2017年10月15日

◆ 希望の党は消滅するだろう

 希望の党は、衆院選のあとで、消滅するだろう。当選者が(ほぼ)民進党の出身者しかいないからだ。

 ──

 希望の党における民進党の出身者の数は、111 以上ある。(前 が 57、元が 54 、合計 111。いずれも民進党出身だろう。)
  → 党派別の立候補者数:衆院選2017:東京新聞
  ※ 朝日では 57 という数字だが、上記リンクでは 56 だ。
    若干の異同がある。

 一方、希望の党の当選予想数は 60議席前後らしい。
  → 衆院選・朝日新聞社情勢調査:朝日新聞 2017-10-14

 当選者のうち、民進党出身者がどのくらいになるかは、(小選挙区を別とすれば)比例区における順位による。で、順位を見ると、特に順位は付けられていないようだ。
  → 希望の党 比例名簿 順位 2017

 順位が同じならば、惜敗率(どのくらいの得票率を得たか)によって決まる。当然ながら、民進党の出身者は(名前が売れているので)有利であり、小池系の新人は(名前が売れていないので)不利である。したがって、比例区で復活する議員のほとんどは、民進党の出身者だろう。
 ここで、希望の党の当選者が 60を大幅に上回るようであれば、新人が当選することもできただろうが、現実には、60議席ぐらいしか当選しないようだ。となると、当選議員のほとんどは民進党の出身者だろう。ざっと見て、次のような感じ。
  当選議員数  60
  民進党出身者 55
  小池系の新人  5

 
 ──

 さて。このあと、希望の党の議員は、一体性を保てるか? どうやら、保てないようだ。たとえば、安保法制への態度に対しても、「賛成/反対」という立場が大きく異なるからだ。(下記ページのグラフを参照。)
  → 希望内、安保法巡り違い 民進組とそれ以外の候補 衆院選:朝日新聞 2017-10-15

 ここで、小池党首が「意見の違いを認める」とか、「議員の思想を尊重する」とか、そういう寛容な態度を取れば、問題はない。しかしそれは、党首の思想に反する。当然、衆院選後は、思想の締め付けを厳しくしようとする。しかるに、議員はそれに耐えきれない。となると、議員は党を離脱する(離党する)だろう。ちょうど、音喜多議員が耐えかねたように。
 つまり、分裂だ。

 ──

 こうして、二つのことがわかった。
  ・ 当選者のほとんどは、民進党出身者である。
  ・ 衆院選後は、思想によって分裂する。


 この二つから、次のことが結論される。
 「希望の党のうち、右翼的傾向を受け入れられない人(民進党出身者の8割ぐらい)は、離党するだろう」

 
 つまり、希望の党の当選者の 60人のうち、45人前後は離党する。残りの 15人のうち、民進出身の 10人ぐらいは、他の 45人と行動を共にするだろう。一方、小池系の5人だけは、最後まで残るだろう。
 結局、民進党出身の 55人が離党して、小池系の5人だけが最後まで希望の党に残る。

 かくて、希望の党は、比例区出身の5人だけを残して、泡沫政党となる。次の衆院選では、比例区でも票を得られず、実質的に消滅するだろう。(もしかしたら、全国で5人ぐらいを当選させて、泡沫政党のまま残るかもしれないが。ま、実質的には消滅も同然だ。)

 これが希望の党の将来についての予想だ。



 [ 付記 ]
 離党した民進党出身の議員は、どうするか? 当面は、適当に新党を結成するだろう。仮にそれを「失望の党」と呼ぶことにしよう。  (^^);
 失望の党の出身者は、当然ながら、参院の民進党議員や、衆院の立憲民主党の議員と、連携したがるだろう。ただし、そうなると、「民進党の再結集」ということになって、いくらか批判を食いそうだ。すでにその傾向がある。
  → 民進 前原代表 “再結集は認められず” | NHKニュース
  → 民進党再結集は「有権者を愚弄した話」 前原氏 - :朝日新聞
  → はてなブックマーク - 民進党再結集は「有権者を愚弄した話」 前原氏 -朝日新聞
 
 とはいえ、本質的には、野党結集しかないのだから、民進党出身者に限らず、野党の多くの議員が大同団結の方向に向かってもおかしくない。
 たぶん、当面は「小党乱立」のまま留まるだろう。そして、次の参院選を目指して、何らかのまとまりをなすようになるだろう。
 可能性としては、枝野の立憲民主党に、多くの議員が流れ込みそうだ。まあ、そうなるかどうかは、まったく流動的で、先は読めないが。

 それでも、希望の党が消滅することだけは、まず確実と見ていいだろう。
( ※ 理由は小池の独裁体質の強さ。仮に分裂しないとしたら、希望の党は、民進党出身議員に乗っ取られる。それだけは小池が許すまい。)



