2017年06月25日

◆ 加計学園と論理判断

 加計学園について論理判断すると、面白い結論が得られる。

 ──

 朝日の編集委員の意見があるが、面白いので、紹介しよう。
 加計学園についてだが、
 「総理のご意向」なんてなかった、どんな文書で示そうと、そんなものはまったくない。そういうことらしい。
 であれば話は早い。まず文部科学省は「総理のご意向」があると誤解して出してしまった決定を取り消す。加計学園の獣医学部新設への手続きを、あらためて原則に立ち返ってやり直す。なにせ「忖度(そんたく)」すべきものはない、と「官邸の最高レベル」が繰り返しているのだ。
( → (日曜に想う)歴史への思い入れ、記録への軽蔑 編集委員・大野博人:朝日新聞 2017-06-25

 なるほど。感心した。相手の弁明を逆手にとって、論理で覆している。

 これについて、特に解説することはない。


abeshusho.png


 ──

 さて。ついでに私見を足せば、以下の通り。

 安倍首相は、「自分の関与がなかった」と言い張りたいらしい。また、菅官房長官は「総理の関与がなかった」と言い張っている。
 しかしながら、本当にそうであれば、(忖度による)「部下の勝手な誤認を取り消す」という形で、加計学園を「認可取り消し」(または白紙に戻す)というふうにするはずだ。
 しかるに、実際には、そうしていない。加計学園を「認可する」という現状の方針を突き進めようとする。

 これはすなわち、安倍首相自身の意向が「加計学園を認可する」というものであった、ということだ。
 したがって、部下の取った方針(忖度)は、安倍首相の意向に反するものではなくて、まさしく安倍首相の意向に沿ったものであったことになる。
 忖度があったことの有無が問題なのではない。忖度が安倍首相の意向に沿っているか否かが問題なのだ。そして、まさしく「忖度は安倍首相の意向に沿っていた」と認定できる。その理由は、現在、安倍首相が加計学園の問題で取り消しをしていないことだ。
 かくて、加計学園の不正は、まさしく「首相の不正」であったこと(部下の暴走ではなかったこと)が、明らかとなる。

( ※ 忖度の有無が問題なのではなく、忖度が首相に合致していたかどうかが問題となる。)

( ※ 下記の [ 付記 ] を参照。安倍首相自身は、新方針を出して、従来の方針を踏襲・拡張している。だから、「総理のご意向」がなかったということはあり得ない。)



 [ 付記 ]
 上記の推奨(「認可取り消し」「白紙に戻す」)とは正反対の方向を、安倍首相は打ち出した。
 《 首相 獣医学部新設 さらに認める方向で検討 》
 安倍総理大臣は神戸市で講演し、国家戦略特区での獣医学部の新設について、獣医師会からの要望を踏まえ、まずは1校だけに限定して特区を認めたことが国民の疑念を招く一因となったとして、獣医学部の新設をさらに認める方向で検討を進める考えを示しました。
( → NHKニュース

 自分のやったことは正しいことだから、その正しいことを拡大する……という趣旨らしい。
 これについては、はてなブックマークで批判が出た。
kmiura 皿を割ったのをごまかすために台所の皿を全部割るとか、ごまかしたことにならんのだが阿鼻叫喚ではある。人を殺したのを隠すために戦争をおこす、といってもいいかも。
( → はてなブックマーク

 これは正面からの批判だし、ごもっともと言うしかない(私私も同じことを思った)が、論理的には、次のように指摘できる。
 「1箇所だけでなく他の箇所にも認めるとしたら、加計学園だけに限定する、という当初の方針と論理矛盾する」

 そもそも、最初は「京都と今治の双方で新規申請」という見込みがあった。だったら双方を受け付ければよかった。なのに、あえて「今治だけに限定」というふうに制限を入れたのが、首相官邸だ。(それが今、問題視されている。)
 かつては自分で(2から1に)限定しておきながら、今になって(1から無制限に)限定をはずそうとする。呆れるばかり。自分が何をやっているか、わかっていないようだ。

 かくて、目先で取りつくろおうとするばかり。だから長期的には、前後で矛盾してしまう羽目になる。どうやら、
 「そもそも何のために許認可という制限があったのか」
 という原理すら理解できていないようだ。

