2017年08月26日

◆ 延命医療の難題を解決する

 無駄な延命医療のために、莫大な医療費用がかかっているが、中止しにくい。この難題を解決するには、どうすればいいか?

 ──

 記事を引用しよう。
 《 膨らむ高齢者の医療費 治療、どこまで? 》
  日本は世界に誇る長寿国となった一方、それが医療費を膨張させている。
 高齢になるほど医療費はかさみ、14年度の医療費(約41兆円)の3分の1以上にあたる約14兆円は、後期高齢者医療制度に入る75歳以上が使った。
 大島伸一・国立長寿医療研究センター名誉総長(71)は、こう訴える。 
 「平均寿命を超えたら超高額な薬は使わないことや、治療内容によっては自己負担割合を引き上げることなどを本気で考えないと、医療が崩壊するかもしれない」
 とはいえ、高齢者の医療費を削減する議論は、命に直結する問題だけに容易ではない。
 とりわけ多くの医療費がかかる延命治療のあり方は難題だ。患者の意思が確認しづらく、望まない延命治療が行われる場合もあるとされる。
 政府は08年4月に、医師が延命治療などの相談を受ければ報酬を加算する仕組みを導入したが、「高齢者は早く死ねということか」といった強い批判を受け、3カ月後に凍結。10年4月に廃止された。
( → 朝日新聞 2017-08-26

 延命医療には賛否両論がある。
  ・ 莫大な費用がかかる割に効果が少ないので、廃止するべきだ。
  ・ 廃止しようとすると、「死なせるな」という反発が出る。


 立場が正反対なので、妥協もできない。かくて解決不可能という袋小路に陥る。
 この難題をどう解決するか? 

 ──

 そこで、困ったときの Openブログ。名案を出そう。こうだ。
 「健保の自己負担率を上げる。通常は3割(しかも上限あり)だが、これを8割ぐらいまで上げる。そのあとは、延命治療をするかどうかは、家族に委ねる。ただし延命治療をすれば、数百万円の費用を自己負担する」

 その意味は、こうだ。
 「莫大な金を、国が払うのではなく、患者本人が払う。そのことで、遺族は相続財産が数百万円も減る」

 その本質は、こうだ。
 「命が大事だ、というのなら、その負担金を自分で払って、延命医療をやればいい。やるのは自由だが、他人の金でやるべきではない。自分の金でやれ」

 ──

 そもそも延命医療というのは、健保の趣旨に合わない。健保は命を救うためにあるが、延命医療は違う。死を避けるのとは違って、単に死の時期を少し遅らせるだけだ。
 だから、健保の金でまかなうべきではない。では、誰がまかなうか? もちろん、自分自身だ。(または家族・遺族だ。)

 ──

 具体的な制度設計としては、次の方式が望ましい。

 (1) 算出式

  負担額 = 費用 × 0.8 − 100万

 たとえば、費用が 200万円なら、それに 0.8倍をかけて 160万円。そこから 100万円を引いて、60万円。これが負担額となる。
 かかった費用が 100万円以下ならば、負担額はゼロとなる。
 かかった費用が莫大になれば、その 0.8 倍に近い額が負担額となる。

 (2) 病院への報酬

 医師が「延命医療」に認定すると、それ以後の国の負担額は大幅に減るので、国としてはありがたい。だから、医師としては、「延命医療」に認定するのを、推奨するといい。その分、病院への報酬を高く支払うといい。特別加算金の形で。

 《 現状 》

 患者の家族:「延命医療をしてください。命は大切です。死なせたくないんです」(本音:どうせかかるお金はタダ同然なんだし、いっぱい医療サービスを受けた方がお得だよね。国に損をさせたって構うものか。)
 病院:「延命医療なんて、馬鹿げたことなんだけど、患者の家族が頼むのなら、拒めないな」(本音:どうせベッドも空いているから、医療収入を稼げるだけお得だな。無駄とは思うが、医療収入を得るためには、背に腹は替えられない。ま、儲かるからいいか。ぺろり。)

 《 新規 》

 患者の家族:「延命医療をすると、仕事の都合で好都合の日に葬儀を出せるのだが、しかし、延命医療をして多額の金を払うのは無理だ。金がもったいないので、延命医療はやめます」
 病院:「延命医療に認定したことで、この時点以後の医療は、患者の負担額が大幅に増える。だが、患者が得をしようが損をしようが、患者の側が勝手に決めればいい。病院には関係ない」(本音:認定したことで、特別報酬をたっぷりともらえた。とにかく今は、特別報酬の儲けだけを考えていよう。ぺろり。)

posted by 管理人 at 13:43| Comment(19) | 医学・薬学 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
病院にとっていちばん儲かるのは手術です。病院経営をうまくやっているところはいかに手術を増やすか?に心を砕いています。

