2017年06月26日

◆ ティラノサウルスの羽毛説は否定された

 「ティラノサウルスは羽毛に覆われていた」という説があったが、否定された。

 ──

 これは次の報道だ。詳しくは下記記事を読んでほしい。
  → ティラノの体、やっぱりウロコ? 羽毛説を覆す研究結果:朝日新聞

 一部抜粋すると、次の通り。
 大型肉食恐竜ティラノサウルスはやはり、映画「ジュラシック・ワールド」に登場したように、ウロコに覆われていた――こんな研究成果を豪州や米国などの研究チームが英専門誌に発表した。
 当初はウロコに覆われていると考えられていたが、白亜紀前期に中国にいたティラノサウルスの祖先にあたる、小型恐竜ディロングが羽毛を持っていたと2004年に発表。12年には大型の仲間で全長9メートルのユウティラヌスにも羽毛の証拠が発見、全長 10メートル級のティラノサウルスも羽毛が生えていたとする説が高まっていた。
 ところが今回、米国の博物館にあるティラノサウルスの化石を調べると、首と腰、しっぽの周りが細かなウロコで覆われていた。

 新たな結論の理由は、最後の一段落だろう。

 ──

 なお、上のことだけなら、特に本サイトでいちいち紹介するほどのこともない。いちいち紹介する理由は、次のことだ。
 「ティラノサウルスに羽毛があった、という説を、私は前に否定した。『羽毛があったはずはない』と。そして、その私の説が、今回まさしく確認されたわけだ」


 つまり、「私の言った通りだぞ」と、ドヤ顔したいわけだ。 (^^);

 なお、私の説は、下記項目で述べた。
  → ティラノサウルスと羽毛 2


 上記項目から一部抜粋すると、次の通り。

 「羽毛と鱗(うろこ)は、どちらも皮膚の角質が変化したものである。羽毛と鱗の両者が同一の種において生じるはずがない 。羽毛なら羽毛、鱗なら鱗、そのどちらかであるはずだ。では、そのどちらか?
   …………
 ティラノサウルスは、後者に属するので、鱗だ。鱗があるから、羽毛はなかったはずだ」

 鱗があれば、羽毛はありえない。ゆえに、羽毛はなかった、と推定できる。

 ここでは、「羽毛か鱗か、二者択一だ」という前提の上で、「鱗だ」と主張することで、「羽毛はなかった」という結論を得ている。
   ※ 詳細は、上記項目を参照。


 要するに、いちいち化石などを見なくても、論理的な推論だけで、「鱗であるから羽毛ではない」という結論を得ることができるのだ。
 
 そして、その論理的な推論が、まさしく正しかったということが、今回は化石から明らかになったわけだ。
 化石も大事だが、化石よりも論理によって、真実ははるかに早く見出されるのである。



 [ 付記1 ]
 なお、記事では、次の趣旨の話もある。
 「体温保持の点から、小型恐竜では羽毛があるといいが、恐竜が大型化するなかで、羽毛は不要になったし、羽毛があると体温が上がりすぎる」
 しかしまあ、こんなことなら、とっくにわかっていたことだ。今さら理由とするのも変だろう。この点は、特に考慮する必要はあるまい。(というか、「初歩的常識」として最初から考慮済みだ。)

 [ 付記2 ]
 ティラノサウルスに羽毛があった、という説は、ひところは大いに支持を得た。
 これはどうしてかというと、「鳥は恐竜だ」という主張が大々的に支持されたせいで、「恐竜は鳥だ」という(逆順の)主張までもが人気を得たからだろう。かくて、ティラノサウルスを含めて、「あれもこれも鳥だ」「あれもこれも羽毛を持っていた」という主張が支持を集めるようになった。一種のブームである。
  ※ 鳥貴族 が流行るようなブームかもね。

 ただし私は、このブームに批判的だった。「鳥は恐竜だ」という主張を否定した。
  → 鳥は恐竜か?

 要するに、恐竜の系統上に鳥がいるからといって、「鳥は恐竜だ」ということにはならない。「鳥は恐竜の子孫だ」とは言えるが、分類項目までも一致することにはならない。
 分類学者は、近年、進化論にとらわれるせいで、系統ばかりを重視する。そのせいで、やたらとおかしな分類基準を取るようになる。分類と系統とを混同してしまっている。

 ちなみに、あらゆる生物は、単細胞生物(微生物)の子孫だが、だからといって、「哺乳類は微生物だ」とか「魚類は微生物だ」ということにはならない。また、同様の理由で、「哺乳類は魚類だ」ということにもならない。近年の分類学者の分類は、あまりにも奇妙奇天烈なのである。(「哺乳類は微生物だ」なんて主張は、気違いレベルだとも言えそうだ。)

 ともあれ、こういう馬鹿げたブーム(みたいなもの)のせいで、「恐竜は鳥だ」という主張が支持を得て、そのあげく、「平のサウルスは鳥だ。だから羽毛をもつ」なんていう馬鹿げた主張が大々的に支持を得たわけだ。
 で、そのあと私は、それを批判したが、あまり支持されなかった。しかし今回、私の批判が正しかったことが判明したわけだ。

  ※ 詳細を知りたければ、前出項目を参照。
     → ティラノサウルスと羽毛 2 (再掲)




 【 関連サイト 】

 冒頭では朝日の記事を紹介したが、似た記事が別にある。
  → ほらやっぱりね!ティラノサウルスは羽毛でなくウロコで覆われていたことが判明(オーストラリア研究) : カラパイア

 英文記事もある。
  → Google 検索結果
 
 ここで「このページを訳す」というのをクリックすると、各ページの和訳を見ることもできる。



 【 関連動画 】



 《 注記 》

 この動画では、「鳥の羽毛」みたいな羽毛を否定しているが、これは妥当ではない。「ティラノサウルスは羽毛に覆われていた」という説では、「羽毛」は、「鳥の羽」みたいなものではなくて、ボア状のものである。(ダチョウの羽毛みたいな。)
 下図を参照。


feather.png

  《 羽毛の発達史 》( Wikipedia から。)


 その解説は下記。
  → 鳥の羽の進化

 ボア状の羽毛についての説明もある。
  → 恐竜の翼の性淘汰説
  → 走鳥類の羽毛と足

 
posted by 管理人 at 22:56| Comment(0) | 生物・進化 | 更新情報をチェックする
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