2017年07月29日

◆ 量子テレポーテーションとは?

 量子テレポーテーションの原理を示す。わかりにくいので、初心者向けに解説する。

 ──

 量子テレポーテーションに関連する記事が出た。
  → 「量子テレポーテーション」で日本人にノーベル物理学賞の可能性大

 これを読んでも、「量子テレポーテーションとは何か」をわかっている人は少ない(ほとんどいない)ようだ。
  → はてなブックマーク

 そこで、「量子テレポーテーションとは何か?」を、初心者向けにわかりやすく説明しよう。

 ──

 「テレポーテーション」というと、物質を一瞬にして遠隔地に転送することだと思われそうだ。
 しかし、量子テレポーテーションというのは、「量子」を転送するのではない。かわりに「量子の状態」を転送する。
 これは、二つの意味で、物質のテレポーテーションとは異なる。

 (1) 物質でなく状態

 転送されるのは、「量子」そのものではなくて、「量子の状態」である。
 たとえば、A地点にある量子がそっくりそのままB地点に移動するのではない。
 A地点にある量子が消えて、同時に、消えた量子とまったく同じ状態の量子がB地点において発生する。


         A            B
  《 誤 》
         ◯ ──────────→ ◯
              移動

  《 正 》
     前:  ◯
     後:               ◯


 同一のものがA地点からB地点に移動するのではない。
 A地点で消滅したものと、B地点で発生したものは、別である。ただし、両者は量子として区別できないので、あたかも「同一のものがA地点からB地点に移動した」というふうに感じられるのである。
 このようなことは、普通の物質では成立しないが、量子については、「どの量子もたがいに区別ができない」という性質があるがゆえに、成立するのだ。
( ※ たとえば、電子はいずれも同等で、たがいに区別できない。陽子や中性子も同様。光子や中間子も同様。)

 (2) 転送でなく確定 

 「A地点からB地点に情報が移動した」
 というふうに解釈されることもある。しかし、それは誤りだ。情報は決して光速度以上では移動しない。つまり、光速度を越える速度の情報移動が起こるわけではない。
 では、何が起こるのか? 「状態の確定」である。つまり、A地点とB地点で、一瞬にして状態が確定する。このとき、「状態の確定」ということは、光速度を超える速度で起こるが、「情報の移動」が、光速度を越えるわけではない。

 ──

 以上のことからわかるのは、こうだ。
 「量子テレポーテーションとは、光速度を超える速度で量子が移動することではなくて、光速度を超える速度で量子が移動するというふうに見えることだ」


 つまり、見かけ上では、あたかも「光速度を超える速度で量子が移動する」というふうに見える(感じられる)。しかし、現実には、そうではないのだ。
 
 これは、一種の手品のようなものだ。人々は手品のトリックにだまされて、「瞬間移動」のようなものが発生したと感じられる。しかし現実には、そうではない。そのことは、種明かしを知れば、理解できるはずだ。



 【 補説 】

 もう少し詳しい話を示そう。

 上記の (1) の点については、下記で詳しく説明してある。そちらを参照。
  → 玉突きモデル

 量子論と絡めた説明もある。
  → 超球理論の基本原理: Open ブログ
  → 二重スリットと観測問題(概要)

 この両者を読めばわかるように、「量子テレポーテーション」という概念は、超球理論によってうまく説明される。というか、量子テレポーテーション」という現象そのものが、超球理論の原理と同じだ、とすら言える。

 ──

 上記の (2) の点については、超球理論の最先端の話と関連する。
 超球理論では、一つの粒子があっても、その粒子はまったく移動しない。最初から最後まで、同じ場所にある。ただし、その粒子が消滅すると、エネルギーが発生する。そのエネルギーが波となって空間全体に伝播する。そして、エネルギーが波となって伝播したあとで、そのエネルギーが到達した場所のうちの1箇所で、「波から粒子へ」という転換が起こる。
( → 超球理論の数式 4 (場の理論): Open ブログ

 たとえば、二重スリット実験では、電子銃で電子が発射され、スクリーンに電子が到達する……というふうに見える。
 しかし実際には、電子銃において電子が消滅して、スクリーンにおいて電子が発生する。ここでは「電子の消滅と発生」が生じている。そして、その両者を結ぶものは「波」である。
( ※ この波は、「エネルギーの波」であり、「確率波」なんかではない。)
 ここで注意。スクリーンにおいて電子が発生したとき、状態は確定する。この「状態の確定」は、あたりの空間全体に波及する。スクリーンにおいて(該当電子の)存在確率が1になったとき、他の場所での(該当電子の)存在確率は0になる。……このような「状態の確定」が、あたりの空間全体でなされる。これは、光速度を越えている、とも言える。
 そのことが、「量子テレポーテーション」の原理からわかるわけだ。



 【 関連サイト 】

 本項の話には、特に出典を示さなかったが、出典となるような同趣旨の話を知りたければ、下記ページを見るといいだろう。

 (1) についての情報は、下記で。
  → 中学レベルの数学で量子テレポーテーションを理解してみよう | ガジェット通信 GetNews
  → 量子テレポーテーション - Wikipedia
  → Quantum Teleportation 量子テレポーテーション

 (2) についての話(「状態の確定」についての話)は、「量子もつれ」(量子エンタングルメント)という用語を使って説明することもできる。下記を参照。
  → 量子もつれ - Wikipedia
 
posted by 管理人 at 23:14| Comment(0) | 物理・天文 | 更新情報をチェックする
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