2017年10月22日

◆ 幼児教育無償化という地獄

 衆院選で、「幼児教育無償化」を公約する政党が多いが、実現したら、それこそ地獄だ。
  
 ──

 「無償化すれば良くなる」
 と思っている政党が多いようだが、逆だ。実際には、こうなる。
 「無償化されたので、今までは自宅保育をしていた母親が、子供を保育園に預けようとする」

 
 つまり、「自宅で保育する方がいいわ。保育料がかからないし」と思っていた母親たちが、「保育料が無償になるなら、保育所に預けた方がいいわ」と思うようになる。

 結果的に、保育需要は一挙に増大する。ただでさえ倍率が 1.5倍ぐらいで入園しにくいのに、今後は倍率が2倍とか3倍とかになって、入園は著しく困難になる。
 すると、本来ならば保育園に預けることが必要な人々があぶれてしまって、たいして必要性のない人々が「どうせタダだから」という理由で預けるようになる。

 事例。
 保育園に入園できなかったので、やむなく自宅で保育する母親。勤務実態がないので、「必要性が薄い」と見なされ、ますます入園できなくなる。貧困の悪循環から脱せない。

 事例。
 保育園に入園する必要などはさらさらないが、「タダならもらわなくっちゃ」と思うケチな母親。子供を一時的に実母や義母に預けて、勤務する。勤務実態があるので、「必要性が高い」と見なされ、容易に入園できる。富裕の好循環にいるおかげで、困窮者に先んじて、福祉をたくさん享受できる。

 ──

 本来ならば、市場原理に応じて、「必要性の高い人ほど、高料金を払って、商品を得る」というふうにするべきだ。それで最適配分がなされる。
 無料化によるバラマキというのは、この最適配分を破壊する。共産主義の悪しき方法だ。こんな愚劣な方策を自民党がやるというのだから、呆れるほかはない。



 [ 余談 ]
 しかし、あまり心配はしなくてもいいのかも。なぜなら、自民党が、こんな福祉政策を本気でやるとは思えないからだ。1兆円以上の巨額の福祉予算を追加で支出するなんて、自民党がやるとは思えない。財務省も反対するだろうし。
 というわけで、「幼児教育の無償化」は、実際には実現しないだろう。つまり、公約は達成されない。公約は反故となる。今回、自民党に投票する人々は、詐欺師にだまされるわけだ。

 ただし、詐欺師にだまされるのならば、まだマシだが、実際に詐欺師が狂気の政策をしたら、悲惨だ。幼児教育は、無償化されて、幼児教育そのものが破壊されるも同然だ。角を矯めて牛を殺す。

 本来ならば、「無償化」なんかではなく、「保育士の給与アップ」に金をあげるべきなんだが、現状では、「保育園は無償化されたが、そこには保育士が半分しかいないので、開店休業状態」なんてことになりそうだ。
 本質を理解しないと、見当違いのところに金を使って、制度そのものを破綻させる。



 【 関連動画 】




posted by 管理人 at 08:07| Comment(5) | 一般(雑学)4 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
日本に保守の反グローバル化の政党がないのがつらいところです。
売国左翼の反グローバル化政党か、保守のグローバル化政党のみの争いになってますからね。
Posted by 岡山 at 2017年10月22日 23:21
保育士が増えることでさらに雇用よりも安いサービス労働が増えそうな気もします
Posted by ああああ at 2017年10月22日 23:30
管理人に大賛成!
そもそも幼児教育の何たるものかがわかっていない方々の意見で現状を解釈・運用しようしているように思います。
第一に、担い手の給与や研修に充てる費用があまりにも低すぎる!!!
Posted by yomoyamapage at 2017年10月23日 10:14
岡山さん、同感です。
Posted by 木を見て森も見る at 2017年10月23日 13:09
岡山さんに大分賛成です。

勿論Openブログさんの記事も良い。
Posted by 佐助 at 2017年10月24日 00:16
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