2017年09月04日

◆ 北朝鮮にどう対応するべきか?

 北朝鮮が水爆を爆発させた。これに対して、どう対応するべきか?

 ──

 これまでは経済的な圧力をかけていたが、功を奏さず、今回の事態となった。では今後、どうするべきか? 

 朝日新聞には、解説記事がある。
  → 対北朝鮮、三つのシナリオ 圧力か対話か、軍事力行使か:朝日新聞 2017-09-04

 簡単に示せば、次の三つだ。
 (1) 石油禁輸などで圧力をかける。
 (2) 対話路線に転じる。
 (3) 軍事力行使する。


 (1) の「圧力」は、中国・ロシアが同調しないので、無効となっている。米国は「中国との貿易停止」をちらつかせているが、IT を中国に依存している状況では、まず無理だ。スマホやパソコンを輸入できなくなると、国が成り立たなくなる。ただし、「関税引き上げ」ならば可能かもしれない。しかしそれだと、貿易戦争に突入するだろう。

 (2) の「対話」は、「相互の譲歩と妥協」が理想だが、北朝鮮が「譲歩と妥協」をするはずがない。となると、一方的な譲歩しかあり得ず、「北朝鮮に核保有を認める」ということになる。したがって、「対話」は成立しない。
 この件は、タカ・ハト・ゲームの形で、詳しく述べた。つまり、「一方がタカに固執する場合には、妥協(双方ハト)は成立しない」ということだ。
  → 北朝鮮に全面降伏せよ: Open ブログ

 (3) は、「軍事力行使」だから、戦争とほぼ同義だ。ただし、部分的な武力行使を含む。部分的な武力行使でも、たちまち全面戦争に拡大しそうだ、という見解もある。しかし、全面戦争になれば北朝鮮は崩壊するから、全面戦争にはなるまい、という見解もある。

 ともあれ、上の「圧力」「対話」「軍事力行使」がすでに示された対策だが、これといって決め手となるものはないようだ。これらの中で「どうしたらいいか?」と迷っている状況らしい。



 そこで、困ったときの Openブログ。決定的な名案とまでは行かないが、とりあえず、従来の方法よりは良さそうな案を示そう。

(i)石油の時限的禁輸


 経済的な圧力としては、石油の禁輸が最も効果的だ。しかし、中国が同調しない。北朝鮮の体制崩壊を恐れているからだ。
 そこで、うまい案を示そう。こうだ。
 「石油を禁輸するが、あくまで時限的な禁輸とする。ミサイル発射から半年間の禁輸。核実験から1年間の禁輸。ただし初回に限り、禁輸期間を半減する」
 これだと、今回は(ミサイル発射の分は無視して)水爆の実験に対して半年間の禁輸をする。このまま半年間が経過すれば、半年後に禁輸は解除される。その後は、
  ・ 以後も何もしなければ、禁輸解除が続く。
  ・ ミサイル発射や核実験があれば、また禁輸が発動される。


 なお、(次の初犯のあとの)再犯以降は、禁輸の期間を倍増してもいい。(核実験ならば1年間を2年間に)

 このような「時限的な禁輸」は、次のメリットがある。
  ・ 永続的でなく、国家崩壊の危険がないので、中国は同意できる。
  ・ 最終的には、北朝鮮は「永続的な実験禁止」にいたるはずだ。

 つまり、実現性が高い。「時限的な禁輸」は、実現性を高める工夫だ。

 (ii)THAAD の撤去


 中国の石油禁輸への代償として、韓国に配備した THAAD を撤去する。中国は、THAAD の配備を何よりもいやがっていて、THAAD を受け入れた韓国とはちょっと国交断絶みたいな状況になっている。
 これほどにも THAAD をいやがっているのだから、お望み通り、 THAAD の撤去を公約すればいい。「中国が石油禁輸をしたら、中国THAAD を撤去します」と。
 もちろん、すぐさま撤去するわけではない。当面は、中国の石油禁輸を確認してから、封印して、作動中止状態にすればいい。中国が1〜2年以上の石油禁輸を続けたら、その時点で撤去すればいい。
 THAAD の撤去というと、軍事的にまずそうだが、見返りは得られる。中国が1〜2年以上の石油禁輸を続けたら、北朝鮮は経済的に崩壊するし、軍事的な燃料も激減するので、北朝鮮の戦争遂行能力は大幅に減じるからだ。ミサイルの搭載するロケット燃料だって不足するだろう。
 というわけで、THAAD の撤去を公約すればいい。中国の石油禁輸と引き替えに。

