2017年10月07日

◆ 前原の失敗の原因

 前原は民進党を解体したが、不評である。彼の失敗は、どこから来たか? 

 ──

 前原は民進党を(実質)解体した。これについて説明する、前原のツイートがある。
  → 前原誠司:私がなぜ、今回の政治決断に踏み切ったのか

 しかしこれへの反応は、圧倒的に不評である。
  → はてなブックマーク

 一方で、「民進党のままではダメだったから、仕方ない」という擁護論もある。
 《 ありがとう前原誠司 フォーエバー前原誠司〜渾身の捨て身の人〜 》
 前原誠司さんは、単純に騙されただけなんじゃないか、うまいことを言われて乗せられて、まるっとやらなくてもいい政党合併まで行っちゃったんじゃないかと思われているかもしれません。
 でもねえ、たぶん民進党にいたほうが確かに議席は安定して確保できるかもしれないけど、いままでのルールのままで、いままでの民進党の延長線上には政権交代もなければ未来もなかったんじゃないかと思うんですよ。何かを、変えなければならない。救世主待望論はポピュリズムを生んで危険だとか、独裁的なリーダーを担ぐので大変だという考えもあるかもしれないけど、そんなことは百も承知でこの座組に前原誠司さんは賭けたんでしょう。勝負に出たんだと思います。消費税とか原発とか安全保障とか、細かな政治の座組や政策の是非で四の五の言って話がまとまらないよりは、白紙委任状のような移籍希望届に一発サインしろお前らと、踏み絵を迫ったのでしょう。
( → 山本 一郎

 こんな擁護論を聞いても、あまり納得できないだろうが、朝日新聞にはもうちょっとまともな話がある。
 《 前原代表「民進党ではせいぜい50議席」 妥当性を強調 》
 「民進党として衆院選に突っ込んだ場合、(獲得議席は)せいぜい40〜50ではなかったか」。前原誠司代表は4日、朝日新聞のインタビューに応じ、希望の党への合流を決断した妥当性を強調した。
 「突っ込んだ場合、おそらく希望への集団離党が出て、『じり貧だ』と批判を受けるなかでの選挙になった」と語った。
( → 朝日新聞デジタル

 激減するよりはマシだ、というわけだ。そのままでは議席が大幅に減ってしまうので、背に腹は替えられない、というわけだ。これならば、まあ、いくらか納得はできる。

 ──

 しかし、問題は、別のところにある。
 そのような方針を取った上で、「全員で合流する」と決めたならば、それはそれでいい。しかし、現実には、「全員で合流する」という方針は守られなかった。希望の党に厳しく選別されることになった。つまり、口約束は守られなかった。

 ここでは「約束違反」という問題が生じた。「詐欺師にだまされた」と言ってもいい。
 そして、だまされたとしたら、だまされたことの責任は、詐欺師の側にあるのではなく、だまされた側にある。(政治家の政治問題なんだから。だまされる方が悪い。)

 では、どうするべきだったか? 最低限、次のようにするべきだった。
  ・ 口約束でなく、文書にするべきだった。
  ・ 途中では時間をかけて、国民に経過を公開するべきだった。
  ・ 口約束の段階では、解党するべきでなかった。


 こういうことは、当たり前のことだ。子供じゃないんだから、大人として、きちんと論議して文書にするべきだった。
 なのに、実際には、そうしなかった。
  ・ 口約束だけにして、文書にしなかった。
  ・ 途中では時間をかけずに、国民の知らぬ間に決定した。
  ・ 口約束の段階で、解党した。(実質的解党)


 その結果は、こうだ。
  ・ 口約束を反故にされた。(約束を破られた。)
  ・ 国民は経過を知らされなかった。国民もだまされた形。
  ・ すぐに解党したので、一方的武装解除も同然となった。


 このうち、二番目の問題が特に大きい。
 人々は「前原がバカだから、だまされた」と騒いでいるが、本質的には、「前原は、自分たちがだまされただけでない。彼は希望の党とグルになって、国民をだました」というふうになっている。
 人々は、前原の愚かさを指弾したいのではない。国民の知らないところで一夜にして勝手に決めたことで、国民は「自分たちがだまされた」というふうに怒っているのだ。「前原がだまされるのは勝手だが、ついでに国民も引きずり込んで、国民もいっしょに女詐欺師にだまされてしまった」と怒っているのだ。

 仮に、そうでなければ、どうなっていたか? 次のようになる可能性が高い。
  ・ 一方的な解党はしない。
  ・ 合流には「全員合流」が条件となる。


 そのあとは、次の二者択一だ。
  ・ 希望の党が厳しい条件を付けた場合には、合流は不成立。
  ・ 合流を成立させるために、希望の党が厳しい条件を付けない。

 このいずれかになっただろう。そのどちらであっても、問題はなかった。

 現実には、こうなった。
 「希望の党が厳しい条件を付けたが、民進党はすでに解党したも同然なので、厳しい条件を拒否できなかった。党としては何も決定できないまま、個人レベルで、受け入れるか受け入れないかとなった。かくて、党は分裂した」


 そして、こうなったことのすべては、前原の方針に原因がある。
 彼は、「合流」という方針を掲げた。それは、戦略的には、失敗とは言えない。しかし、その戦略を実現するための戦術に失敗した。口頭で決めた(文書化しなかった)という大失敗があったほか、短時間に非公開で秘密裏に決定したということで、国民の批判を浴びた。

 思えば、似た例はあった。
  ・ 細川内閣で、消費税の増税を秘密裏に一夜で決めた。
  ・ 菅直人が、消費税の増税の公約を勝手に決めた。

 いずれも、事前に広い論議があったわけでもなく、国民の知らないところで、勝手に決定した。そのことで、国民の大批判を浴びた。
 前原がやったのも、同様のことだ、と言えるだろう。
 



 【 関連サイト 】

 → 前原誠司代表に地元の有権者からも批判噴出か「落選運動」の呼びかけも




posted by 管理人 at 11:07| Comment(1) | 一般(雑学)4 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして。
確か、小池知事と前原代表をつないのだのは、小沢一郎という報道があったので(「週刊文春」か「週刊ポスト」か「週刊現代」か「週刊プレイボーイ」のどれかだと思いますが・・・確定した情報でなくてすみません。)小沢一郎というそれなりの立場の人が間にいるので、厳しい条件(共同記者会見で全員受け入れを明言か、管理人がご指摘された文書での明記)を突きつけられなかったのかも。前原代表が「甘すぎる」といえば、それまでなのですが。このままでは選挙でじり貧という危機意識を持つのはいいのですが・・・。
Posted by rs at 2017年10月07日 19:38
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