで対応する。これを搭載したプリウスでは、追突事故が、5割減〜9割減になったそうだ。
 トヨタ自動車は2017年8月28日、運転支援システム「Toyota Safety Sense」を搭載する「プリウス」は非搭載車と比較して追突事故が半減したと発表した。アクセルの踏み間違いや踏み過ぎによる衝突被害を軽減する「インテリジェントクリアランスソナー」とToyota Safety Senseの両方を搭載した場合は、追突事故が非搭載車と比較して9割減少したという。
( → 「プリウス」の追突事故が半減、「Toyota Safety Sense」の運転支援で - MONOist(モノイスト)

 ソナー付きだと9割減になる、ということは、9割と5割の差である4割は、発進直後などの超低速域で生じた追突事故である、ということになる。
 その分を除けば、(超低速域でない)通常走行時における追突事故は、自動ブレーキによって激減する、と言えそうだ。

posted by 管理人 at 07:56| Comment(8) | 安全・事故 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント

>>日産の自動ブレーキ技術は、今後も低レベルのままだ

ここ2年に発売したノート、セレナ、リーフはJNCAPの試験で高得点をマークしてますがね。
むしろステレオカメラ単独に拘り過ぎたスバルは苦戦しているようです。
Posted by きゅうとぴ at 2018年01月24日 22:15
 JNCAPの試験そのものが低レベルなので、性能を正しく評価していない、とあちこちで記しています。
 たとえば、速度。

 比喩的に言えば、大学入試で小学生レベルのテストをして、全員が高得点を取ったからといって、高得点を威張ることはできません。

> スバルは苦戦しているようです。

 それは、歩行者衝突だけ。歩行者衝突なんかどうでもいい。
 こんな副次的なものに高い配点をしているところからしても、JNCAPの試験がいかに本質から離れているか、わかるというものだ。
Posted by 管理人 at 2018年01月24日 22:25
>>歩行者衝突だけ。歩行者衝突なんかどうでもいい。

正直、追突のようなものに対する補助ブレーキはもうどのメーカもそれなりのものを作っています。
コスト面から言ってこれ以上の劇的な技術革新は望めません。
なので次は歩行者対策をということです。
決して副次的なものではありませんよ。
順番を追っているだけです。
Posted by きゅうとぴ at 2018年01月24日 22:38
> コスト面から言ってこれ以上の劇的な技術革新は望めません。

 単眼カメラ方式をやめて、ステレオカメラ方式に切り替えるだけで、劇的な向上が見込めますよ。
 もう、何度も書いてきたんだが。あなた、人の話を全然読んでいませんね。
 とりあえず、「単眼カメラ」でサイト内検索してみてください。……と思ったが、そうするまでもなく、すでに本項の本文中にきちんと説明してある。

 もう一つの項目もそうだけど、あなた、人の話を全然理解していない。というか、人の話を読みもしない。単に自分のことを言っているだけ。これじゃ、会話が成立しない。
Posted by 管理人 at 2018年01月24日 22:47

>>ステレオカメラ方式に切り替えるだけで、劇的な向上が見込めますよ。

ステレオカメラってそんなにいいものじゃないんですよ。
誤作動多すぎなんです。
日産はカメラより地図情報を詳細にして、カバーするという方式をとるというのが、あなた引用しているニューズの内容です。
Posted by きゅうとぴ at 2018年01月24日 22:57
> 誤作動

 スバルは昔からずっとやっているから、台数も多い。古いタイプでは、誤作動が目立つようですね。
 ま、感度が低くて、肝心のときに衝突で死ぬ日産車よりはマシです。
 誤作動があっても、死ぬわけじゃない。逆に、日産車みたいに不作動だと、死ぬ。
 最新版では、性能がどんどん向上しているので、誤作動も少なくなっているはずです。
 ただ、雪の日の夜に誤作動が起こるというのは、ある程度はやむを得ない面もある。こういう場合には、感度を下げるように、機能を変更する必要があるかもしれない。……これもバージョンアップで修正されそうだ。

> 地図情報を詳細

 そんな話は関係ないでしょ。大事なのは速度です。あなた、本当に文章が読めないんですね。

Posted by 管理人 at 2018年01月24日 23:16
スバルも現状のカメラ単独システムでは自動運転はできないのをわかっているので、スバルもアイサイトを一度捨てて、外注製品をアイサイトとして売るようです。

>>そんな話は関係ないでしょ。大事なのは速度です。

いやその先の道のRが地図情報により既知であればそれで速度コントロールをあらかじめやり、ステアリング舵角もオフラインで計算できるというはなしです。
車がオンラインで得るセンサー情報だけでは限界がすぐに来るので、各自動車メーカは交通インフラを含めた開発を数年前から開始しています。


ちなみに、プリウスの運転補助システムは赤字で販売しています。
(そもそもプリウス自体ずっと赤字販売)
日産が単眼を採用したのはコストパフォーマンスのためです。
日産もレベル3自動運転以上は複数カメラ複数センサーで行い、試験車両もインフィニティQ50に切り替えています。
https://response.jp/article/2017/11/08/302236.html


自動運転をはじめAD・ADASはセンサー積んだもの勝ちなので、自社高級ブランドを持たないスバルやマツダのような中規模メーカは生き残りのためにトヨタとの提携を進めています。
Posted by きゅうとぴ at 2018年02月10日 12:59
> 日産もレベル3自動運転以上は複数カメラ複数センサーで行い

 日産も研究レベルでは複数カメラ複数センサーでやっている、という話は、かなり前に紹介しました。
 研究ではそういう研究をしているんだから、先のない単眼カメラなんかに、いつまでもこだわるな、という話。「日産には技術がない」という話ではない。
 一般に、日産は技術開発は優れているんだが、経営が「コスト優先」一辺倒なのがダメなんだ。例の検査の偽装も、その一環。
Posted by 管理人 at 2018年02月10日 13:45
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