EV の充電方式には、高電圧によって短時間で充電する方式と、普通電圧(三相 200V)によって長時間で充電する方式がある。だが、もっとうまい案がある。
※ 【 追記 】 で訂正あり。
──
もっとうまい案とは、こうだ。
「電気自動車のリチウムイオン電池は、低電圧の電池を直列にたくさんつなげたものだ。(たとえば日産の現行型リーフのリチウムイオン電池は、48モジュール直列で定格電圧 355V だ。) そこで、この直列の部分を二つに分割して、それぞれ元の電圧を与えれば、2倍の電圧をかけたことになる」
400V
├───────────┤
200V 200V
├─────┼─────┤
前者ならば、全体では 400V 。
後者ならば、全体では 200V + 200V で 400V 。しかも、実際に使う電圧は 200V で済む。
──
これは、うまいアイデアだと思うんだが、あまりにも単純なので、すでに考慮済みかも。
どうなんでしょうねえ。専門家が、こんなことに気づかないはずはないと思うんだが、ひょっとして、思考の盲点?
【 追記 】
コメント欄の
Posted by 管理人 at 2017年08月11日 15:56
という箇所で、否定的な結論を示しました。
(充電と出力で、回路を切り替える必要があるので)機械的な可動部がある切替スイッチを使うのが難だ、という趣旨。切替スイッチは、接触不良を起こしやすい。
──
さらに、コストの制約もある。
Posted by 管理人 at 2017年08月11日 20:53
というコメントを参照。
( ※ ただし、コストの点は、逆に取れるかもしれない。変圧器が高コストだとしても、三相 200V を変圧しないで使えば、変圧器のコストがかからないからだ。単に整流器だけで済むかもしれない。/ただしこの場合も、接点の問題は残るので、万事OKというわけではない。)
2017年08月11日
過去ログ
問題点を思考すると
「電池の寿命が短くならないか」
「切替接点の劣化による信頼性」
「電流容量設備を増大する必要性」
を思い浮かべました。
EV車が、355Vの電池を使っているとは知りませんでした。ガソリンも爆発しますが、電池の爆発はどんなものか想像できません。
電力は電流の二乗に比例するので、充電時間は4分の1になりますね。
> EV車が、355Vの電池を使っている
については「48モジュール直列で定格電圧 355V」とのことなので、1モジュールあたり7.4V だ。こんな低い電圧なので、爆発するとは思えない。
>「電池の寿命が短くならないか」
>「切替接点の劣化による信頼性」
>「電流容量設備を増大する必要性」
三相 200V のかわりに単相 100V の電源を使えば、以上はすべて解決する。(充電時間は4倍になるが。)
充電回路を切り替えるのではなく、供給電圧を低電圧に切り替えるわけ。
よく考えたら、これはあるかも。
充電時は並列で、出力時は直列だから、充電時と出力時とで、回路が異なる。それを切り替えるときに、接点の劣化があるかも。
しかしその劣化を最初から見込んでおけば、接点だけ 1万km おきに交換すればいい。ごく安価で交換可能だろう。定期点検時のチェックで済む。
……と思ったけど、ダメですね。
機械的な切替スイッチは、接触不良を起こしやすいので、排除した方がいい。
だから、EV では切替スイッチを排除するために、電気ステーションの方が高電圧の負担で複雑化するのでしょう。こっちの方がメンテは1箇所で済むので安全だから。
なかなか、うまい案というのはないようだ。
リーフの場合は
単相200Vについては”車載側の充電ユニット”で昇圧・交直変換して直流260〜410V
三相交流200Vについては”急速充電器”側で昇圧・交直変換して直流50〜500V
としてバッテリを充電してるんだ。
メーカとして充電時間の短縮を図りたいのに上記の動作となっているということは
充電電流の増加が頭打ちになっているか、交流電源側の供給電流の制約が
有るのではないかと思うんだな。
ということは、
上記の制約があるならばセルを分割して充電するとしても
充電時間は短くならないんだな。
余談
(充電電流を大きくする余地が有り、なお且つ交流電源の供給電流に余裕があるならば)
”車載側の充電ユニット”の昇圧後の電圧をより大きくすればいいだけで解決するんじゃないかな〜。
電圧を倍にすると、電流も倍になり、電力は4倍になる。すると充電時間は4分の1で済むが、システムの大きさも4倍になる。これでは個人の家庭では購入できなくなる。
価格は下記。急速充電の電力量だと、100〜200万円となる。
→ http://www.cev-pc.or.jp/kiso/juden.html
要するに、変圧器というのは、ものすごくコストがかかる。だから個人宅では小型化するしかなく、そのためには低電圧・低電流とするしかない。
技術が制約要因かと思ったら、そうではなくて、コスト(材料費)が制約要因だった。身も蓋もない話。
また、普及率の向上で増産が進むと、このような比較的単純な装置は組み立て人件費が価格に占める割合が高いので、人件費の安い海外生産で価格低下が見込めます。
さらに、GaNやSiCのパワー半導体で機械式接点ではなく半導体のSolid State Relayに採用されるだけではなく、システムLSIにできれば(開発中と思われますが)、トランジスタや抵抗を回路基板に組み込む必要も無くなり、そういう回路基板が小型モジュール化されると思われます。
この辺はあと数年で一気に変わると思われます。
GaNやSiCは今のところ日本企業が進んでいると思われますが、うかうかしてられないです。
下記の例を見ると、たいした量でもないのに、価格は 272,160 円もする。
→ http://j.mp/2hV6SRx
どうして高いのかというと、コンデンサの価格が高いせいらしい。コンデンサは、電子部品のなかでも最も壊れやすくて、短寿命。LSI はどんどん高性能化するが、コンデンサは置いてきぼりだ。
最近では、セラミックコンデンサ・キャパシタが開発されつつあるが。
現実今使われてる急速充電器は400V100Aが定格です。220V三相を整流し400Vに「昇圧」してます。
これは基本、車の定格だからですがもっと大きな理由があります。
これ以上電流値を増やしたらケーブルの取り回しが出来ぬほど太くなるのです。家庭用の20A程度をふやすというならまだわかりますが200V20A以上の別の電力契約をしなければなりません。別途工事も必要だし、実際ケーブルが太くなるのは避けられないでしょう。今までの規格を変える必要もある。
実際、急速充電器は1時間程度で終わるようには出来ていますが皆2時間位放っておくという人が多いのです。家庭用のものを考えるならともかく急速充電器には不可能なアイデアです。
まあ胴よりも柔軟性があり。電気抵抗が少なく、軽い電線が作れる物質でもあれば別ですがそんなことは不可能でしょう。本当波動などのベースメタルのほうがこれから不足する可能性があるのです。どうの代用にアルミが使えることは分ってますが重量と導電率の点ではクリアできても柔軟性となったらどうにもなりません。銀も同様、金なら大丈夫かもしれませんが重量でどうしようもないでしょう。敢えて価格についてはいいませんがね。
→ https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1490504949
──
おまけ。
> これ以上電流値を増やしたらケーブルの取り回しが出来ぬほど太くなるのです。
電流値は、急速充電器と同程度か、少し劣る程度を考えています。本文中の図を見ればわかるように、どちらも 400V です。
( ※ 本文中で、全体の図を 400V とするべきだったが、間違えて 200V と書いたので、修正しました。)