 もしかしたら、
 「何でも規制緩和すれば良くなる」
 と思っているのかもしれない。だが、そういう規制緩和主義が何をもたらしたかは、次の実例からもわかる。
  ・ 司法試験改革で、司法志望者の供給過剰
  ・ バス事業の改革による劣悪化で、スキーバス事故


 民間についてはさんざん「規制緩和」と言っている。
 一方、肝心の自分たちの選挙制度については、知らんぷり。不平等な制限を取り入れて、自民党にばかり圧倒的に有利な制度を構築しておいて、少数の得票で3分の2の多数を得ようとする。そのひどさに、呆れるばかり。

posted by 管理人 at 08:10| Comment(16) | 一般(雑学)4 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 最後に [ 付記 ] を加筆しました。
 タイムスタンプは 下記 ↓
Posted by 管理人 at 2017年06月25日 10:23
1)我が国は、忖度王国の中国や北朝鮮と似ているようですが、その実は、首相や官房長官によって否定されているところでありまする。
2)同様に、特区制度も主に上記国においてのみ使われている制度でありますが、これは一転突破全面展開を目指す重要な制度でありまする。
また、上記国家では1)や2)を利用して一部の方々が不正蓄財をなさっているようですが、我が国では全くそのようなことはありませぬ。

長期にわたる権力は必ず腐敗するとの原則に基づいて、民主主義国家が建設されたのですが、我が国は例外的にそのようなことはありませぬ。
Posted by 不明 at 2017年06月25日 14:05
> 首相や官房長官によって否定されているところでありまする。

 まあ、首相や官房長官が堂々と嘘をついているのが問題だ、というのが、本項の趣旨なんですけどね。

> 長期にわたる権力

 自民党政権は長いんだけど、個々の首相の在任期間は短いことが多い。安倍政権(第二期)でさえ、まだ5年になっていない。5年以上の長期政権が多く見られる欧米諸国に比べると、非常に短期間の政権交代が続いていると言える。
 腐敗する時間もなかった、ということかも。

 とはいえ、「お友達への便宜」という点では、韓国の大統領の腐敗とそっくりだ。自己の蓄財ではないにしても、それに近い。
 森友や加計学園にそれぞれ 10億円をプレゼントして、そのあと、首相を引退してから、10億円の一部を分け前として還元してもらう予定なのかもね。そう考えれば、納得がゆく。
Posted by 管理人 at 2017年06月25日 16:35
安倍政権のボロが次々と出てきました。

菅が安倍を見限り、麻生に寄り添うのも時間の問題かもしれませんね。
Posted by 反財務省 at 2017年06月25日 17:39
もう半年もこんな事やって、
何も解明していないなんて…
これから、どうなっていくんでしょうね?
Posted by 風来坊 at 2017年06月25日 23:45
何でも規制緩和すれば必ず良くなる、とはもちろん思いませんが、逆に岩盤規制を温存すことが必ず正しいとも思えません。獣医学科については(特に西日本で)確かに足りないらしい、となれば京都も作りたかったが、獣医学会や文科省の反対を抑えて前に進めるために1校に絞る妥協をしたのが中途半端で誤解を招いた、という安倍総理の発言も論理的には理解できます。これも野党が安倍総理追及に固執するばかりに「岩盤規制に穴を開けるのは問題ではない。安倍の友達だから特別な忖度をしたのが問題」と言ったのを「逆手にとって論理で覆えしている」のだとも理解できます。野党に協力していた「抵抗勢力側」は逆手に取られて慌てているでしょう。私は大学への天下りなどを直に見ていて、文科省が一番腐っていて、文科省の根本的改革が一番必要なんじゃないかと考えるので、この件に関しては安倍総理側を応援しているので、偏っているかもしれませんけど。
Posted by dawn at 2017年06月27日 00:25
> 足りないらしい
> 獣医学会や文科省の反対

 矛盾しているでしょ。「獣医学会や文科省の反対」は「足りなくない」という趣旨の反対です。
 要するに専門家がみんな「足りている」と言っているのに、素人の安倍総理だけが「足りない」と言っている。こんな暴走が通るなら、官僚制度は崩壊して、ただの(愚者による)独裁政治になる。
 本当に「足りない」のなら、国会審議や新議会などで、正式ルートで変更すればいい。なのに、「官邸の最高レベルの意向」という忖度(?)だけでやる。
 あまりにもデタラメすぎ。


