2018年01月09日

◆ イブプロフェンで不妊に

 鎮痛薬のイブプロフェンで男性が不妊になるらしい……という報道が出た。

 ──

 記事は下記。(CNN)
 《 鎮痛薬のイブプロフェン、男性不妊に関係か 》
 市販の鎮痛薬の成分として使われているイブプロフェンと男性不妊との関係を指摘する研究結果が、8日の米科学アカデミー紀要(PNAS)に発表された。
 若い男性の被験者に、スポーツ選手が使っているのと同じ量のイブプロフェンを服用してもらった結果、生殖機能が低下する中年期のようなホルモンの状態になることが分かったという。
 600ミリグラムのイブプロフェンを1日2回、服用してもらった。これは多くのスポーツ選手が1日に服用する量に相当する。残る17人には偽薬を服用させた。
 その結果、イブプロフェンを服用した男性は 14日以内に、黄体形成ホルモン(下垂体から分泌され、睾丸を刺激して男性ホルモンのテストステロンを生成する)が、血中を巡回するイブプロフェンの濃度と同調するようになった。同時に、黄体形成ホルモンに対するテストステロンの割合が減少する睾丸機能不全の兆候が確認された。
 こうしたホルモンバランスの攪乱(かくらん)は、生殖障害やうつ、心血管系疾患のリスク上昇に関係する症状を引き起こしていた。
( → CNN.co.jp

 この副作用は、ステロイドの副作用に似ている。イブプロフェンはステロイドみたいな副作用があるわけだ。( プロスタグランジンの関係で、似た効果があってもおかしくない。)

 ただし、である。
 「600ミリグラムのイブプロフェンを1日2回、服用」
 という服用量は、過剰気味だ。
 正しい服用量は、メーカーサイトによると、
 イブプロフェンとして、通常、成人は1日量 600mgを3回に分けて経口投与する。
( → 医療用医薬品 : イブプロフェン

 とある。したがって、今回の実験では、正しい服用量の2倍を使っている。
 また、記事では「 14日以内」と記しているが、 14日というのは期間が長すぎる。通常、鎮痛剤の使用期間は、2〜3日ぐらいだろう。1週間以上の長期使用は推奨されていないはずだ。あくまで急性症状に対する、短期間の緩和措置として使うだけのはずだ。(癌みたいな特殊な病気は別だが。)
 そう考えると、今回の実験は、通常以上の危険にさらした実験であるわけで、ちょっと「人体実験」っぽい。非人間的な感じもする。

 とはいえ、今回の実験を通じて、「長期・大量利用」に対する警告を鳴らすことはできた。十分に有意義な実験だと言えよう。
 また、当然だが、短期間の利用でも、影響が皆無ということはあるまい。とはいえ、ごく短期間ならば、無視できる程度の軽微な影響だ、とも言えそうだ。



 [ 付記1 ]
 それでも気になるなら、どうする? ロキソニンか? いや、こいつは新しくて効果が強力なので、もっとヤバい感じだ。
 今回の実験では、イブプロフェンが特に大きな副作用があるとのことなので、当面は、アセトアミノフェンの利用が一番安全だ、ということになりそうだ。
 よほどの大きな痛みでない限り、通常の急性的な痛みならば、アセトアミノフェンで十分だろう。(強力な痛みでない限りは。)

 [ 付記2 ]
 男性でなく女性ならば、今回の副作用の問題は免れる。もともと睾丸がないので、睾丸が萎縮することもない。
 とはいえ、ステロイドみたいな効果があるとすると、女性の男性化という問題が起こるかもしれない。それはそれで怖い。
( ※ これも短期間の少量使用ならば、影響は軽微だろうが。)




 § アセトアミノフェンの販売(Amazon)




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posted by 管理人 at 19:55| Comment(2) | 医学・薬学 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
イブプロフェンはアルツハイマー病のリスクを減少させると言う報告もあるようです。ある程度年齢が進んだら不妊のデメリットより大きいメリットに感じられます。
Posted by ホンロン at 2018年01月10日 08:54
子供の頃風邪を引きやすく
イブプロフェンをよく服用しましたが,
いまではすっかり
スケベオヤジになったのはなぜだろう。
Posted by 先生 at 2018年01月10日 11:43
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