高齢者医療で金が使われているのは薬価によるところが多いので、処方薬の自己負担額を増すことでしょう。
Posted by とおりがかり at 2017年08月26日 14:27
自己負担の案に反対ではないが、特段うまい方法でもない。

この案だと破滅するのが分かっていても死にそうな家族を見捨てられずに破産する家族が続出しそうだ。だけど、それを判断したのもその家族だから自己責任だね。そんな家族はあほだから破産でもなんでもして、とっとと首をつってくれ。てな感じ。
Posted by ななし at 2017年08月26日 21:58
> 死にそうな家族を見捨てられず

 延命治療の患者は、実質的にはすでに死んでいる人です。死にそうな人の末期医療とは違います。


> 破産する家族が続出しそうだ。

 延命医療の費用は、普通は月払いなので、破産するほど高額にはならないでしょう。
 たとえば1カ月 100万円だとして、払いきれなくなるまで払って、それでおしまい。払えなくなった時点で延命治療が終わるだけだから、破産にはなりません。

 問題が生じるとしたら、無担保の高利貸しを利用した場合だが、これは、こういう高利貸しを放置する国が間違っているね。問題のありかは、延命治療とは別のところだ。金融制度の問題。
Posted by 管理人 at 2017年08月26日 22:11
例えば老後資金を2000万円ためている65歳の子供が実質死んでいる親のためにそれを使ってしまうことは十分考えらる。なにしろ目の前に使える現金があるのだから。
すぐには破産しないだろうが近い将来悲惨な貧乏老人になることは容易に想像できる。

こんな問題で国の役割として重要なのは金で縛ることではなくで、延命の状態になった時に死なせる判断基準を提示すること。そして議論を広め国民のコンセンサスを作ること。(今は医者が使うための基準しかなく、国民の共通認識となっている基準はない)
後は長期的には延命状態になった時に死なせる判断ができるような教育をすることではないかな?
Posted by ななし at 2017年08月27日 08:49
> こんな問題で国の役割として重要なのは金で縛ることではなくで、延命の状態になった時に死なせる判断基準を提示すること。そして議論を広め国民のコンセンサスを作ること。

 それができれば、とっくにやっています。というか、実際にそうやったが、反対が多くてつぶされた、と引用記事に書いてあるでしょ。読んでいないの?
 自分の意見を書くときは、まずは記事本文を読んでください。特に、引用記事を。
 あなたの意見はすでに実行済みです。(ただし、つぶされた。)

 そもそも、本項の趣旨は「賛否両論があって、まとまらないのが、難題だ」ということです。
 ここであなたは、一方の意見だけを出している。これでは話が振り出しに戻るだけ。その先の展開をすべて見失っているだけ。(人の意見に耳を貸さないタイプ。)

Posted by 管理人 at 2017年08月27日 09:09
>実際にそうやったが、反対が多くてつぶされた、と引用記事に書いてあるでしょ。読んでいないの?

ホントに?国がやったのは延命治療の相談に対してお金を出すことでしょう。死なせる判断基準は提示していないし、それに対する議論が盛り上がるような取り組みもしていない。国民のコンセンサスを作ろうともしていない。死なせること対する教育もしていない。

今のままではそれこそ管理人の案も結局は「早く死ねというのか?」と猛反発されて終わりでは?
Posted by ななし at 2017年08月27日 09:47
> 管理人の案も結局は「早く死ねというのか?」と猛反発されて

 別に、延命治療をやめろ、とは言っていませんよ。私の案は単に「金を出せ」ということだけです。
 「早く死ね」ではなくて、「金を出せ」です。

 やるかどうかを決めるのは家族。それには口を挟みません。
Posted by 管理人 at 2017年08月27日 09:58
> 死なせること対する教育もしていない。

 あなたはたぶん勘違いしていると思うけど、延命医療を望む家族は、延命医療と死の概念を理解していないわけではありません。相手をバカ扱いしてはいけません。「本人はとっくに死んでおり、こんな医療をしてもまったく意味がない」ということは、たいていの人が理解しています。教育の必要などはなく、もともときちんと理解しています。

