2017年11月20日

◆ 外国人労働者の技能移転の問題

 外国人労働者は、日本で学んだ技能を途上国に移すのが目的だ、と言われるが、実態はまったく違うと判明した。

 ──

 これは朝日新聞の調査報道。
 外国人労働者は、日本で技能を学んで、その技能を途上国に伝えるために来た……と言われる。しかし、その実態はまったく違うと判明した。日本で学んだ技能を、母国に戻ってからも使っている人は、1割程度しかいない、と判明したのだ。
 《 「技能実習」建前に限界 帰国者大半、関係ない職 》
 (講演者は)断言した。「実習を終えた帰国者の9割は、日本の経験とは関係のない仕事をしている」
  同じような証言はベトナムでも聞かれた。ハノイの大手人材派遣会社「ベトナム人材開発商業」の担当者は「日本で習ったことを生かしているのは全体の10〜15%」。同じ産業でも日本とベトナムでは機械設備などの環境が違うといった難しさがあるという。
  今月1日に施行された技能実習適正化法は、実習生の技能習得を促進する態勢を手厚くしたが、母国で生かさないと意味がない。
( → 朝日新聞 2017-11-20

 結局、外国人労働者というのは、ていのいい低賃金労働者(つまりは一種の奴隷)として導入されているだけだ。劣悪な環境で、低賃金・長時間労働で働かされる。ひどいものだ。

 記事には、次の話もある。
  ・ 訪日資格を得るために、経歴詐称が横行している。
  ・ 途中の介入者が多くて、労働者から搾取する。
  ・ 搾取を防ぐために国費が投入されている。(無駄遣い)

 いろいろと無理が横行しており、無理を是正するために血税で作業をしている。全体としては、無駄の極みだ。馬鹿げている。
 結果として、悪徳企業(中間介入者や日本の劣悪企業)ばかりが利益を得て、外国人労働者は報われない。せっかく日本に来ても、唯一の利点は日本語力の獲得だけだ。それを生かして、現地では日本関連のきぎょうではたらくが、日本で学んだ知識はほとんど役に立っていない。

 ──

 以上のような問題があることが、朝日の調査でわかった。
 朝日は今まで、「外国人労働者をいっぱい導入しよう。それこそが素晴らしい国際化だ」というキャンペーンを張っていて、外国人労働者の劣悪な環境にはほおかむりしていた。だが、今回ようやく、問題点に目を向けるようになったらしい。朝日もようやく、真実に目を向けつつあるようだ。

 ──

 残る問題は、解決策だ。解決には、いったいどうすればいいか? 
 「政府がいっぱい規制する」
 というのが、現状の案だ。しかしこれでは、規制にコストがかかって、血税の無駄となる。馬鹿げている。
 
 そこで、困ったときの Openブログ。名案を出そう。こうだ。
 (i) 訪日資格の取得に当たっては、過去の経歴を一切問わない。単に日本語能力だけで訪日資格を与える。
 (ii)訪日後の職種や職場については、制限しない。どこでも好きなように就職できるようにする。もちろん、転職の自由もある。
 (iii)日本語学校への通学を義務づける。それを担保するため、労働時間については制限する。例。週に 25時間。


 実は、この方式は、すでに「日本語学校への外国人留学生」という形で、制度化されている。何も目新しいことはない。
 だから、この制度を、いっそう充実させるだけでいいのだ。
 一方、現状のような「外国人労働者」というのは、禁止した方がいい。特に、低賃金の単純労働についてはそうだ。留学生ではない外国人労働者については、年収 600万円ぐらいを足切りの条件とするといいだろう。それ以下の低賃金労働者については、導入禁止とするべきだ。一方、高度な技能を持って高収入を得るような外国人労働者については、もっと自由化したもいいだろう。(例。インドや中国のプログラム技術者)

 ──

 日本は少子化で経済力が縮小しつつあるので、外国人労働者を導入することは、国力の維持という観点からも、好ましい。(たとえば年金の支払いの原資となる経済力が必要だ。)
 とはいえ、それは、低賃金労働者であってはならない。高収入の行動技術者であるべきだ。……その意味でも、現状の外国人労働者の制度(技能実習という名の低賃金奴隷制度)は、まったく好ましくない。
 日本に必要なのは、低賃金奴隷ではなくて、高所得・高負担となる優秀な高技能者なのだ。日本で技能を学ぶような無能な人ではなく、日本に技能をもたらしてくれるような有能な人なのだ。
 ここが重要だ。なのに、今の日本政府の方針は、それとはまったく逆の方向を向いている。その馬鹿馬鹿しさの一端を、朝日の記事は教えてくれている。



