2017年06月28日

◆ スキーバス事故・最終報告

 スキーバス事故については、送検の処分が出た。これで区切りが付いたようだ。

 ──

 要旨は下記。
  ・ 基本原因は、運転手の未熟さ。
  ・ そんな運転をさせた社長が悪い。書類送検。
  ・ 政府は対策として、規制を大幅に強化した。
  ・ ただしその規制は、不十分なところもある。


 詳細は下記。
  → 社長ら指導怠った疑い バス事故:朝日新聞 (有料記事)

 無料の記事(簡易版ニュース)は下記。
 死亡した土屋廣運転手(当時65)が、現場手前の下り坂で、ギアチェンジの操作ミスをしたことで、エンジンブレーキなどが利かないニュートラルの状態になった疑いがあり、フットブレーキも十分踏み込めなかったことが事故原因だと結論づけたことが、捜査関係者への取材でわかりました。
 さらに、バスを運行していた東京のイーエスピーの社長と運行管理担当の元社員は、死亡した運転手が「大型バスの運転は不安だ」と話すなど、重大な事故を起こす可能性があると予測できたのに、大型バスの運転技能を十分確認せずに乗務させるなど、適切な指導を怠っていたこともわかりました。

( → 長野 スキーバス事故 バス会社社長らを今週にも書類送検へ | NHKニュース

 県警は大型バスに不慣れだった土屋広運転手(当時65歳)の操作ミスが事故原因とし、高橋社長らについても、運転手の技術が未熟と把握し事故を予見できたにもかかわらず、適切な指導監督を怠ったことが事故を招いたと結論付けた。
 捜査本部の車両検証では、バスのギアはエンジンブレーキの利かないニュートラルだった。実験の結果、高速の状態でシフトチェンジ操作を誤るとニュートラルに入ることが判明しており、運転手が操作に慣れていれば事故を回避できた可能性が高いとみている。
 捜査本部は、土屋運転手が採用面接で「大型バスの経験は少ない」などと話していたにもかかわらず、高橋社長らが運転経験や技術が十分かどうか確認せず、実車訓練も1回で済ませたことが事故につながったと判断したとみられる。

 国交省安全政策課によると、83項目のうち主な再発防止策は、貸し切りバスの事業許可に更新制を導入▽バス事業者を巡回指導する民間機関を今夏に設立▽法令違反の厳罰化−−など。
 2000年に新規参入の規制が緩和されて以降、全国の貸し切りバス事業者は約4500社まで急増し、運輸局の職員らだけでは監査が難しくなっているのが現状だ。このため国は監査要員を増やすとともに、今夏から全国10ブロックごとに設立される民間機関と連携し、監査態勢を強化する。
( → 長野・軽井沢のスキーバス転落:書類送検 指導怠り、ずさん管理 遺族、厳罰訴え - 毎日新聞

 土屋運転手は二〇一五年十二月の入社前、主に小型や中型バスを運転し、入社面接で「大型バスは苦手」と説明。荒井元社員が県警に「土屋運転手は大型バスに不慣れと社長に報告していた」と供述したことなどから、高橋社長にも事故の予見可能性があったと結論付けた。
 一方で会社が実施した研修は長野のスキー場まで運転させた一回のみで、事故を回避する対応を怠ったと判断した。

 国土交通省は事故後、再発防止策の一つとして、努力義務としていた運転手の実技訓練を見直し、新たに採用した運転手に二十時間以上の訓練をするよう義務付けた。しかし経験の浅い運転手を雇って育成するバス運行会社などからは不十分との声が上がる。
 「三、四回訓練しただけの運転手に安心して命を預けられますか」。担当者は「二十時間では技量向上につながらない」と指摘する。
 元運転手の男性(58)も、四十人以上乗せる大型バスを安全に運転するのは習熟が必要として「研修は最低でも二十日は要る」と語る。
( → 東京新聞:軽井沢バス事故 社長ら3人を業過致死傷容疑などで書類送検:社会(TOKYO Web)

 規制は大幅に強化されたが、まだ規制は不十分だ、ということのようだ。



 [ 付記 ]
 朝日の記事(有料版)から、規制に関する箇所を抜粋しよう。
 未熟な運転手がハンドルを握るのを防ぐため、国土交通省は道路運送法に基づくルールを改正。運転手が、直近1年間に乗務していない車種に乗る場合、実技訓練を受けさせるよう、昨年12月からバス会社に義務づけた。 新たに運転手を雇う際には、車種ごとの運転経験を申告させ、台帳に残すルールも設けた。今年12月以降、ドライブレコーダーの映像を使った全運転手への指導も義務化する。
 監査体制も強化され、国交省は担当者を今年度から 54人増員。年度内に、業者の安全対策を調べる覆面調査も始める。 ペナルティーも厳しくなった。安全に関する違反が悪質な場合には、事業許可を一発で取り消せるようにした。業務改善に応じない業者への罰金は……
( → 社長ら指導怠った疑い バス事故、書類送検:朝日新聞 2017-06-28

 他にもいろいろと規制強化の内容が記されている。詳しくは有料版の記事を見てほしい。

 ともあれ、小泉改革の「規制緩和をすれば何でもいい」という方針は、安全性を無視した愚策だったということで、一転して、(安全性について)大幅な規制強化の方針が取られたわけだ。
( ※ けっこう頑張った。ただし現場からは、「まだ不十分だ」との声も出ている。上記。)



 【 関連項目 】

 スキーバス事故については、これまで何度も論じてきた。下記で見つかる。
 → サイト内検索



 【 関連サイト 】
 動画






posted by 管理人 at 19:19| Comment(0) | 安全・事故 | 更新情報をチェックする
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