 (iii)長距離砲の配備


 以上は、戦争を回避するための方法だが、もう一つ、「戦争を始めてから、戦争に勝つための方法」というのもある。より正確には、「戦争で被害を出さない方法」だ。
 なぜか? 次の懸念があるからだ。
 米軍関係者も「核・ミサイル施設などを狙った限定攻撃をしても、北朝鮮の反撃で日韓など同盟国に被害が出れば、全面戦争に発展する」と慎重だ。 実際、北朝鮮は生物化学兵器や1千発を超す弾道ミサイルなどの大量破壊兵器(WMD)や、南北軍事境界線沿いに300〜400門を展開する長距離砲を保有。50キロ離れたソウルに報復攻撃すれば、1時間で6千〜7千発以上を発射し、半数を無力化しても、ソウルの5〜7%程度が破壊されるとの見方がある。 米韓両軍は3日現在、平時の「5」から戦争直前の「1」まである「デフコン(防衛準備態勢)」を通常の「4」で維持したままだ
( → 朝日新聞 2017-09-04

 戦争が始まれば、国境に近いソウルに弾丸の嵐が降りかかる。それをどうするか? 米国の方針は、「爆撃機で爆撃する」というものだが、あまり効率的ではない。爆撃機の攻撃対象は、当初はミサイルや核兵器になるはずだ。「南北軍事境界線沿いに300〜400門を展開する長距離砲」なんてものは、攻撃対象としては、後回しだろう。だから、これらの長距離砲から、ソウルに弾丸の嵐が降りかかる。

 これを避けるために、うまい案を提案しよう。こうだ。
 「韓国の側でも、長距離砲を大量に配備する」
 北朝鮮は、国境に近い北朝鮮領土に、300〜400門の長距離砲を展開する。
 ならば韓国もまた、国境に近い韓国領土に、500門ぐらいの長距離砲を展開するといい。
 すると、どうなるか? 北朝鮮の対策は、次の二つだ。
 (A)長距離砲でソウルを攻撃する。するとその間に、韓国から長距離砲の弾丸が襲いかかるので、たくさんの弾丸を受けて、北朝鮮の長距離砲は壊滅する。
 (B)長距離砲で韓国の長距離砲を攻撃する。するとその間に、ソウルを攻撃することはできないが、韓国の長距離砲を大幅に攻撃できるので、韓国の長距離砲の戦力が激減する。結果的には、双方が相打ちの形となり、北朝鮮と韓国の長距離砲はどちらも大幅に破壊される。

 このうち、北朝鮮はどちらの作戦を取るか?
 愚かな頭ならば、(A)を取るだろう。その結果、韓国のソウルはいくらか被弾するが、北朝鮮の長距離砲はまもなく壊滅してしまう。こうなると、北朝鮮の攻撃力はもはやないも同然なので、北朝鮮の全土を攻撃して支配下に置けばいい。米軍の完全勝利。
 まともな頭があれば、(B)だろう。この場合、韓国軍にはかなりの被害が出るが、人的被害はうまくすれば避けられるだろう。ソウルへの被害は、ほとんどなしで済むだろう。

 ともあれ、上の方法では、次の結果となる。
 「長距離砲を韓国軍に大量配備することで、北朝鮮の長距離砲の攻撃対象を、ソウルから韓国軍(の長距離砲)へと転じることができる。かくて、都市の被害を激減させることができる」

 こういう形で、軍事力の行使に踏み切ることができる。



 [ 付記 ]
 「軍事力の行使をすると、戦争になりそうだが、何とかして戦争を避けられないか?」
 と思っている人が多いようだ。
 ま、中国が禁輸に賛成するのならば、戦争は避けられるだろう。だが、中国が禁輸に賛成しないのであれば、戦争は避けられまい。それが私の見通しだ。(理由は北朝鮮がタカ路線を取るから。)
  → 北朝鮮に全面降伏せよ: Open ブログ

