2017年08月18日

◆ 地上型イージスシステム

 地上型イージスシステムを配備しよう、と防衛省が方針を決めた。

 ──

 各紙で報道されているが、一つ引用しよう。
 防衛省は、海上自衛隊のイージス艦に搭載している迎撃ミサイル「SM3」を地上配備する「イージス・アショア」導入を決めた。政府関係者が明らかにした。北朝鮮による相次ぐ弾道ミサイル発射に対処するため、防衛能力の向上が不可欠と判断した。当初は来年度予算の概算要求に調査費を計上する方針だったが、前倒しして設計費を盛り込む。
 関係者によると、来年度予算の概算要求では米側と導入に向けた協議が必要との理由から、金額を示さない「事項要求」で計上。今年末の予算案編成時に詳細な設計費を盛り込む方針だ。
 弾道ミサイルに対応できるイージス艦を、来年三月末までに現行の四隻から五隻に増やす計画についても前倒しし、今年中に実現させる方向で調整する。
 イージス・アショアは海上に展開するイージス艦と比べて常時警戒が容易で、隊員の負担も軽減できる利点がある。日米が共同開発中の改良型迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」の搭載も可能で、迎撃可能な高度や防護範囲、命中精度も向上するとされる。
 宇宙部隊創設は、日米が弾道ミサイルの警戒監視などで使用する人工衛星を、対衛星兵器や宇宙を漂うデブリ(ごみ)から防御する狙い。
( → 地上型イージス導入へ 防衛省:中日新聞

 迎撃ミサイルなんて馬鹿げたものを、本気で導入したがっているのかな、と疑ったが、どうやら本気であるようだ。
 日本側には「迎撃システムはいくら導入してもきりがない」(政府関係者)と戸惑う声も漏れるが、防衛省幹部はこう強調する。「米国に『買え』と言われて買うものではない。必要だから買う」
( → 陸上配備型イージス導入へ 日米防衛相会談で表明見通し:朝日新聞

 ──

 しかしながら、前にも述べたように、迎撃ミサイルというのは簡単に無効化する。前出の通り。
  → 北朝鮮のグアム攻撃を阻止するな: Open ブログ

 その要点を示すと、こうだ。

  ・ 多くのミサイルの同時発射に、技術的に対応できない。
  ・ 圧倒的多数のミサイルの飽和攻撃には、数的に対応不可能。
  ・ ダミー(デコイ)ミサイルをうまく識別できない。


 これだけでも対応困難なのに、この上さらに「多弾頭化」などをしたら、(分裂後に弾頭の飛行方向が少し変わるので)ますます対応困難となる。

 ま、言ってみれば、迎撃ミサイルというのは、時代遅れの巨艦みたいなものであり、戦艦大和みたいなものなのである。出撃したとたんに、戦力として無効化するだけだ。威張っていられるのは、出陣しないときだけだ。(つまり、伝家の宝刀である。中身は錆びついていて、何も切れない。)

 戦艦大和なんていう無効な戦力のために多大な人的・物的なコストを払った日本軍の愚かさには、まったく呆れはてたが、それと同じことを、今の防衛省はやっている。技術音痴が軍を牛耳ると、とんでもないことになる、という見本だな。



 [ 付記 ]
 ただしまあ、海上配備(艦船型)よりは、陸上型の方が、コスパや稼働率は上回るだろう。その意味では、「海上よりは陸上の方がいい」とは言えそうだ。
 とはいえ、見れば見るほど、「高価なオモチャ」という感じだな。マニアが喜んで楽しむためだけにある。実戦における価値は、ほとんどゼロだ。



 【 補説 】

 「じゃあ、かわりにどうすればいいんだ? 他に手段があるのか?」
 という反発が来そうだ。そこで、困ったときの Openブログ。名案を出そう。こうだ。
 「米国が通常戦力で北朝鮮を攻撃したときには、日本が多大な戦費を出費する、と公約しておく」

 具体的には「5兆円または3割を上限に、日本が戦費を出費する」と公約することで、米国が北朝鮮を通常戦力で攻撃することを、支援する。「いつでもお気軽にやってください」という感じで。

 これは、次の効果を持つ。
 (1) 迎撃ミサイルという無効な戦力のかわりに、米軍の通常戦力全体による攻撃という、圧倒的に強力な戦力を示す。(威嚇する。)
 (2) 日本自身は戦争をしないので、憲法違反にならない。(集団的自衛権でもない。金を出すだけだ。)
 (3) いざ戦争になったら、どうせ日本はあとから出費を強いられる。勧進帳を回される。それだったら、要求される前に、あらかじめ「出します」と言う方が、ずっと宣伝効果がある。
 (4) 実際には戦争が回避されるはずなので、当然ながら、実際の出費はゼロで済む。( cf. 陸上型イージスは1基 800億円。 → 朝日新聞

 つまり、「大金を出します」と口を出すだけで、迎撃ミサイルを圧倒的に上回る効果を得る。莫大な金を出すかわりに、無料の言葉だけで北朝鮮を抑止する。

 武器よりは知恵で危機を回避するべきだ、というのが、賢者の方針だ。
 


 【 関連サイト 】

 動画






posted by 管理人 at 22:02| Comment(3) |  戦争・軍備 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
産官軍事共同体の威力は強(協)力なのであります。
つい、利権の巣窟を意識してしまいます。
Posted by 不明 at 2017年08月18日 22:41
これはランチャーとして買っておけば良い。トマホークをそのまま打てるんだから。
Posted by 通りすがり at 2017年08月19日 11:40
> これはランチャーとして

 タマなしでピストルを買っても意味があるのか……という疑問はさておき。

 トマホークなんて、それだけでは弾薬の量が足りないので、ほとんど意味がありません。次のいずれかぐらい。
  ・ 核を搭載する。
  ・ 敵の空母を撃沈する。

 どちらも日本には使い道がありません。
 戦闘機に爆撃能力を追加する方が、コスパが上です。
Posted by 管理人 at 2017年08月19日 12:12
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