 [ 付記 ]
 もともと技能は高くないが、日本で技能を学ぼうとする若者……というのも、招いていいだろう。そして、そのためには、「日本語能力」で選別するのがベストだろう。(日本語能力試験みたいなものを公的に用意するといいだろう。英語版の TOEIC 、TOEFL みたいなもの。)
 日本語で選ぶと、英語力の高い優秀な人は来てくれない……という恐れもあるが、心配しなくていい。たしかに、最優秀の人は、英語を学んで、米国に行くだろう。しかし、米国にも、受け入れ制限がある。数が多くなれば、入国拒否される。特にトランプ大統領の時代には、その傾向が強い。こういう状況では、「米国には入れないから、日本に入ろう」と思う人が出てくるはずだ。そこで、そういう人々のうち、最優秀の人々を、うまくすくい取ってしまえばいいのだ。上澄みをすくい取るように。
 現状では、玉石混淆というよりは、役立たずの石ばかりを導入して、日本で低賃金奴隷としてこき使う。これではあまりにも無駄だ。
posted by 管理人 at 23:37| Comment(4) | 一般(雑学)4 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
まずは、技能実習生制度を隠れ蓑にさせずに、同一労働同一賃金と労基法の厳守からでは。日本人労働者に対しすらどこまで遵守されてるかは疑問ですが。

外国人労働者が”実習”の名の下、劣悪な環境、低賃金・長時間労働で働かされている事例には事欠きません。ただこの時、当事者間の合意に基づく場合と詐欺的事案を切り分ける必要があるかと。詐欺的事案は論外で撲滅を目指すべきですが、それ以外では法令遵守を厳格に求めればいいのでは。ブラック雇用側は実習生を受け入れなくなるかもしれません。

>留学生ではない外国人労働者については、年収 600万円ぐらいを足切りの条件

どれだけの労働需要があるでしょうか。勿論、供給側も。外国人労働者の必要があって、年収600万円を提示できる仕事というと語学か貿易関連くらいしか思いつきません。

経済連携協定(EPA)に基づく外国人看護師”候補者”の話も該当するかもしれませんが、こちらも高い障壁が設けられていたかと。
Posted by 作業員 at 2017年11月21日 10:09
> 年収600万円を提示できる仕事というと

 600万円というのは、重要ではなく、とりあえずの目安です。都合が悪ければ、いくらでも上げ下げして、最適な数値に直せます。

 なお、中国の人口は 14億人。その1%でも 1400万人。これに対して、上限なく無制限に受け入れるんですから、600万円という区切りでは低すぎるかもね。この区切りだと、中国から数百万人が流入して、パンクするかも。(その分、日本人労働者が失業する。超優秀な中国人エリートに対抗できない。)
 数量無制限に受け入れるということを考えると、数値は 1000万円ぐらいにした方がいいかも。さもないと、流入する人が多くなりすぎるだろう。

> 語学か貿易関連くらいしか思いつきません。

 どんな分野でも可能。頭が良くて、体力があって、センスのある人なら、どの分野でも成功します。単に日本人を排除するだけで可能だ。能力的に、平均的な日本人は完敗するのだから。(対抗できるのは、日本人のうち、1%ぐらいだけ。)

 ──

 中国は、自由のない社会だし、子供も一人しか産めないし、賃金は低いし、環境は不潔で排ガスがひどいので、脱出したがっている人は無数にいます。日本が完全無制限で受け入れたら、ほぼ全員が日本に来たがるかもね。そのあとは国を乗っ取られる。
Posted by 管理人 at 2017年11月21日 12:29
中国の一人っ子政策は終わっていますよ。
Posted by 北海道の人 at 2017年11月24日 12:57
> 中国の一人っ子政策は終わっていますよ。

 そう言えばそうですね。
 ただし、産児制限は残っていて、三人目は禁止だそうです。
 以下、転載。

> 今回の政策転換にしても廃止、撤廃の対象はあくまでも第2子に限られるため、産児制限の制度はそのまま残ることになる。つまり、第3子以降は引き続き産児制限の対象であり、国民は同制度の管理、監視の下で介入、干渉を受け続けることになる。
  http://diamond.jp/articles/-/81919?page=2
Posted by 管理人 at 2017年11月24日 13:32
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