  【 補説 】
 では、希望の党が消滅したあと、将来的にはどうなるか? これについては、次の記事が参考となる。
 《 野党乱立、自民の追い風に 朝日新聞情勢調査 - 2017衆議院選挙(衆院選)》
 全 289選挙区のうち 162選挙区は、この3極から候補者が1人ずつ立つ「三つどもえ型」。こうした乱戦模様が全選挙区の6割近くを占めていることが、自民の堅調を後押ししている。
 逆に、与党候補と「共産・立憲・社民」の1人が戦う「一騎打ち型」選挙区では、自民候補が先行するのは約6割に下がり、野党候補の善戦が目立ってくる。
( → 朝日新聞 2017-10-14

 野党が分立すると、自民に歯が立たないが、野党がまとまれば、自民と十分に対抗できる。
 現状では希望の党がいるせいで、野党は分立しているが、希望の党がなくなれば、野党は統一に向かう。そうなれば、与野党対決の形になり、小選挙区でも野党候補が勝利する率は大幅に高まるだろう。
 今回はともかく、次期参院選や衆院選では、希望の党が消滅するのにともなって、与野党対決の形になりそうだ。

 《 加筆 》

 現状では、希望の党は、「民進党議員のいるところに刺客を送る」という方針を立てている。
 民進党を飛び出して立憲民主党から出馬する前職には積極的に「刺客」を差し向ける一方、無所属で立候補する民進党出身の前職には公認候補者をぶつけることを見送るなど、戦略も浮き彫りになった。
( → 【衆院選】「地盤」「刺客」で悲喜こもごも  - 産経

 これはつまり、「立憲民主党の候補者を落選させて、自民党の候補者を当選させたい」ということだ。小池百合子のめざしている方向がどちらであるか、明らかであろう。
 そして、そうとすれば、「自民党に代わる政権を立てたい」と思っている民進党出身者は、行動を共にすることはできないはずだ。
 前原は、希望の党への合流の際、「自民党に代わる政権を立てるため」と目的を述べた。しかし、その目的は、小池百合子の頭には入っていない。彼女の目的は、右派政権を作ることであって、そのためには民進党出身者を切り捨ててでも、安倍政権にすり寄りたいのだ。
 なのに、「自民党に代わる政権を立てるため」という目的を掲げた前原は、まったく見当違いのことをしていたことになる。それはいわば、「北をめざす」と述べながら、南に進んでいくようなものだ。



 【 関連動画 】


posted by 管理人 at 12:04| Comment(17) | 一般(雑学)4 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 最後に 【 補説 】 を加筆しました。
 タイムスタンプは 下記 ↓
Posted by 管理人 at 2017年10月15日 12:25
 最後に、次の二つを追加しました。

  《 加筆 》
  【 関連動画 】
Posted by 管理人 at 2017年10月15日 12:59
 ちょっと思ったが、前原って、何やっているんでしょうね。
 「民進党を離れて、希望の党へ入党」
 という方針を出したのに、自分はそれを守らず、無所属のまま。
 ま、残った母船の「民進党党首」という地位を守りたいから、民進党を離脱できないのだろう。
 しかしそれは、身勝手な船長みたいだ。他人を嵐の海に放り出して、自分だけは母船に残ったまま、ふんぞりかえる。どうせなら率先して離脱するべきだったのに。
Posted by 管理人 at 2017年10月15日 13:04
 前原の演説日程を見ると、応援演説をする対象は、希望の党と無所属の人。(もと民進党だった人のみ)
   https://www.minshin.or.jp/a/112689

 立憲民主党の候補を応援するつもりはないようだ。
 
 とはいえ、前原なんかに応援されると、有権者の反発を食って、かえって票が減ってしまいそうだが。
 前原は、応援するというより、邪魔しに来ているのかな? 
Posted by 管理人 at 2017年10月15日 13:18
日本の女性政治家って、どれもみんなロクでもない人ばかりですね。与野党関係なく。
Posted by 反財務省 at 2017年10月15日 15:38
 どの女性政治家も、安倍や前原に比べれば、ずっとマシでしょう。小池さえも。
Posted by 管理人 at 2017年10月15日 15:51
>安倍や前原に比べれば、ずっとマシでしょう。

たしかに、害悪はほとんど無いですね。
利益もありませんが。
Posted by 反財務省 at 2017年10月15日 16:25
 朝日新聞の情勢調査(本日朝刊)によると、
 希望の党の東京における当選者は、小選挙区でゼロ、比例区で3となるらしい。
 せめて小選挙区に民進出身者を立てておけば良かったのに、全員が小池系の新人となったせいで、当選する見込みはゼロとなった。最強である若狭(代表代理みたいなもの)でさえ落選するらしい。
 ひところの小池フィーバーの勢いは完全に消えた。比例区(東京)でさえ、立憲民主と同程度になるらしい。
 立てた候補者の数は膨大だから、没収される供託金の数は途方もない額になるだろう。政党としては史上最高額かもね。
Posted by 管理人 at 2017年10月15日 20:58
管理人さんもあくまでタラレバ論でいわれているのでしょうが…

