2017年10月19日

◆ F4 の出火は F-35 のせい

 老朽化した戦闘機 F4 が出火した。これは F-35 なんかを導入したからだ。

 ──

 老朽化した戦闘機 F4 が出火した。
  → 空自基地で戦闘機が炎上: 読売新聞
  → 茨城・百里基地でファントム出火 - 産経ニュース





 何でこうなったか? F4 は老朽化していて、退役する時期を迎えているからだ。定年を過ぎたご老体を無理やり現役勤務させているようなものだ。当然、故障は頻発する。起こるべくして起こった、とも言える。飛行中の墜落でないだけ、まだしもマシだった。

 ではなぜ、老朽化した F4 なんかをいつまでも使うのか? F-35 がなかなか配備されないからだ。それというのも、いまだに量産されないからだ。現状では、量産前のプロトタイプが数機あるだけだ。量産されるのは 2019年以降となる。
  → 戦闘機F35の量産、19年以降に先送り :日本経済新聞

 ではなぜ、量産されないのか? 未完成品なんかを配備しても大丈夫なのか? 安全性は保たれるのか? 
 実は、機体そのものはちゃんと完成しているらしい。ただし、ソフトウェアが完成していない。とりあえず機体を生産して、その後にソフトウェアをバージョンアップすればいい、という方針らしい。
 ま、それで安全性は保たれるのだろう。とはいえ、未完成品であるから、戦闘機としては使い物にならない。
 《 自衛隊の次期戦闘機・F35、実は「重要ソフト」が未完成だった 》
防衛省が航空自衛隊の次期戦闘機として米国から導入するF35戦闘機のソフトウェアが未完成となっており、機関砲は撃てず、赤外線ミサイルも搭載できないことが防衛装備庁への取材でわかった。
 防衛装備庁によると、米側は「最初からすべての機能を持ったソフトウェアを搭載するのではなく、段階的に開発を進め、機能を付加する」と説明していたが、結局、4機の受領までにソフトウェアの開発が間に合わなかった。
 この4機を使った航空自衛隊のパイロットや整備士の訓練が来年3月まで米国アリゾナ州のルーク空軍基地で行われているが、10月現在、ソフトウェアは未完成のまま。武器類にかかわる教育・訓練は不十分なまま終わることになる。
 現状では戦闘機として求められる緊急発進(スクランブル)の任務につけないことになり、最新鋭戦闘機とは名ばかりの「単なる航空機」にとどまっている。
 その分の負担は、F15戦闘機やF2戦闘機が配備された他の部隊に回ることになり、日本の防空網が弱体化するおそれがある。
( → 現代ビジネス | 講談社

 こうしてご老体が代役を務めることとなるが、老体に鞭打って働かせた結果、無理がたたって、出火する羽目になった。
 つまり、今回の出火は、起こるべくして起こったと言える。

 「いくら開発が遅延していても、F-35 の方が F4よりもマシだろう。未完成でも、さっさと量産しろ」
 と思う人もいるかもしれない。しかし現実には、F4 の方がマシである。なぜなら、F-35 はあまりにもひどい惨状だからだ。
 《 4時間に1回シャットダウン必要? F-35A 》
 この「ブロック3i」は、2014年より「システム開発実証機(SDD)」と呼ばれるF-35の試作機に搭載され、飛行テストが行われていましたが、特に動作の安定性において大きな問題を抱えており、センサーシステムやレーダーを4時間に1回シャットダウンしなければなりませんでした。
 しかしながら2016年5月現在、「ブロック3i」は大幅に改善され、当初の3倍という安定性を確保することに成功したと、アメリカ国防総省のF-35統合プログラムオフィスは伝えます。
( → ライブドアニュース

 当初の3倍という安定性を確保したせいだ。つまり、「4時間に1度フリーズ」というのが3倍の性能になったので、「12時間に1度フリーズ」という性能になったわけだ。素晴らしいですね。(^^);
 というわけで、この未完成品が日本に配備されたわけだ。

 ──

 実を言うと、F-35 の開発の遅れは、今になって始まったことではない。5年以上前からずっと遅れっぱなしだ。
 2012年の時点で、すでに「開発が2年遅れている」という方向がある。この件は、本サイトでも言及した。
  → F35 の調達が破綻: Open ブログ

