2017年08月07日

◆ 自動ブレーキと赤信号

 自動ブレーキは赤信号に対応していないが、対応するようにするべきだ。以前とは状況が変わったからだ。

 ──

 自動ブレーキは赤信号に対応する方がいい。その方が安全性が高まる。
 たとえば、「車道が赤信号状態の道路で、歩行者が横断歩道を渡っている」という状況では、歩行者を検知する以前に、赤信号を検知して、自動ブレーキをかけるべきだ。そうすれば、停止した自動車に隠れて見えなかった歩行者があっても、轢き殺すことはない。(自動的に停車するからだ。)
 このことは、前に述べたとおり。
  → 自動ブレーキと横断歩道





 しかるに、現実には、自動ブレーキは赤信号に対応していない。国交省が、その機能の搭載を禁止しているからだ。
  → 自動車の自動ブレーキ の (2)

 かくて、国の馬鹿げた規制のせいで、状況はかえって悪化している。

 ──

 ではなぜ、国交省は「赤信号で自動ブレーキ」という機能を禁止しているのか? たぶん、次のことが理由だ。
 「そのような機能が搭載されると、運転手はブレーキをかけることをサボるようになる。そうなると、問題だ」

 しかし、この論理はおかしい。なぜか? 
 たとえサボるようになっても、自動ブレーキが働く。だから、ブレーキを踏むのをサボるようになっても、問題ないはずだ。
 そもそも、「赤信号のときだけ自動ブレーキ」というのなら、問題があるかもしれない。だが、「常に自動ブレーキ」というのなら、運転手がサボろうとサボるまいと、自動ブレーキが働く。だから、状況は悪化しない。むしろ、「赤信号で運転手がブレーキを踏み忘れる」という事態で事故が起こるのだから、機能禁止の方が状況は悪化する。

 ──

 もう一つ、新たな理由が生じた。それは、昨今の「ワンペダル運転」である。日産のノート e-power や、新型リーフでは、「ブレーキを踏まずに運転する」という「ワンペダル運転」が可能となっている。
  ・ アクセルを踏めば加速
  ・ アクセルを戻せば減速(強め)

 というふうになっているので、後者ではブレーキをかけるのと同然のことになっているのだ。
( ※ モーターがエネルギー回生をして、減速方向に強い力を発生するので、これがブレーキをかけたのと同じことになる。)

 もちろん、突発的な急ブレーキの際には、ブレーキペダルを踏む必要がある。しかしそんなことは、通常の運転ではほとんど生じない。99%ぐらいの場面で、ブレーキペダルなしの「ワンペダル運転」が可能となっている。

 つまり、ここでは「ブレーキペダルを踏まない」という運転が事実上、実現しているのだ。こうなったら、「ブレーキペダルを踏むのを忘れやすくなるから」というような理屈は、もはや成立しないのだ。仮に、この理屈が成立するのであれば、「赤信号で自動ブレーキ」という機能を制限する前に、「ブレーキペダルなしのワンペダル運転」という機能を制限する必要があるだろう。(しかし、それは馬鹿馬鹿しい。)

 かくて、以上から、三段論法が成立する。
  ・ 「赤信号で自動ブレーキ」を禁止するなら、「ワンペダル運転」を禁止するべきだ。
  ・ 「ワンペダル運転」を禁止するべきではない。
  ・ ゆえに、「赤信号で自動ブレーキ」を禁止するべきでない。

 というふうになる。

 ──

 国交省はもはや、過去の馬鹿げた方針を捨てて、「赤信号で自動ブレーキ」を認めるべきだ。昔とは事情が変わったからだ。
  ・ 自動ブレーキが基本的に装備されている。(常時作動)
  ・ ワンペダル運転が普及しつつある。

 こういうふうに事情が変わっている。「赤信号で自動ブレーキ」を禁止する理由はなくなったのだ。
 国交省の規制は、「有害な規制」の典型だろう。ここにこそ、規制緩和が必要だ。



 [ 付記 ]
 「赤信号で自動ブレーキ」を検知する際、赤信号との距離を正しく認識する必要があるだろう。
 直進する自動車の前には、赤信号が一つだけでなく二つ見えるかもしれない。次の交差点と、その次の交差点。赤信号が二つならともかく、一方が赤信号でもう一方が青信号だと、判断が難しくなるかもしれない。
 このことは、特に、単眼カメラ方式だと、あり得そうだ。
 一方、ステレオカメラ方式だと、赤信号との距離はすぐに検出できるだろう。

 このことからしても、将来的には、ステレオカメラ方式が優位に立ちそうだ。単眼カメラ方式は、ますます肩身が狭くなった。

posted by 管理人 at 20:00| Comment(0) | 安全・事故 | 更新情報をチェックする
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