2017年07月12日

◆ 豪雨の被害を減らすには

 豪雨の被害がかなり増えている。これへの対策は? 

 ──

 九州北部の豪雨の被害は、予想以上に大きくなった。本項執筆の時点で死者 27人、行方不明 20人。行方不明の大半が土砂に埋もれている死者であると見込まれるので、死者は最大で 50人ぐらいになりそうだ。これは熊本地震の死者(地震の直接死者)の総数(50人)と同程度である。
 熊本地震墓なり大きな自信だったのだが、それと同程度の被害が生じたことになる。

 今回の豪雨は「数十年に一度」とも報道された。しかしながら、これは地域ごとの頻度であるから、日本全体で見れば、毎年のように同程度の被害が生じている。
  → 「数十年に一度」の意味(ウェザーニューズ)

 実際、これに類する豪雨の被害は、次の二つの例もあった。(昨年の例。)
  ・ 岩手県の豪雨被害
  ・ 鬼怒川の豪雨被害


 本サイトでも、それぞれについて、次の項目で論じた。
  → 2016年 台風 10号の被害
  → 鬼怒川の氾濫はなぜ?

 ──

 さて。このように大きな被害が頻発するからには、対策が必要だ。では、どうすればいいか? 

 まずは現実を知るために、被害状況を確認しよう。





 これらからわかるのは、次のことだ。
 「氾濫による建物の被害が出ているが、被害が大きいのは、川のすぐそばだけである。川から離れたところでは、床下浸水や床上浸水ぐらいの被害はあるとしても、命に関わるような被害は生じていない」


 ここから、次の結論が生じる。
 「川のすぐそばでは居住制限するべきだ」


 そもそも、川のすぐそばなんていうのは、ダイナマイトの隣のようなもので、住むには不適だ。危険極まりない。こういうところに住むことは禁止するべきだ。

 これに対しては、反論が出るかもしない。
 「引っ越しをするにしても、そのための土地がないぞ」
 というふうな。しかし、都会ならいざ知らず、こういう谷間のような鄙びた地方では、空地はいくらでもある。ちなみに、Google マップでは、こうだ。





 川沿いの土地を拡大表示すればわかるが、田畑になっている土地がたっぷりとある。こういうふうに土地はありあまっている。だから、いくらでも引っ越しは可能だ。

 ──

 実は、上の話は、前にも書いたことがある。岩手県の豪雨の被害があったときも、今回と同様の被害が生じたので、そこで同じように提言したのだ。項目名も、そのものズバリだ。
  → 川沿いの危険地は居住制限せよ (2016年09月01日)

 ただし、ここでは、「居住禁止」について、かなり甘い許容をしている。一部抜粋しよう。
 危険地域を指定したとして、実際に居住制限がかかるのは、どの家か?
 個人の住む自宅を「居住禁止」にして追い出すのは、さすがにまずい。この点は、あくまで自己責任でいいだろう。危険とわかっていて住みたければ、その自由はある。愚行権の行使だ。自殺する権利とも言える。
 一方、自分でなく他人を危険にさらす行為は、禁止するべきだ。特に、介護施設や病院や幼稚園などは禁止するべきだ。
( → 川沿いの危険地は居住制限せよ

 ここでは個人については制限を緩めて、「愚行権の行使」という言葉で許容している。
 しかし、今にして思えば、これは甘かった。「愚行権の行使」を認めたせいで、50人の命が奪われる結果となったのだ。その損失はあまりにも大きすぎる。
( ※ 昨年の岩手の場合には、介護施設で死者が出たので、そちらにばかり着目していた。個人の被害については、危険の認知が甘かった。)

 今回の北九州の死者を見ても、その大多数は高齢者である。高齢者ならば、「今の自宅からは引っ越したくない」という人が多いだろう。「今の自宅から引っ越すくらいなら、死んだ方がマシだ」と思う人が多いだろう。そして、そのせいで、まさしく 50人の命が奪われる結果となったのだ。
 「死にたいやつは勝手に死なせろ」
 というふうに放り出すには、あまりにも被害が大きすぎる。

 とはいえ、強制的に立ち退きを強要するのも、問題があるだろう。
 では、いったい、どうすればいいのか? 

