2017年08月16日

◆ エアコンの連続運転は省エネか?

 エアコン(クーラー)は、付けっぱなしにする(連続運転する)方が省エネだ、という説があるが、本当か?

 ──

 これについては、実際に実験した報告がある。
  → どっちが得か、エアコン「連続運転 VS 間欠運転」
  → 夏はエアコン24時間つけっぱなしが電気代が安い? 賢く冷房費節約
  → エアコン連続運転は得か損か ?
  → エアコンをつけっぱなしにするのとこまめに入り切りするのでは、どちらの電気代が安くなるの?

 まとめて言えば、こうだ。
 「全体的な傾向としては、たしかにその通り。連続使用の方が効率的だ。しかしながら、条件によって差が出るので、常にその通りだとは言えない」

 このことは、朝日新聞の記事でも指摘されている。

 和田さんは以前、「エアコンをつけたり消したりするより、24時間つけっぱなしにしていた方が電気料金が安くなった」という投稿がSNS上で拡散されているのを見つけた。それを読んだ友人が試したところ、逆に電気料金が高くなってしまったという。
 和田さんは「その人の使い方、部屋の日当たりなどの環境、機器の種類など条件次第で変わるので、ネット情報に安易に飛びつくべきではありません」と呼びかけている。
( → 朝日新聞 2017-08-08

 要するに、ケースバイケースだ。特に重要なのは、
  ・ 不使用時間がどのくらい長いか? 
  ・ 部屋の断熱性能が十分か? 

 という二点だろう。
  ・ 不使用時間が長ければ、付けっぱなしにしない方がいい。
  ・ 断熱性能が悪ければ、付けっぱなしにしない方がいい。

 という傾向がある。


kaden_airconditioner.png


 ──

 ただし、ここで話が終わってしまってはつまらない。
 「どうして連続使用の方が省エネになるか?」
 という疑問が生じる。時間的に長い時間をかけた方が省エネになるというのは、直感に反する。

 これについて調べたところ、次の知見を得た。
 (1)いったん OFF にすると、次に ON にしたときに、冷房能力を最大化するので、電気をたくさん食う。
 (2) 一方で、室外機の性能には上限があるので、急激に冷やそうと思っても、頭打ちになる。

 つまり、こうだ。
 連続運転をしていると、エアコンは常に弱く働く。このとき、稼働時間は長いが、電力の消費量は少ない。しかも、室外機の性能は十分にあるので、効率よく冷気を生み出せる。
 いったん OFF にすると、休止中はエアコンは働かない。しかし次に ON にしたときに、エアコンは(インバーターによって)最大限に働いて、最大限に電気を食う。しかもこのとき、室外機の性能は限られているので、冷気を生み出す効率が低下する。

 以上のことは、比喩的に言えば、こうだ。
 「自動車は一定速度で運転すると、燃費がいい。一方、停止したり急加速したりすると、平均速度は同じだとしても、燃費が悪い。なぜならエンジンの効率が低下するからだ」

 本質的に言えば、こうだ。
 「冷やす能力は、どちらも同じぐらいかもしれないが、冷気を生み出すときの効率の違いが生じるので、連続運転の方が効率がいい。だから省エネになる」

 ──

 以上のことから、次のことに気づくはずだ。

 (A)
 「常に一定の指定出力(弱・中・強)を出す昔のエアコンならば、インバーター式のように《 ON にしたときに大出力を出す 》ということがないので、効率低下はないはずだ」

 こう言える。したがって、昔のエアコンならば、「連続運転の方がいい」とは言えなくなる。
( ※ ただし昔のエアコンは、もともと効率が悪いので、「常に非効率」と言えなくもない。)

 (B)
 エアコンは、どの種類でも室外機の大きさは同じであることが多いので、どうせなら小出力のエアコンの方が、室外機の能力の頭打ちになりにくい。
( ※ 逆に言えば、6畳用に比べて 12畳用のエアコンは、室外機の余裕が小さいので、連続運転に向いている。)

