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警報があっても、警報解除がないと、いつまで避難していればいいのかわからない。不安と恐怖ばかりが延々と続く。だから、警報解除が必要だ。
なのに、現状のJアラートには、警報解除がない。これは制度的な欠陥だ。
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実際、ミサイルの通過後も、延々とバカ騒ぎが続いた。
北朝鮮が弾道ミサイルを発射した8月29日早朝、テレビ各局は放送していた番組を一斉に中断し、総務省消防庁の全国瞬時警報システム(Jアラート)の画面に切り替えた。その後も午前中はほぼミサイル報道一色となり、「過剰」との批判も出ている。「正しく恐れる」ためにはどうあるべきなのか。
NHKや他の民放も、ほぼ同時刻にJアラートを知らせる画面に切り替わり、アナウンサーが「頑丈な建物や地下に避難して下さい」などと繰り返した。NHKはEテレ、BS、ラジオでも総合と同じ放送を流した。黒地の画面は、総務省から配信された画像を映したものだ。
5分ほどすると、各局とも北海道や東北地方の屋外を映す固定カメラの映像などを交え始めた。日本テレビは6時19分までJアラートの画面だけが流れた。政府が「ミサイルが太平洋上に落下したと推定」と発表した6時40分前後に、どのチャンネルからもJアラートの画面が消えた。
NHKは通常の番組を中止し、政府の記者会見を中継したり、記者が解説したりするなど午前10時20分までミサイル報道を続行。民放も午前中は軒並み、情報番組などがミサイル一色になった。
( → テレビ各局、番組を一斉中断 ミサイル報道は「過剰」?:朝日新聞 2017-09-02 )
実際の経緯は、次の通り。
6時01分 ミサイルの着弾の可能性を検知
6時02分 Jアラートを発信
6時04分 ミサイルが日本上空を通過すると認識
6時12分 ミサイルが太平洋に着弾
…… 何もしないで無為無策
6時40分 政府発表:「太平洋上に落下したと推定」
( ※ 参考記事 → 【北朝鮮ミサイル】 | netgeek )
つまり、6時04分から 6時40分まで、まともに仕事をしていない。Jアラートを鳴らすことについては迅速な仕組みが作動していたが、Jアラートを解除することについては組織的な動きが何もなかった。単にオタオタしていただけなのだろう。「警報を解除します」というJアラートの通知は、最後までなかった。
これはまったくの欠陥だ。警報という制度の前半しか機能していない。後半に当たる「警報解除」ができていないのだ。
私が思うのに、これは、「ミサイルが北海道の上空を通過した」という時点で、「ミサイルは日本には落ちない」と判断する能力が欠けているせいだ。(頭がバカである。)
また、「ミサイルは太平洋に着弾した」と検知したあとでも、それを公的に発表するまでの経路が遅れに遅れている。(対応がモタモタしすぎ。)
今のJアラートには、こういうひどい制度的な欠陥があることになる。バカさ加減がよくわかるというものだ。
「朝っぱらから鳴らすな」と文句を言ったホリエモンは、そういう問題を浮き彫りにするのに貢献した、と言えるだろう。
[ 付記 ]
そもそも、Jアラート の警報を鳴らす必要はまったくない。
・ もともと爆弾は搭載されていない。
・ たとえ爆弾が搭載されていても、逃げる暇はない。
Jアラート の警報なんて、有害無益なのである。
どうせやるなら、原発の即時停止でもすればいいのだが、さすがにそうするつもりはないようだ。
( ※ 現実には、対象地域では現在、原発は稼働していないが。)
【 関連項目 】
→ 北ミサイルには避難するな
※ 「もともと爆弾は搭載されていない」という話など。
【 関連動画 】
という首相の発言があったわけですが、”完全に把握”していてこの対応だったのかと思うと釈然としないものを感じます。