──
記事を引用しよう。
《 新国立で代表戦や天皇杯 サッカーなど球技専用 五輪後方針 》
2020年東京五輪・パラリンピックの主会場となる新国立競技場について、政府は五輪後に利用するサッカー、ラグビーなどの具体的な大会や試合を盛り込んだ基本方針の案をまとめた。近く関係閣僚会議を開き、正式決定する。
( → 朝日新聞 2017-11-10 )
実は、このこと自体は、新しい情報ではない。新国立競技場は球技専用球場になる、という方針そのものは、前にも報道されていた。本サイトでも、言及した。
《 新国立は球技専用球場へ 》
新国立競技場は、サッカー専用球場に改築される方向にある。(サッカー・ラグビー共用を含む。)
 ̄ ̄
改築を前提として、設計を大幅に見直すべきだ。
( ※ 基幹部分の変更は無理だろうから、スタンド部分についてだけでも、大急ぎで設計変更するべきだ。今なら、間に合う。)
「グズグズするな! 何やっているんだ!」
と大いに叱咤したい。
( → Open ブログ 2017年07月11日 )
現実には、7月の報道から、11月の決定まで4カ月もかかってしまった。何という遅さ!
当然だが、スタンド部分について、設計変更はなされないことになった。もはや設計変更の時間的猶予もあるまい。ただの意思決定にさえ、4カ月もかかる愚鈍さだ。大急ぎで設計変更なんて、できるはずもない。
で、その結果は? 次のことだ。
「スタンド部分は、元のままだ。変更されるのは、陸上競技場のトラック部分だけ。ここに1階席を設置することで、フィールドの近くに席を設置できる」
その問題点は、こうだ。
「新たに1階部分を設置するというが、もともとの席にも1階部分がある。したがって、もともとの1階部分と、新設の1各階部分の、双方がある。両者はほとんど同じ高さだから、上から見下ろす感覚がなくなる。そのせいで、非常に見づらくなる」
このことは、すでに言及済みだが、次のページでは詳しく論じられている。
→ 新国立競技場にサッカーファンの疑問。スタンドがなだらかすぎないか?
一部抜粋しよう。
姿を現したのは、バックスタンドの1階席部分の骨組みだ。スタンドは観客にとってスタジアムで一番重要な場所。サッカーファン(ラグビーファンもそうだろうが)は、その眺望に対して並々ならぬこだわりを持つ。その傾斜角。急なほど見やすく、緩いほど見にくい。視角はスタジアムの善し悪しを分ける分岐点。まさに生命線なのだ。
ところがだ。出現したその骨組みの傾斜は「嘘でしょ」と、目を疑うほどなだらかだった。新国立競技場をめぐる騒ぎは終わっていない。
1階席のスタンドが、球技専用施設への改修後、陸上トラックを覆うようにピッチ方向に8段分伸びていくとすれば、20度という五輪時の傾斜角は、ピッチを下に掘り下げない限り、さらに緩くなる。16〜17度ぐらいになるだろう。
3万4000人もの観衆が10度台という緩すぎる視角で、サッカーやラグビーを観戦することになる。この、あってはならない大問題に、メディアの反応は鈍い。
ひるがえって、本場のドイツでは、高い角度から見下ろすことができるようになっている。そのせいで、臨場感はとても大きい。
新国立をサッカー専用球場に?: Open ブログ
こういう迫力ある球場にはならず、むしろ、日産スタジアムみたいな、臨場感のまったくない球場になるわけだ。
→ マリノスの赤字解消法: Open ブログ
まったくもって、呆れるほどひどい話だ。
【 関連項目 】
本項の話は、テーマ自体は、二番煎じふうだ。同じテーマで、これまで何度か述べてきた。
最初は、新国立競技場というテーマ全体を扱って、詳細に論じたなかで、「問題のないような改定案」という形で、提案した。
→ 新国立競技場の問題点と代案: Open ブログ
最後は、上述したが、本項と同じテーマの項目だ。
→ 新国立は球技専用球場へ: Open ブログ
その途中で、改定案として、うまい案を示した。それは、もともとの1階席と2階席を、かさ上げして、2階席と3階席にする、という案だ。(1階席はなし。)
その後、陸上競技場のトラック部分をつぶして、1階席にすればいい。これがベストだろう。
→ 新国立競技場のプランの難点: Open ブログ (画像あり)

ここには詳しい話が書いてあるので、本項のテーマで、詳しく踏み込みたければ、上記項目を読んでほしい。
たぶん競技場で観戦したことがあまりないんじゃないの
ノウハウは共同設計体に依存してんだろうな