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老朽化した古い橋を撤去する、という動きが進んでいる。朝日新聞の報道。
《 老朽橋・トンネル、進む撤去 》
老朽化した危険な橋・トンネルの存在が各地で判明し、撤去などの動きが加速している。国と自治体への取材では、2014年度に全国で始まった点検で、今年4月までに340カ所が補修や撤去など緊急措置の必要があると判定され、うち73カ所が撤去されたか撤去予定だった。財政難にあえぐ自治体が補修などで維持することを見送るケースが目立つ。
アンケートでは、約4割の自治体が今後、利用頻度の少なさや財源不足などから橋・トンネルを減らしていく可能性を示唆しており、自治体が、管理してきたインフラを手放す動きが本格的に始まったことがうかがえる。
( → 朝日新聞 2017-07-17 )
《 橋の撤去案、戸惑う住民 「買い物も迂回」 》
人口減や財政難に直面している地方の自治体では維持が難しくなっている。だが、利便さが奪われかねない住民には深刻で、撤去か維持かをめぐって意見が割れるケースもある。
和歌山県田辺市にある「秋津橋」を撤去するか存続させるかをめぐり、住民と市の意見が割れている。
…… 秋津橋だ。長さ60メートル、幅5・6メートルで、建設は1971年。橋脚のコンクリートの一部がはがれて鉄筋がむき出しになっており、「落橋の可能性がある」(市土木課)とされた。現在は通行止めになっている。
川を挟んだ両岸には約160戸の農村集落が広がり、市によると、通行止めになる前は1日に2千台の車が橋を通っていた。近くの橋まで約150メートル。市は「撤去しても利便性はそれほど落ちない」と地区住民に理解を求めた。
一方、地区住民は、修繕を求める要望書と署名簿を真砂(まなご)充敏市長に提出。地区長の山口五十公(いずみ)さん(65)は「日常的に使っていた橋で必要不可欠。無くなれば集落どうしで行き来しにくくなる。スーパーに行くにも迂回(うかい)しなければならない」と戸惑う。
( → 朝日新聞 2017-07-17 )
修繕には巨額の金がかかる。
一方で、住民が修繕を求めるのは、もっともだ。「近くの橋まで約150メートル」というのは、自動車にとっては何ともない距離だが、自動車を使えない人にとっては長すぎる距離だ。特に、徒歩や自転車の人。(高齢者を含む。)
あちらが立てば、こちらが立たず。困った。どうする?
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ここで、困ったときの Openブログ。名案を出そう。こうだ。
「 修繕は簡単な修繕に留めて、コストを圧縮する。その一方で、自動車についてのみ通行止めにして、歩行者と二輪車については通行可とする」
その意味は、次のことだ。
(1) 「橋脚のコンクリートの一部がはがれて鉄筋がむき出しになっており」ということから、現状の放置はできない。
(2) 現状とは何かというと、「通行止めになる前は1日に2千台の車が橋を通っていた」ということだから、大量の自動車の通行だ。
(3) だから、「大量の自動車の通行」を禁止すればいい。(安全のため。)
(4) 一方で、歩行者や二輪車は、橋への負担が少ないので、通行可とすればいい。
(5) 台風などで洪水が起こったときには、別途、通行止めにすればいい。(橋が水で流される可能性があるので。)
(6) 自動車については 150メートル先にある、隣の橋を使ってもらえばいい。
これで、すべては解決する。
その方法は、「場合分け」だ。「一律の禁止 or 許容」というのでは問題が生じるから、通るものの種類を区別することで、危険なケースのみを排除して、安全なケースを許容する。これで、「一律禁止」という愚を避けることができる。
「場合分け」という発想ですね。
本項は、「論理的思考をすれば問題の解決が可能だ」という一例。
[ 付記1 ]
「そんなの無理だぞ!」という反論を出したがる人もいそうだ。しかし、無理ではない。その証拠に、すでに一部は実現済みだ。(本項を書いたあとで気づいた。)
下記の動画の一部では、次の記述が見られる。(1:10)
「車両通行止め / 歩行者・原付・自転車を除く」
[ 付記2 ]
「すでに実現済みなら、そんなアイデアは誰でも思いつくような平凡なアイデアだ!」
と思うかもしれない。まあ、そうかもね。
だけど、朝日には、その記述がない。「撤去か、高額で改築か」という二者択一しか報道されていない。そこで、「別の方策もありますよ」と示すのが、本項だ。
ま、税金の無駄遣いの対策だ。

仮に「現状では」人道橋としては十分な構造強度があることが分かったとして、放置していれば鉄筋の腐食膨張でクラックが進展し、更に内部まで水分や酸素が浸透して鉄筋の腐食が進むため、使い続けるためにはやはり補修が必要です。補修には腐食した鉄筋を完全にはつり出して研磨洗浄し、防食塗装を施した上でモルタルで保護する必要があります。そしてそこまでするのであれば、本来の車道橋としての構造強度を担保できる補修と費用は変わりません。
撤去か補修かの二者択一になってしまうのは、こうした技術的な背景があるためです。なお、管理人様の主張を参考に敢えて第三の道を探すとすれば、現在の橋は撤去した上で新たに人道橋を設置するというのも一案です。補修よりは工費も将来の維持管理費も安くなるはずです。
これはそのとおり。表面を被覆する必要があります。
> 補修には腐食した鉄筋を完全にはつり出して研磨洗浄し、防食塗装を施した上でモルタルで保護する必要があります。
これは、前半は必要ない。一部だけならばその方法でもいい(費用も少ない)が、範囲が広いのなら、外側からグルグル鉄筋で捲いて、コンクリを重ねて、橋脚全体を太くする方がいい。軽い重量に耐えればいいだけなので、表面処理さえすれば十分。
なお、鉄筋よりも、アラミド繊維の方がいいかも。
→ http://bit.ly/2tapOg6
全体としては、
・ 表面の被覆補修
・ 一部の欠損部の強化
だけで足りるでしょう。
重量負担が減るので、橋脚の太さや強度は少なめでいい。