2017年07月19日

◆ ふるさと納税が続く理由

 ふるさと納税は愚行だが、止まらない。その理由は? 官僚は反対しているのに、官房長官がゴリ押しするせいだ。

 ──

 ふるさと納税は愚行だ。これは「合法的な脱税」とも言えるもので、一部の富裕層ばかりが得をして、大多数の国民は損をする。
  → ふるさと納税は合法的な脱税

 さらに、いろいろと弊害もある。前にも何度か述べた。
  → サイト内検索

 このような問題だらけの税制は、まともな頭のある官僚ならば、とうてい受け入れられないはずだ。なのにどうして、こんなものを推進するのか? 
 謎だ、不思議だ、と思っていたら、舞台裏を明かす記事が出た。
 実は、官僚は反対して、政府上層部に具申した。ところが、それを受けた菅官房長官が、握りつぶしたのだ。
 2014年末。菅義偉官房長官は目の前で「反対」を繰り返す総務官僚に苦言を呈した。
 案件は、菅氏が総務相時代に導入を決めた「ふるさと納税」だった。地方自治体に寄付すると減税されるものだが、菅氏は寄付を増やすため、減税額の上限を倍増させることや手続きの簡素化を求めていた。
 「大変なことになりますよ」。対応策が不十分なまま拡充すれば高額な返礼品で寄付を呼び込む自治体間の競争が激しくなり、高所得者にとって事実上の節税対策になる――。総務官僚はそう繰り返したが、菅氏に退けられ、拡充策は15年4月から導入された。
 ふるさと納税を担当していた局長は次の人事で本省からいなくなった。「菅氏は『文句を言いたければそのときに言え』というが、本当に言ったやつはクビになる」。当時を知る関係者はいう。
 「本当は制度そのものを見直すべきだが、そんなことを言い出せるわけがない」。ある官僚は首をすくめる。
( → (官邸主導のゆがみ)「文句言えばクビになる」:朝日新聞 2017-07-19

 つまり、ふるさと納税という愚劣な制度は、内閣官房長官の方針なのだ。首相の許可も得ているはずだから、安倍内閣の方針だとも言える。
 加計学園のような愚行を続ける政府だから、その愚行の一環として、ふるさと納税もあるわけだ。
 そして、官僚はそれを止めることができない。「もの言えば唇寒し」だからだ。独裁政権では当然のことだが。

 かくて、謎の理由はわかった。利口が愚行をするのは不思議だが、愚者が愚行をするのは不思議でも何でもない。特に、独裁政権であれば、愚行を止めることもできない。止めようとした人は次々と追放される。……そういうことだ。



 [ 余談1 ]
 中国でも、似た事情にある。

 中国の習政権では、習主席を揶揄する画像が検閲される。
 さらには、最近では(プーさんだけでなく)ジャイアンの画像まで検閲されているそうだ。
 《 ジャイアンも中国で検索不能 習主席に似てるから? 》
 中国内のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)上で「くまのプーさん」が検索できなくなり、ネット上で騒ぎになっている。表情や体形が似ていると言われる習近平(シーチンピン)国家主席のイメージを守るためとみられるが、ネット上では「プーさん粛清運動だ」「あまりに度量が狭い」と批判する声が出ている。
 その後、「こっちも似ている」とドラえもんのキャラクター「ジャイアン」(中国名・胖虎(パンフー)=太った虎の意味)が出回った。空き地に友人を集め、無理やり下手な歌を聴かせる画像が投稿されたが、18日にはジャイアンもほぼ検索できなくなっている。
( → :朝日新聞 2017-07-19

 参考リンク:
  → 中国のネットで「くまのプーさん」が検閲される
  → 画像

 [ 余談2 ]
 日本も中国も、どっちもひどい独裁政権。
 その根源は、どちらも民主主義が成立していないことだ。
 日本の民主主義が成立していないことは、「一票の格差」によって説明される。
  → 一票の格差 参院は 3.066倍 衆院は 1.955倍
 この格差がなければ、これまで何度も政権交代があったはずで、その場合には日本の歴史は大幅に変わっていただろう。

 [ 余談3 ]
 ちなみに、この問題は米国にも当てはまる。選挙制度の歪みのせいで、票数の少ない候補が大統領に当選したことが2度あった。次の例だ。
  ・  民主党 ゴア > 共和党 ブッシュ(子)
  ・  民主党ヒラリー > 共和党 トランプ

 いずれも、民主党候補の方が票数は多かったが、選挙制度の歪みのせいで、共和党後方が大統領になった。それによる歴史の違いは、あまりにも大きなものとなった。
 特に、子ブッシュがイラク戦争を始めたことは、中東を激変させ、IS やシリア難民などをもたらして、欧州では(移民流入から)英国の EU離脱という結果までもたらした。選挙制度の歪みが、これほどにも大きな歴史の違いをもたらした。トランプに至っては、これから何が起こることやら。とりあえずは、地球温暖化条約からの離脱という問題を引き起こしたが、このあと、TTP 離脱の影響なども出てきそうだ。

 ただのふるさと納税の話だと思っていたら、「独裁政権による歴史の大変化」という話題に飛んでしまった。

 [ 余談4 ]
 官房長官はどうして、馬鹿げたことをやりたがるのか? その理由は、「票の買収」である。
 「お金を上げますよ。それは自民党のおかげですよ。だから自民党に投票して下さいね」
 という買収。その資金を、国税とするわけだ。国税を使った買収。……これが続くのは、これにだまされる国民が多いから。


wana_money_man.png

お金につられて罠にかかる人のイラスト



 
posted by 管理人 at 19:19| Comment(5) | 一般(雑学)4 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
菅がここまで『ふるさと納税』にこだわるのは何故でしょうか?
何かしらの利権でもあるのでしょうか?

菅の選挙区は横浜なので、自身の利権にはあまり関わってこないように思われますが。。。
Posted by 反財務省 at 2017年07月20日 20:58
 「自民党のおかげで金をもらえる」
 と思わせれば、票が得られる……という田舎の原理を、都会に当てはめようとしたもの。金による買収。都会ではそれが成立するわけではないのだが、そういう発想が身にしみついている。
Posted by 管理人 at 2017年07月20日 22:26
野党とのチキンレース(ばらまき合戦)だから、というのが理由です。
旧民主党が政権をとろうとしていた(そして成功した)ときも小沢一派がふるさと納税のさらなる拡充を訴えていましたから。

Posted by 通りがかり at 2017年07月21日 10:38
 民進党は、ふるさと納税に少し批判的であるようです。

 「ふるさと納税の返礼品の在り方について、地方財政への影響も踏まえ、見直しを行うべきである。」
  → https://www.minshin.or.jp/article/110630

 自民党は拡大方針だが、民進党は縮小維持みたいですね。
Posted by 管理人 at 2017年07月21日 12:20
制度的にいつでも終える事ができ、かつ笛吹けども踊らず制度でもなく、地方経済の活性化に繋がる仕組みとしては成功したのではないか。
これよりも、公平な現実的に機能しそうな地方経済の活性化策があれば越したことはない。
Posted by gunts at 2017年07月24日 07:50
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