 2012年の時点で、「開発の遅れで、(すぐには)調達不可能」という状況になっている。実際、2017年現在、未完成品であり、機体以外は調達できていない。機体もたった数機あるだけだ。調達できるのは 2019年以降である。
 ただし、2012年の時点で「2年の遅れ」と言っている。そして、2017年の時点でも「2年先です」と言っている。このままだと、2019年になっても、「2年先です」と言い続けるかもしれない。
( ※ 似た例は、燃料電池車だ。1997年ごろからずっと、「5年先にできます」と言っている。5年たつと、また「5年先です」と言う。その繰り返し。)



 [ 付記1 ]
 F-35 は、価格も上昇している。購入価格は 97億円で契約したのに、実際には 157億円に上昇した。
  → F35 の費用が大幅増: Open ブログ

 それでも文句を言えない契約。相手の言い値で払うしかない。前にも値上げを通告された際、拒否できなかった。
 驚いた防衛省は米国防総省に書簡を送り、「価格高騰した場合、調達を中止する可能性がある」と泣きを入れたが後の祭り。自らの落ち度を認めることになる調達中止などできるはずもなく、米政府の言い値を丸ごと受け入れ……
( → 現代ビジネス | 講談社

 ま、こうなることは、もともと予想されていた、と言える。米国が日本に対して、「日本向けだけは 100億円以下にします。大幅値下げするから、是非 F-35 を採用してください」と言ったときから、予想されていた。
 日本にだけ値下げするなんて、あり得ないでしょう。「どうせ 100億円で契約したあとで、あとで値上げするに決まっている」と思ったら、案の定だ。
 日本は米国という詐欺師に引っかかったわけだ。(だましたのは米国政府そのものである。「値下げするから F-35 の導入を」と強いたのは、米国政府だからだ。)

 この件は、前にも言及した。
 というわけで、「1機 100億円で契約」という防衛省の主張は、国民をだましていたことになる。正確に言えば、米国企業(ロッキード)の嘘を、「嘘だ」とわかっていながら信じて、それを国民に押しつけたわけだ。ロッキードと防衛省がグルになって、国民をだました形だ。「100億円ですよ」と国民に言っておいて、実際には 150〜200億円を請求するのだから。
( → F-35 の決定過程の不正: Open ブログ


 [ 付記2 ]
 私の推奨は、ユーロファイター・タイフーンだった。
  → F35 とタイフーンの比較: Open ブログ

 最初からこれにしておけば問題がなかったのに。なのに、F-35 なんかにするから、予想されたとおり、問題続出となるわけだ。
 今回の出火も、起こるべくして起こった事故だと終える。
posted by 管理人 at 06:00| Comment(10) | 一般(雑学)4 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
民主党が決定したんだよね
左翼自民は反対した
「防衛型の戦闘機じゃない、国会追求の目玉にする!」ってね
Posted by 田舎者 at 2017年10月22日 17:54
> 民主党が決定したんだよね

 民主党は軍事のことがろくにわからないので、防衛省が F35 推しなのを、くつがえせなかっただけです。自力で決めたわけじゃない。言いなりになっただけ。

> 左翼自民は反対した
> 「防衛型の戦闘機じゃない、国会追求の目玉にする!」ってね

 それは石破だけでしょう。それも、反対というよりは、賛成しないだけ。
  → http://freeride7.blog82.fc2.com/blog-entry-2494.html

 自民だってたいていは、防衛省と結託して、F-35 推しだった。というか、政府や政治家の大半は F-35 だったし、ネトウヨもそうだし、ネットの軍事オタク(JSFなど)もそうだった。

