2017年09月10日

◆ ヴォイニッチ手稿の残る謎

 ヴォイニッチ手稿の謎が解明された、という報道があったが、まだ残る謎がある。その謎を推察する。

 ──

 ヴォイニッチ手稿の謎が解明された、という報道があった。
  → ついにあのヴォイニッチ手稿が解読された模様! 驚きの中身とは
  → 「ヴォイニッチ手稿」を解読する試み - Gigazine

 元の文書は、英国の The Times のサイトに掲載されたエッセー。(Chromeのアドオンで翻訳が読める。)
  → Voynich manuscript: the solution - NICHOLAS GIBBS

 要するに、こうだ。
  ・ 略語があり、中世のラテン語の略語と一致。
  ・ 全体は、中世のラテン語で書かれた医学的知識。
  ・ 女性向けに「風呂に入ると健康に良い」というような内容。


 ここでわかったことは、こうだ。
 「使われた言語と、おおまかな内容は、判明した」
 「言語では母音が省略されているらしい」


 まだわかっていないらしいことは、こうだ。
 「謎の植物のイラストは、何なのか?」 
 「なぜ母音が省略されたのか」

 
 というわけで、一部は解決されたが、残る謎もある。


Voynich.jpg
出典:ヴォイニッチ手稿 - Wikipedia


 残る二つの謎について、私がアイデアを示そう。

 (1) 謎の植物は?

 謎の植物のイラストは、何なのか? 地球上にはあり得ない植物が描かれているのは、どういうことか? 
 これについては、ヒントがある。
 The artists engaged in illustrating the Voynich manuscript ranged from the proficient to the downright naive
( → The Times

 イラストの執筆者は、熟練者から素人レベルまであって、多様だった、ということだ。
 とすれば、素人レベルの人が、ろくに技量もないまま、変な絵を勝手に独りよがりに描いた、ということもありそうだ。とすれば、想像で変な植物を描いたとしても、おかしくはない。
 この時代には、百科事典などはなくて、せいぜい身のまわりにある日常的な植物しか見かけなかった。たまに遠方地域にある植物の絵を見ることがあったぐらいだろう。とすれば、知識もないまま、変な想像画を描いたとしても、おかしくはない。
 そう理解すれば、わけはわかる。つまり、謎の植物は、(知識不足のままの)想像上の産物にすぎなかったのだ。


Voynich2.jpg

Voynich3.jpg
出典:ヴォイニッチ手稿 - Wikipedia



 (2) 母音の省略は?

 解読が困難だった理由は、ありふれたラテン語を使っていたにもかかわらず、母音が省略されたことだ。ではどうして、母音が省略されたのか? 

 まず、ヴォイニッチ手稿が作られた時期は、1404年から1438年の間である。
  → ついにあのヴォイニッチ手稿が解読された模様! 驚きの中身とは

 この時期については、次の項目が役立つ。
  → なぜ中世アラブは先進国だったか?: Open ブログ

 この時期は、ルネッサンスの初期である。当時の最先端である中世アラブ世界から、ギリシア文化やヘレニズム文化が流入した時期である。また、印刷術以前なので、文字表記には自国言語は(ほとんど)使われず、文字表記にはラテン語を用いていた時期だ。
  
 このことから、次のことが推察できる。
  ・ ヴォイニッチ手稿は、中世アラブ世界から流入した知識を記したものだ。
  ・ その言語は、基本的にはラテン語で書かれている。
  ・ ただしアラブ世界を経由したので、母音が省略された。


 最後の点は、次のことによる。
 「アラビア語では、母音を省略して記述する」


 たとえば、「タナカ」も「タヌキ」も、ともに「TNK」と表現する。そのどちらを意味するかは、あくまでコンテクスト(文脈)による。
 「これで困らないか?」と思えるが、困らないらしい。実は、日本語だって、漢字を「音読みと訓読み」の二通りがあるが、とくに困らずに読めている。それと同様らしい。
  → アラビア語の読み方について - Yahoo!知恵袋

 ──

 というわけで、(1)(2) の謎については、本稿で「謎の解決」を示した。これで、謎については、基本的なことがわかったと言えるだろう。
( ※ 具体的な詳細な解読はまだだが。)



 [ 付記 ]
 母音を省略しているのは、なぜか? たぶん、筆者がアラビア人だったりして、アラビア語の要素が多く混じっているせいだろう。
 これまでの解読は、「古代の英語やドイツ語などである」という仮定の下で解読しようとしていたが、実はアラビア語が混じっていたのだとすると、解読ができなかったのも無理はない。
 今後は、(ラテン語を主とした上で)アラビア語の着眼点から解読を進めるのが好ましい。

 ※ ついでだが、ヴォイニッチ手稿の文字は、
   ちょっとアラビア文字に似ている。



 【 関連サイト 】

 → Wikimedia (ヴォイニッチ手稿:多画像)
 
 → huffingtonpost (ヴォイニッチ手稿:全画像)



 【 追記 】
 批判的な意見がある。一つのツイートと、それに続くシリーズ。(かなり知識のある人で、専門家っぽい。)
  → akinori_ito のツイート
  ※ 今回の「解読」を、「たいしたことではない」
    「解読になっていない」と批判する。
 
posted by 管理人 at 10:45| Comment(2) | 一般(雑学)4 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 最後に [ 付記 ] を加筆しました。
 タイムスタンプは 下記 ↓
Posted by 管理人 at 2017年09月10日 11:52
 最後に 【 追記 】 を加筆しました。
 タイムスタンプは 下記 ↓
Posted by 管理人 at 2017年09月10日 15:35
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