旧民進党を丸のみしたらしたらで、「看板だけ架け替えただけ」という批判を希望は避けられないわけで。

その批判は自民、公明だけでなく、他の野党すべてから食らうでしょう。なにしろ野党共闘の裏切り者ですからね、容赦のない批判を食らうと思いますよ。
そして、小池さんの「しがらみのない政治」もまったく説得力がなくなるでしょうしね。

都議会選挙のときも都民ファーストに民進党出身者が少なからずいたわけですが、あのときは「国政は国政、地方は地方」という言い訳がまだ通用しましたが、今回は国政選挙ですから。
議席は
(解散前の共産党)+(民進党)=(立憲民主党)+(希望)+(解散後の共産党)
こんな感じじゃないですかね。立憲民主党が躍進とかいっても共産のおすそわけと希望の前議員の分を削り取ったくらいでしょう。定数削減分で若干のプラスマイナスはでるでしょうが。
あの希望が供託金の面倒を見てくれるはずもないでしょうから、各候補が真っ青になるのでしょうね。
Posted by とおりがかり at 2017年10月15日 23:46
> 各候補が真っ青になるのでしょうね。

 元民進党の場合には……
 (1) 小選挙区の分は、供託金没収になるほど低い得票率ではないから、没収されない。
 (2) 比例区の分は、仮に没収されるとしても、 300万円だけ。
 (3) たとえ没収されるとしても、立候補前の時点で、民進党から 1000万円をもらっていたから、供託金の 600万円をまかなえる。

 真っ青になるのは、新人議員だけかな。もっとも、すでに党本部に供託金の分を支払い済みだから、もともと金を払えるような人しか応募していないようだが。
Posted by 管理人 at 2017年10月16日 00:06
帰ってきた供託金は希望のポケットに入れて候補者には返さないでしょう
Posted by かーくん at 2017年10月16日 07:16
>せめて小選挙区に民進出身者を立てておけば良かったのに、

一応民進出身者は3区松原仁、8区木内孝胤、21区長島昭久、と立ってますよ。
何れも解党前に離党していますが…。

Posted by pf at 2017年10月16日 10:21
 pf さん、ご指摘ありがとうございます。
 松原と長島の名前は覚えていたので、元民進党議員として個別チェックしたのですが、そのときは、この人たちは「当選しそうにない」という点だけを確認していたので、あとでコメントを書くとき、元民進党議員ということを忘れてコメントを書いてしまいました。寝惚けたような頭でコメントを書いていただから、間違えてしまったんですね。
 本文中のリンクを見て確認したら、他にも3人の現職がいました。福田峰之、柿沢未途、小沢鋭仁。出身はいろいろ。
 この三人と民進3人と若狭を加えた7人のうち3人ぐらいが、比例区で復活当選しそうだ。現職6人から半減するわけで、情勢は非常に厳しい。お膝元の東京なのに。
Posted by 管理人 at 2017年10月16日 10:38
あんな滅茶苦茶しといて
自民290議席越え確定なんて
おかしいと思います。
選挙自体インチキなのではないでしょうか?
Posted by 通りすがり at 2017年10月17日 01:16
> 選挙自体インチキなのではないでしょうか?

 選挙制度が歪んでいるという意味でなら、インチキかも。
 比例区の投票先を見ると、自民党は過半数割れ。
  → http://www.asahi.com/articles/ASKB43J6DKB4UZPS002.html
 なのに、多くの議席を得ているのは、選挙制度の歪みのせい。
  ・ 小選挙区 & 野党分立
  ・ 一票の格差

 一票の格差ゆえ、選挙そのものが違憲である可能性も高い。 
Posted by 管理人 at 2017年10月17日 07:42
>選挙制度が歪んでいる

一票の格差も含め、”ある集団の意志を決定するシステム”として現行の選挙制度が最適かどうか、もっと検討が進められるべきです。現行の選挙制度が、集団全体の意志を忠実に反映した決定を行う最良の方法とはとても思えません。

ただ残念なのは、ルールを決めるのがプレーヤー自身ですから自らに有利なルールしか決められないことです。
Posted by 作業員 at 2017年10月17日 17:59
希望の党は、東京では1名当選。元民進党の議員。
票を見ると、東京では立憲民主よりもずっと少ない票しか取れていない。データは下記。
  http://www.yomiuri.co.jp/election/shugiin/2017/kaihyou/ya13.html#k021

お膝元の東京ですらこれだとすると、次の選挙では消滅している可能性が高い。
Posted by 管理人 at 2017年10月23日 07:32
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