 F-35 に正面から反対していた人は、多くない。少数派です。私はその急先鋒だった。他にも軍事評論家が数名。

Posted by 管理人 at 2017年10月22日 18:40
どうせF-35買う(買わされる)ことになるんだからそれまでは飛行寿命の長いF-15かF-16をレンドリースしてもらえれば解決ですね(寝言)
仮にF-22の輸出が認められていれば制空戦闘機としてのi^3計画など潰されてたと思いますし.
Posted by NULLNULL at 2017年11月09日 05:33
ユーロ自体がタイフーンを捨ててF-35に移行を計画している事態なので、金銭的な効率が悪くてもF-35以外には選択肢がないしだいです。あるいはロシア製を購入するとかしかありません。F3は戦闘機のMRJです。
Posted by イサバルマカン at 2017年12月28日 05:50
F-35 は F-15 の後継機です。今は F4 の後継機の話をしている。即時配備の話。F-35 は現時点では生産していません。即時配備は不可能。受け取りの順番待ちからして、大量配備するには5年後よりも後の話。たぶん 10年後ぐらい。そのころに F-35 を配備するというのなら賛成です。しかし今は別の話をしています。
Posted by 管理人 at 2017年12月28日 07:45
F-35B(垂直離発着型)を海上自衛隊も導入するようですね。そして仮称護衛艦いずもの艦載機とする。
あまり炎上している感じがしないのは、非現実的な夢物語だからでしょう。
Posted by 京都の人 at 2017年12月29日 01:14
 本日の新聞記事。

 《 空自 F35数十機、追加購入へ 米に購入促され 》
  防衛省は、航空自衛隊のF15戦闘機の後継機として、米国などが共同開発したステルス機能を持つF35戦闘機を数十機、追加調達する検討に入った。政府関係者が明らかにした。
 防衛省は既に空自のF4戦闘機の後継として42機のF35導入を決めている。
  →  https://mainichi.jp/articles/20171231/k00/00m/010/123000c

  ̄ ̄
 参考情報:

 《 未完成で渡された戦闘機 》
 F35戦闘機が未完成となっており、機関砲は撃てず、赤外線ミサイルも搭載できないことが防衛装備庁への取材でわかった。当面、領空侵犯に対処する緊急発進の任務に就けないことになる。 (2017年10月18日)
  → http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2017101802000143.html
Posted by 管理人 at 2017年12月31日 20:05
 F-35 を推進する理由として、「ユーロファイターなんか入れたら4機種体制になって整備コストが増大する」という意見があった。だが、これは妥当ではない。
 F-22 や F-117 の場合、ステルス性をもたらす電波吸収材は軟弱で傷つきやすいため、出動のたびに被覆を修復する必要がある。それがすごく高額になる。
 F-35 の場合、どうなるかは未確認だが、画期的な新物質が採用されたという報道もないので、F-22 や F-117 と大同小異だろう。つまり、やはり高額の修復費用がかかるだろう。つまり、維持費は膨大となる。
 ユーロファイターや F-18 ならば、この特別な費用は必要ない。
 戦時中でなければ、航空自衛隊の要撃機の主要任務は、ステルス性による戦闘攻撃ではなく、姿を見せながらの警告であるのだから、ユーロファイターや F-18 で十分だ。
 また、そもそも、F-35 の後方には位置するのであれば、ステルス性はなくても構わない。敵機がユーロファイターや F-18 に接近したら、先行している F-35 が敵機を撃墜すればいいからだ。
 つまり、すべてを F-35 にする必要はないのだ。
Posted by 管理人 at 2017年12月31日 20:20
 ステルス機は、姿を見せながらの警告活動には適していない、ということが、現実にはっきりした。事例あり。
 → https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171231-00010000-binsider-int

 転載:
「アメリカとロシアの最新鋭戦闘機が12月中旬、シリア上空において初めて対峙した。
 F-22は目視できる場所に武器を搭載していない。ステルス性能に依存しているため、最新鋭ロシア機と近距離で対峙する状況では劣勢になる。
 アメリカ空軍がかかわる大部分のインシデント(衝突に発展する前の偶発的な事件)では、パイロットは攻撃の前に相手に通告し、交戦規定に則って行動する。だが、この交戦規定は相手から先制攻撃に対する弱点となっている。」
 以下略。
Posted by 管理人 at 2018年01月01日 08:35
目視武装を誇るF15やFA18の示威航行が優位になるようですね。隠密忍者F22とのチームでなんとかなるでしょうか。
Posted by 京都の人 at 2018年01月02日 17:24
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