 (C)
 「 ON にしたときに大出力を出さない」というふうに設定する機能があることもある。メーカーによって違うが、「省エネモード」というようなモードが付いている場合だ。
 三菱の「ハイブリッド運転」、パナソニックの「エコナビ運転」というのが、それに該当するようだ。
 このモードに設定すると、「 エアコンを ON にしたときに(インバーターで)大出力を出す」という機能が働かなくなる。つまり、昔のエアコンと同様になる。こうなると、(室外機の制限で)非効率はなることがないので、無駄に電気をガブ飲みすることがなくなる。
( ※ 普通に比べて省エネになるというよりは、浪費がなくなる。プラスになるんではなく、マイナスがなくなる。)

 ただ、このモードにすると、「暑い部屋がなかなか冷えない」という問題が生じるらしい。



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 とはいえ、私の体験では、こう言える。
 「急激に冷やす必要はない。すごく暑いところから来れば、30度ぐらいでも、十分に涼しく感じる。初めは扇風機を併用すれば、十分に足りる。ゆっくり冷やすのでもいい」

 ただしこれは、個人宅の場合だ。裸で扇風機に当たる場合だ。
 一方、オフィスでは、裸になるわけには行かないので、事情は異なる。
 とはいえ、オフィスでは、どうせ朝から夜までずっと付けっぱなしだろうから、本項の話題にそぐわない。本項の話題はあくまで家庭での利用を念頭に置いたものだ。

posted by 管理人 at 22:55| Comment(6) | エネルギー・環境2 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 上の商品を見ました。(情報ありがとうございました。)
 利用者評価を見ると、これよりも下記商品の方が評判がいいようです。
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Posted by 管理人 at 2017年08月17日 07:01
普通のエアコンは200Vなので紹介されているエコチェッカでは測定できないね。電力測定システムを売っている専門業者か、分電盤を電力測定システム付(メーカは日東工業など)に替えるかが必要。
Posted by ななし at 2017年08月17日 07:49
現在販売されているエアコンは、100Vでもプラグの形状が異なるので、使えない。

エアコンは12〜14畳用あたりを境に、それ以下だと単相100V、以上だと単相200Vになる。

連続/間欠運転のどちらが有利かは、家の断熱/機密性能で異なる。よほど古い家でなければ、断熱材が入っているが、厚さ5cmのグラスウールでは薄すぎて断熱性能は高くない。ヨーロッパでは断熱・気密性能が低い家はそもそも建築できないが、日本はゆるゆるなので性能が低い。窓を換える(複層ガラスや二重窓にする)だけで、けっこう性能があがる。
Posted by 王子のきつね at 2017年08月17日 12:05
建物の熱性能次第ですよね。

断熱が悪い
→熱ダダ漏れなので、間欠運転のほうが電気代が安く済む
断熱が良い→
熱が逃げないので、つけっ放しにしていてもエアコン側で出力調整(自動間欠運転)するから電気代が安く済む

あと、コンクリート造の建物ならば、外断熱(建物の熱容量が大きい)か内断熱かで、状況が異なるでしょう。

一応わが国でも、「建築物省エネ法」によって、熱性能があまりにも悪い建物は建てさせてもらえなくなりました(規模や条件にもよりますが)。

建物の熱性能をしっかり確保した上で、「乾球温度」以外の温熱環境要素や日射遮蔽も含めて効果的に調節すれば、一番省エネなんじゃないでしょうかね。

ただ、省エネ対策は金がかかることが多いのが難点。
Posted by けろ at 2017年08月18日 22:43
雨戸を閉じたり、厚いカーテンを閉じたりすると、断熱性は高まりそう。

近ごろは断熱性を重視するせいか、窓が小さい家が増えた。これだと採光性は悪そうだ。

一方で、雨戸のない家が増えた。これだと夜間の断熱性は低そうだ。

北海道は二重窓が標準らしいが。
Posted by 管理人 at 2017年08月18日 23:49
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