 それでも延命医療を望むのは、その方が利益が増えるからです。
  ・ 生きていると多額の年金や福祉手当をもらえる
  ・ 家族の仕事の都合上で、日取りがまずい。

 このような金銭上の理由で延命医療を望むことが大半です。愛情や無知が理由ではありません。ただの打算が理由です。
 
 「人々はバカだから理解できない」というふうに思うよりも、「人々は利口だから合理的に行動する」と思う方がいいですよ。
Posted by 管理人 at 2017年08月27日 10:17
>死なせること対する教育

私が教育と言っているのは「本人はとっくに死んでおり、こんな医療をしてもまったく意味がない」ということを教えるわけではない。そんなことは皆知っているというのはその通りだし私も理解している。
教育と言っているのは延命治療となった時に安らかに死なせることは良い事だ。それは常識だ。くらいに普遍的な価値観として共有できるくらいになるようにするということ。

>それでも延命医療を望むのは、その方が利益が増えるからです。
>  ・ 生きていると多額の年金や福祉手当をもらえる
>  ・ 家族の仕事の都合上で、日取りがまずい。

これは違うと思う。後期高齢者を入院させると分かるが医療費は確かに格安で済む。しかし日々の食事代やベッド代などいわゆるホテルコストやその他細々としたもので入院している本人が貰っている以上のお金がかかるので利益が増えるというのは理屈に合わない。やはり何か月も延命を続けるのは情が原因でそうしている人が多くいるでしょう。世の中の人がみんなお金至上主義と思わない方が良い。

日取りくらいの問題の方は管理人の案で良いかな。延命するのはせいぜい1ヶ月くらいのものだからそれは家族が負担すれば良い。
Posted by ななし at 2017年08月27日 10:55
 個室で差額ベッドにすると多額の費用がかかりますが、そうでなければ月 11万円ぐらいで済むそうです。
  → http://legend-hepper.jp/endingmovie/2016/12/08/index-4-2/

 年金を月 20万円以上もらっている高齢者は多いので、差額の分、かなり黒字となります。

 あと、「生きていると多額の年金や福祉手当をもらえるから」というのは、私の想像ではなくて、テレビで放映されていた事例のパクリです。
Posted by 管理人 at 2017年08月27日 11:22
では延命治療となった本人が年金をもらっている場合は、その年金全額を延命治療に回すようにする方法でも経済的な利得のために延命治療を続けるような家族はいなくなりますね。そのような家族は利口であり経済的なメリットが無いことをすぐに理解するでしょうから。
Posted by ななし at 2017年08月27日 14:42
お邪魔します。

>それでも延命医療を望むのは、その方が利益が増えるからです。

 そういう家族もいるのだろうけど、それが占める割合がどれくらいなのか疑問です。多くは「頭では分かっていても心が付いていかない。」ではないかと思われます。人間は自分で思っている程理性では動いておらず、感情や本能で動くものです。経済的に締め付けたところで、それで「たちまち家族の生活が成り立たなくなる」ようなものでなければ、たとえ早晩死ぬと分かっていても、「自分が命を縮めた」という自責の念から逃れる事が優先されるでしょう。それと不倫は本来「当事者間の問題」であるにも関わらずマスコミ等で取り上げられて叩かれていますし、犯罪の被害者やその家族すら中傷する輩も後を絶ちません。経済的な理由で延命治療をしなかったとすれば、「金を惜しんで親を殺した」みたいな事を言う輩は出てくるでしょうし(「延命治療の足しに」と金は出す奴はいなくても)、そういう輩が出てくれば、先の自責の念もあるため家族はただ叩かれるしかないでしょう。となれば「経済的な締め付け」が事態の改善には繋がらないのではないかと思われます。

>延命の状態になった時に死なせる判断基準を提示すること。そして議論を広め国民のコンセンサスを作ること。

これは「目の前の人間関係を超えるものを持たず、『目の前の人間に認められない人間になど価値は無い』としか考えられない」日本人に作る事は不可能と思われます。ですから「常に直接的な人間関係やその場の”空気”で決められ、当事者の内で限られた人間だけがババを引く」結果にしかならず、「国や社会全体にとってよりましな状況」などいつまでたっても実現しないのでは。
Posted by ブロガー(志望) at 2017年08月27日 16:39
私医者なんですけど、保険打ち切りの判断させられるのは勘弁して欲しいですね。
ただ延命治療は自分のお金でして欲しいのは同意。
そこで私の代案は死亡前半年間にかかった医療費は保険適応外とし遺産から引くです。これであれば機械的に処理できます。医療費は大分減ります。
Posted by ゆう at 2017年08月27日 18:43
> 保険打ち切りの判断させられるのは勘弁して欲しいですね。

