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北朝鮮のミサイルが問題視されている。中国が北朝鮮に圧力をかけることを、トランプ大統領が期待してきたが、この方針は失敗しつつある。中国は「百日で北朝鮮向けに対処する」と約束したが、その約束は反故にされたからだ。
結局、中国は北朝鮮に圧力をかけないので、北朝鮮のミサイル開発は止まらない。トランプ大統領の方針は破綻した。
では、どうすればいいか?
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ここで、困ったときの Openブログ。名案がある。
まず、基本原則は、こうだ。
「中国が言うことを聞かないのなら、中国に圧力をかける」
この方針を取る。そのあと、具体策として、これまでは次の方針が選択された。
「中国への貿易制限。中国からの輸入品に課徴金をかける」
これは、たとえば鉄鋼などで取られる政策だが、どうも、あまり効果がないようだ。
・ 米国への鉄鋼輸入では、中国の比率は小さい。
・ 雑貨品やIT製品だと、米国民が困る。
こういう問題がある。また、そもそも、次の根源的な問題がある。
「米国は中国との間で、大幅な貿易赤字だが、それはつまり、ドル札と中国商品との交換だ。ただのドル札を印刷して渡すことで、現実的に多くの商品を得る。紙切れを渡すことで、品物を得る。これは錬金術みたいに、一方的に得をすることだ」
実は、紙幣ではなく、米国国債を渡している。そのことで、将来の借金は増えるのだが、それでもいいと言って、中国はどんどん品物を輸出してくれる。これほどありがたいことはない。だから、米国としては、貿易赤字を維持した方が得なのだ。逆に、それが成立しないと、大幅なドル安となるので、米国民は、ドル札や国債を渡すかわりに、せっせと働かなくてはならない。それではしんどい。だから、貿易赤字の解消は、本当はやりたくないのだ。
というわけで、「対中貿易赤字の削減」という方法は取りにくい。では、かわりに、どうすればいいか?
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そこで、Open ブログが名案を出す。こうだ。
「中国が最もいやがることをする。つまり、《 一つの中国 》論を捨てて、台湾と外交関係を結ぶ」
これは、1円もかからない。単に外交手続きをするだけだ。また、西側諸国としても、特に何らかのメリットがあるわけではない。
しかし中国としては、これを最もいやがる。何が何でも避けたがる。だからこそ、この政策が妥当なのだ。
ちなみに、中国がこれをいやがっていることは、次の記事でも明らかだ。
(台湾の与党の)蔡氏は決定的な対立を避けるために独立論は封印し、代わりに「現状維持」など遠回しの表現を使ってきた。
しかし、中国は「未完成の答案だ」と受け入れず、中米パナマなど台湾と外交関係のある国と国交を結んで断交に追い込んだり、世界保健機関(WHO)総会から台湾を締め出したり圧力をかけている。
( → 朝日新聞 2017-07-23 )
中国はあの手この手で、台湾を国際的に排除したがっている。それが現状だ。
とすれば、その中国が最もいやがることを、西側諸国はやればいいのだ。「相手の最もいやがることを やる」という方針で。
[ 付記 ]
ただし、このことは、1国だけでやっても無効だ。その国が中国から断交されてしまって損するからだ。たとえば、中国や英国が1国だけ断交されると、中国への輸出が困難となり、大損する。
そこで、西側諸国としては、一致団結することが必要だ。
「G7 や G20 などの、すべての国が一致団結して、中国に対抗する」
というふうに。これならば、中国に圧力をかけることができる。
かくて、中国に圧力をかけることで、北朝鮮との貿易を止めて、北朝鮮の経済に打撃を与えることができる。こうして、北朝鮮のミサイル開発をストップできる。
しかも、そのためには、費用は1円もかからない。単に台湾との外交関係を結ぶだけだ。
もちろん台湾とのさらなる関係強化は悪くありませんが、一足飛びに国交回復は過剰に中国を刺激することになるでしょう。
現実には「国交回復するぞ」という動きを見せた時点で、中国が譲歩して、北朝鮮への制裁に踏み切るでしょう。「やるぞ」と公約したことを実行するだけだから、別にメンツがつぶれるわけでもない。
国交回復は、ブラフのカードであって、実行には至らないでしょう。
こういった発言を散発的に繰り返すということでしょうか?もう一歩踏み込んでもいいような気がします。
むしろ中朝接近というヤブヘビになりかねません。
中国の北朝鮮への対処は中国にとって所詮は口約束に過ぎませんが、「ひとつの中国」は世界秩序の第一原則レベルの事項ですよ。
アメリカも米中国交樹立のとき以来、形式上は「ひとつの中国」を承認しつづけてきました。
台湾有事危機は昔のはなしではなく90年代後半にもあったことです。実際、有事に発展しないまでもアメリカをはじめとした諸国は多大な軍事リソースを台湾海峡に割かれることになり、力の空白地帯で想定外の事態が起きかねません。
あまりに冒険主義的です。
そう思うのなら、北朝鮮がミサイル開発して核ミサイルを米国に飛ばすのを、容認するしかありませんね。
私はそれこそが絶対に許せいないことだと思ったが、それよりも中国のご機嫌伺いが重要だと思うのなら、もはやアメリカは中国と北朝鮮に屈服するしかない。
ま、中国と北朝鮮は、そう思っているからこそ、あくまで強気なんでしょうけど。「アメリカがおれたちに逆らえるわけがないさ」と。
彼らが狂気的な方針を取るのは、彼らが狂人だからだというよりは、西側があまりにも軟弱で屈服する以外の道を選ばないから。
タカ・ハト・ゲームについては、前にも論じた。
http://openblog.seesaa.net/article/435849770.html
http://openblog.seesaa.net/article/450375437.html
これからわかるように、いつまでも屈服を続けると、最終的には屈服できなくなったところで、大戦争が発生する。米中全面戦争になるかもしれない。
それよりは、小規模なところで、屈服をやめて対決した方がいい。小規模な対決ならば、小規模に解決するので、大戦争にはならない。台湾の承認ぐらいで、大戦争になるはずがない。それに引き替え、ダラダラと現状のような譲歩を続けると、ついには……
と本気で思っている方はいないはずです。
北朝鮮にとって何も何も得るものがないからです。
北朝鮮のアメリカへの脅しは、アメリカへの単なる呼びかけ(懇願)です。
ただし、金一族が追い詰められて、自暴自棄になれば別ですが・・・
ましてや、日本を標的にすることなんてありえません。
(BBC:
北朝鮮で2001年以来最悪の干ばつ 子供に危険=国連)
[English]
http://www.bbc.com/news/world-asia-40669026
[Japanese]
http://www.bbc.com/japanese/40678351
ミサイルを打ち込まれたくなければ食料を出せ。と恫喝してきそうです。
全てのミサイルと核開発事業を食料と交換してやってもいい。という兵糧攻めも大陸から支援されて効果が出ませんね。
国民の蜂起による領主のすげ替えと新規国王の帰還という筋書きしかないのかもしれません。
> と本気で思っている方はいないはずです。
そうじゃなくて、核攻撃能力を持つこと自体が許しがたいわけです。相手にブラフのカードを許容することになるから。
イランが核能力を持つというだけで、米国がどれほど神経質になっているかを、考えるといいでしょう。
→ http://www.asahi.com/articles/ASK5Q5FJFK5QULPT00B.html
一方で、最近では、餓死者が出ているという記事も。
→ https://news.yahoo.co.jp/byline/kohyoungki/20170710-00073122/
農業以外ではいくらかまともになりかけているが、農業では深刻な状態だ、ということかな。