 つまり戦争は、「やるか/やらないか」ではなくて、「いつやるか」という選択肢しかない。つまり、次のいずれかだ。
  「(核ミサイルを)配備する前か/配備した後か」
 前者ならば、核の被害はなしで済む。
 後者ならば、核の被害が生じる。
 このどちらを採るか、という選択肢だけがある。「戦争を回避する」つまり「妥協する」という選択肢はない。こちらがそれを取りたくても、向こうがそれを拒むからだ。

 Jアラートで、逃げるかどうか、なんていう騒ぎをしているのは、ちゃんちゃらおかしい。今は自体はそんなに甘くない。われわれに与えられた選択肢は、次のいずれかだ。
 「ミサイルは必ず来る。そのミサイルが核爆弾を搭載する前に戦争をするか、そのミサイルが核爆弾を搭載した後に戦争をするか」
 
 そして、グズグズして、なかなか戦争をしないでいれば、やがては北朝鮮は核ミサイルを日本に飛ばす。そのときになって、「Jアラートが鳴ったから避難しよう」なんて言っても、まったく無意味なのだ。秋田みたいに、「公民館に避難しよう」として屋外に出れば、被害はかえって増しそうだ。
  → 北朝鮮ミサイルの避難訓練: Open ブログ



 [ 補足 ]
 北朝鮮の頭のイカレ具合は、次の発表からもわかる。
 金己男(キムギナム)党副委員長は談話で……「水爆の爆音には、地球上から米国という大陸を永久になくそうとする千万軍民の強い信念が込められている」とも語った。
( → 朝日新聞 2017-09-04

 ヒトラーも驚く、頭のイカレ具合。こういう連中とは、対話は不可能だ。まともな判断力がないからだ。(気違いの一種。)



 【 関連サイト 】





 グアムの爆撃機 B-1B 。これこそ、圧倒的な爆撃能力を持ち、北朝鮮が最も恐れるものだ。
 北朝鮮がしきりに「グアム攻撃」と言っているのは、この B-1B を極度に恐れているからだ。こいつだけで、北朝鮮の全土を焦土と化す。
 
 ちなみに、北朝鮮のミサイルなんて、 B-1B に比べれば、ずっと威力は小さい。ノドンの炸薬量は 1.2 トンだ。 B-1B の弾薬量は 34トンだ。
 爆薬の量だけを見れば、ノドンもかなりあるように見える。だが、ミサイルは次の点で不利だ。
  ・ 命中精度が低くて、軍事施設をうまく狙えない。
  ・ 一箇所だけに大爆弾を落としても、効果が限定的。
  ・ 一発ごとに使い捨て。

 B-1B は逆だ。
  ・ 命中精度が高くて、軍事施設をうまく狙える。
  ・ 何箇所にも爆弾を落として、被害を拡大できる。
  ・ 何度も何度も出撃できる。


 私の予想では、北朝鮮のミサイルが飛来しても、米軍基地の空地部分(滑走路やバックヤードなど)に落ちるだけで、まともに破壊効果をもたらすのは1割にも満たないだろう。

 唯一、危険があるのは、原発だ。(ミサイルが着弾したら、原発は大被害が生じるだろう。……そのことを隠すために、たぶん、原発のまわりには迎撃ミサイル PAC3 を配備していないだろう。だから、着弾すれば、大被害となる。)

posted by 管理人 at 22:38| Comment(3) |  戦争・軍備 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
石油パイプラインは、一度止めてしまうとあちこちで詰まってしまって再開が困難になる……
そういう理由で中国は停止を渋っている、という記事もありましたね。
パイプライン再開など考えないで
「条件を満たしたら、都度タンカーで運んであげる」
くらいで良いのかも知れません。
足りないって言うでしょうけど。
Posted by けろ at 2017年09月05日 11:33
北のリーダーだけを悪人扱いする人が多いような気がするが、
実態はむしろ、その周りの連中のほうが悪人だろうと思う
Posted by 都会者 at 2017年09月06日 07:35
> 周りの連中のほうが悪人

 周りの連中は、次次と粛正されています。銃殺刑など。ちょっとでも気に障ることをすると、速、処刑。 独裁者の常。

 「周りの連中は悪人だ」
 と独裁者が思っているのかもね。笑い話みたい。
Posted by 管理人 at 2017年09月06日 07:55
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