 だから特別加算金をもらえるんです。
 特別加算金をもらうのがいやだったら、他の医師に任せましょう。その医師がたっぷりとボーナスをもらえるだけです。あなたはサボって、ボーナス減額を甘受すればいい。


> 死亡前半年間にかかった医療費は保険適応外とし遺産から引く

 すると延命医療がすごく増えますよ。
 例。高額な抗癌剤をたっぷりと使って、数千万円のコストを投入する。その後、3カ月後に死亡する。このあとは……
 (1)延命医療をすれば、延命医療の分だけの支払いで済む。
 (2) 延命医療がないと、莫大な抗癌剤のコストも負担させられる。
 かくて、延命医療をする方が有利になるので、延命医療が激増する。(重症者の場合は。)

 あと、医療費が多額になると不利になるので、「死にそうになったら、医療を一切受けさせずに、さっさと死なせる」という事例が多発するでしょう。これなら支払額がゼロで済むからだ。ただし同時に、死期は大幅に早まる。
 これは、「医療拒否による殺人を推進すること」に等しい。お医者さんがそんなことを言っていいの? 
Posted by 管理人 at 2017年08月27日 19:38
> 死なせること対する教育

管理人さんの意見じゃないし、本筋から外れるので恐縮ですが、こんな教育必要ですかね?
というか、教育とか完全に上から目線でこの人随分エラソーな話ですが。
人の根源的な価値観に関わるところについて、国から教育なんて受けたくないですね。
別に、延命治療に全財産投げ打ってその後の人生が貧しくても、その人がそれでいいならいいと思いますが。
いくらその後経済的に豊かであっても、その時に延命治療をせずにあきらめたことを一生気に病む人なんていくらでもいるんじゃないですかね。

> このような金銭上の理由で延命医療を望むことが大半です。愛情や無知が理由ではありません。ただの打算が理由です。

これ、そうなのですかね?
自分も特にソースがないので感覚的なものでしかないですが、やはり延命を打ち切る=自分が死を確定させるという部分が重いのでは?と思うのですが。

ちなみに管理人さんの意見の要約であると思われる、、

> 別に、延命治療をやめろ、とは言っていませんよ。私の案は単に「金を出せ」ということだけです。

この考え方については完全に賛成ですが、延命治療にもいろいろな種類があるかと思うので具体的な制度とするのは簡単ではないかもしれないですね。
ま、いきなり完璧な切り分けは難しいので、少しずつ自己負担の範囲を広げていけばよいだけかも知れませんが。
Posted by K2 at 2017年08月28日 14:28
家族が延命希望する場合医師の立場としては保険が切られる延命認定するのは難しいでしょう。とするとあらかじめ延命希望がない患者ばかりを入院させて加算金で儲ける病院が出るでしょうね。つまり延命希望がない患者は優遇される反面、延命希望する患者は受け入れ先を探すのが難しくなる。それでもいいんでしょうか。
あと私の案ですが、癌の治療費は100万円程度みたいですよ。保険認定された数千万円かかる抗がん剤があるのか知りませんがあってもレアケースじゃないでしょうか。
あと見捨てられ問題ですが、事前に十分な医療を希望すると意思表明しておけばいいだけだと思います。
Posted by ゆう at 2017年08月28日 22:34
末期ガンの老人が入院する時、家族に「どこまでの延命措置をやるか」?という確認があるようです。
最大限の延命措置(胃ろうや人工呼吸器)を望むか、どうかの覚悟がいる様ですね。
Posted by 京都の人 at 2017年08月28日 22:49
 胃ろうは延命措置ではなく、普通の治療でしょう。
 手術はごく簡単で、費用も少額。
 栄養費は、病院の食費の2倍程度。介護保険が利くので、あまり多額にはならない。
 効果は、個人差が大きいが、重症患者でなければ、存命期間は長期になることも多い。(重症患者だと、短期間で死ぬ。)
Posted by 管理人 at 2017年08月28日 23:29
胃ろうを普通の治療に含めるならば、該処置を受けた患者の中で、治癒、退院へと向かう患者の割合はどれほどなんでしょうか。

胃ろう処置を受けていいる高齢患者の家族から聞く話からは、”胃ろうは延命措置”という印象が拭えないのですが。
Posted by 作業員 at 2017年08月29日 16:36
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

  ※ コメントが掲載されるまで、時間がかかることがあります。

過去ログ