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日産の自動ブレーキは、ひどいものだったが、その後、改善された。前に述べたとおり。
→ 日産が自動ブレーキを改善
これで一応解決したように見えるが、実は、まだ問題があった。それは「高速では作動しない」ということだ。
実は、国交省のテストでは、高速でのテストをしていない。せいぜい 60km/h までのテストだ。しかし実際には、高速道路などで、これより高い速度でも走行する。その場合についての安全性は、国交省のテストではわからない。
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一方、原理的には、測定可能な範囲に、次の違いがある。
・ 単眼カメラ …… 数十メートル
・ ミリ波レーダー …… 100メートル以上
・ ステレオカメラ …… 100メートル以上
このことは、たとえば、ホンダのサイト で示されている。単眼カメラとミリ波レーダーの測定範囲は、次のようになる。

測定範囲にこれだけの差があるから、実際の走行では、対応できる速度に差が付く。次の記事がある。
(1)赤外線レーザー方式:
緊急自動ブレーキの作動速度は時速30kmが上限。
(2)ミリ波レーダー方式:
対象が車両であれば、時速100kmを超える速度域でも緊急自動ブレーキが作動する。
(3)単眼カメラ方式:
作動速度の上限は時速80km。高速道路では不十分。日産 ノートに採用されたエマージェンシーブレーキサポートの価格は3万8,800円に収まる。
(4)ステレオカメラ方式:
ミリ波レーダーと同様、高速域でも先行車との距離を測定できる。従って緊急自動ブレーキが高速道路などでも作動する。
( → 自動車評論家コラム【オートックワン】 )
以上からわかるように、単眼カメラ単独では、高速走行に適さない。ゆえに、
・ 単眼カメラ + ミリ波レーダー
・ ステレオカメラ
のいずれかが選択肢となる。
ただし日産だけは違う。単眼カメラだけにする。なぜ? 上の記事から推察できることは、「単眼カメラだけにすると安上がりだから」ということだろう。
なるほど。安いですね。
で、安かろう、悪かろう、というわけ。なるほど。
結論。
たったの2万円ぐらいをケチって、命をひどく危険にさらしたい人は、日産自動車の車を買いましょう。目的地に到達するのは、日産の車が最も早いですよ。
( ※ 目的地は、地獄だけど。)
【 追記 】
国交省の自動ブレーキテストは、高速域でのテストを省略している。これはひどい。きちんと高速域でのテストを実施するべきだ。そうすれば、日産の自動ブレーキだけが極端に低性能であることが判明するはずだ。(高速道路ではまともに作動しない、とわかるはずだ。)
現状では、それがテストされていない。だから、たとえ満点を取ろうと、低性能であることもあるわけだ。(日産の自動ブレーキがそうだ。)
( ※ ついでだが、対歩行者のテストも、国交省のテストはデタラメだ。別項を参照。 → 自動ブレーキと横断歩道 )
タイムスタンプは 下記 ↓
と思ったのだが、
「そんなことはもうとっくに研究済みだろう」
と思って調べてみたら、案の定、そうだった。
現在、開発中らしい。
ただし、自動車用に実用化されるかどうかは不明。というのは、コストが大幅に上昇しそうだからだ。受信部が複雑化するので、コストはすごく上がる。
ステレオカメラに比べると、とうてい勝ち目はないな。