 ──

 私としては、次のように提案したい。

 (1) 半強制

 「強制的な立ち退きは強要しないが、それに近い形で、半強制的に立ち退きを推奨する」
 具体的には、次のような形。
  ・ 危険地域では、未成年者は居住不可。
  ・ 危険地域には、高額の課税。
  ・ 課税で得た収入で、避難小屋を大量に設置する。


 一般に、被害が生じるのは、川のすぐそばだ。川から30メートルぐらい離れると、ちょっとした高台みたいなところがあって、洪水被害を免れそうだ。だから、そういうところに、避難小屋を設置するといい。どの家からも1分間以内でたどりつけるように、大量に設置する。また、避難小屋は、1世帯に1軒ぐらいにする。
 たとえば、プレハブの避難小屋を 100万円で建設する。そのための費用は、10万円×10年 の分割払いとして、その分、高率課税で徴収する。

 (2) 避難訓練の義務化

 台風が来たり、降水量が多かったりしたら、避難小屋に避難する……という訓練を、毎年、4回ぐらい実施する。
 この際、遠隔カメラによって、避難が実施されたことを確認する。
 ある人が避難を実行しなかったら、その人は、「避難能力欠如者」として認定して、現住所への居住を禁止する。

 ……以上の(1)(2) のような形で、居住禁止に近い形で、立ち退きを半ば強要するといいだろう。とにかく、このくらい厳しい形でないと、死者の大量発生を防ぐことはできない。
 それが今回の「死者 50人」という大被害の教訓だ。
posted by 管理人 at 22:11| Comment(5) |  地震・自然災害 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
じゃあ東京や大阪などの都会はどうしたらよいでしょう?
例えば東京下町の川沿いの低地など。
Posted by 通りすがり at 2017年07月13日 07:42
東京の水害については、すでに何度も述べたので、サイト内検索をすれば、すぐに見つかります。

http://j.mp/2tOmxEm
Posted by 管理人 at 2017年07月13日 07:59
引っ越し先の土地を見つけやすい田舎の地域では、「川のすぐそば(危険な場所)は居住制限すべき」は、人的被害を防ぐ方法として大変有効と思います。

 過疎地の公的サービスを維持しにくい場合での、地方都市周辺への引越しなども、同じように誘導(ある程度は強制)できればよいと思います。

 危険が理由で引越しした後の空いた土地は居住禁止なので、資産価値は大きく下がり、たいていの場合は0円になると考えられます。
 引越しにはお金がかかりますが、元の居住地を売って引越し費用にするのはまず無理でしょう。

 元の居住地を国か自治体が買い取るような仕組みが必要と思います。しかし、危ない所や不便な所に住んでいる人をみんなで(みんなのお金、税金の支出)で助けてあげようというような、意識が一般にならない限りは実際にはできないように思います。

 現在利用価値のない土地は、個人が自治体に寄附しようとしても、引き取ってくれない場合が多いとの新聞記事を見た記憶があります。
 土地を無料での引き取りもしてくれないのに、土地の買い取りなどはとても無理でしょう。

また、自治体の中には、危険な地域を把握していても、その地域住民の同意がないので、公表できない、などの例があると新聞で読んだ記憶があります。
 まずは、地域住民の同意がなくても危険地域を公表する仕組みが必要と思います。
Posted by ishi at 2017年07月13日 09:16
土砂災害防止法

 調査結果に基づき、知事が関係市町村長の意見を聴いた上で、土砂災害のおそれがある区域を土砂災害警戒区域に指定する。
 住民に著しい危害が生じるおそれがある区域を土砂災害特別警戒区域に指定。

 自己用以外の住宅又は要配慮者利用施設(配慮を要する者が利用する社会福祉施設、学校及び医療施設) 建築を目的とした開発行為を行う場合は、知事の許可を受ける必要がある。
 居室を有する建築物は、建築基準法により損壊を防ぐための建築確認を受ける必要がある。
 著しい危害が生じるおそれがある建築物の所有者等に対し、建築物の移転等の措置について知事は勧告する。

 法律はあるのですが、それが有効に活用されていないのでしょうか。
 
Posted by ishi at 2017年07月13日 09:30
金持ちは台地(良地)へ貧乏人は低地(悪地)へという
過去の遺物が、先祖代々という風習のもとに
頑なに守ろうとする人がいるということ
国の森林開発の悪い面がずっと残りつづけていること
広葉樹林を伐採して針葉樹林に変えてしまった
写真をみれば一目瞭然、堆積してる樹木は
杉や檜の針葉樹ばっかりだろ
Posted by 田舎者 at 2017年07月13日 13:34
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