 しかも総理は、同趣旨の方針をずっと否定していた。「足りないから増やす」ではなく、「私はまったく関与していない」と言っていた。
 これじゃ矛盾でしょ。……この件、本項の[ 付記 ]で述べた通り。

 ──

> 反対を抑えて前に進めるために1校に絞る妥協をした

 これは事実誤認。
 文科省の反対はあったが、「特区で認める」という方針を安倍首相が作った。ところがその後に「特区で認めるのは今治だけで、京都は排除」という制限を加えた。これもまた安倍首相。
 自分では規制緩和(特区)と言っていたのに、その舌の根も乾かないうちに、「特区で認めるのは今治だけ」というふうに強力な制限を入れた。矛盾。
 規制緩和という口実がいかにデタラメかがよくわかる。
 わからない人もいるけどね。

 ──

 なお、「足りている」という件は、次の記事で示されています。
  → http://www.asahi.com/articles/ASK675G6KK67UUPI00C.html

 数は十分に足りている。しかし遍在があるので、地方の公務員では足りない。その解決のためには、地方の公務員獣医師の給料を上げればいい。なのに、(一部の)足りないところで増やそうとする代わりに、全体の総量を増やそうとする。てんで見当違いのことをするわけ。

 何で馬鹿げたことをするかというと、利権のため。
  → http://openblog.seesaa.net/article/451015889.html
Posted by 管理人 at 2017年06月27日 06:16
>安倍首相は、「自分の関与がなかった」と言い>張りたいらしい。
>しかしながら、本当にそうであれば、(忖度に>よる)「部下の勝手な誤認を取り消す」という>形で、加計学園を「認可取り消し」(または白>紙に戻す)というふうにするはずだ。
⇒関与がなかったことを主張するために、誤認を取り消す必要性はないでしょう。何故なら、誤認しようがしまいが、安倍総理には何の関連もないためです。却って取り消しすることこそ、関与があったことになります。従って、そのロジックは誤りです。
Posted by F12 at 2017年07月26日 20:16
> 取り消す必要性はない

 騒動がなければ、取り消す必要はないが、騒動があったのだから、「不公正ではなくても公正ではないので取り消す」というふうにするのが常識でしょう。
 
 例。都知事がA社から賄賂をもらって認可をA社に与えた、という強い疑惑があったなら、その認可を取り消して、ゼロベースで やり直すのが当然。あえてA社にこだわり続ける必要がない。国民の大半が反対していることを、ゴリ押しする方がおかしい。

なお、森友学園とセットで考えるべき。こちらは不正が判明しつつあります。検察が手を入れている。本日の NHK ニュースを参照。

  http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170726/k10011075411000.html
Posted by 管理人 at 2017年07月26日 20:54
>そもそも、最初は「京都と今治の双方で新規申請」という見込みがあった。だったら双方を受け付ければよかった。なのに、あえて「今治だけに限定」というふうに制限を入れたのが、首相官邸だ。(それが今、問題視されている。)
⇒官邸は1校だけの制限を設けてはいないです。石破4条件という制約は入っていましたが、その制約は今治だけに限定するものでないとの民間委員の意見があります。
https://www.youtube.com/watch?v=jtZyqqNpaOw
(全録)加計学園・獣医学部新設 有識者が会見 その1
Posted by PPAP at 2017年07月28日 01:15
>例。都知事がA社から賄賂をもらって認可をA社に与えた、という強い疑惑があったなら、・・・
⇒この例では疑惑があったなら、調査をするが常識でしょう。賄賂罪は刑法ですので、推定無罪の法則から、強い疑惑があるからといって、公正でないと決めつけるのは誤りです。従って、ゼロベースでやり直すのは誤りです。

今回の件では、様々な問題が発生しています。総理の友人を優遇したという疑惑(様々な調査や聞き取りにより、疑惑は晴れつつありますが)以外に、例えば「獣医師会の圧力により、1校に限定した」疑惑があります。こちらは刑法ではないため、推定無罪の法則が成立せず、疑惑が強くなれば、貴方の論理通りにゼロベースでやり直すことになります。つまり、「1校で限定することを白紙に戻す」のは貴方の論理からすれば正しいと思われます。
Posted by F12 at 2017年07月28日 02:02
> 官邸は1校だけの制限を設けてはいないです。


 朝日新聞ぐらい読んでくださいね。一昨日の新聞記事だって、「京都には情報を与えず、加計学園だけに事前に情報をいろいろ与えた。そのせいで京都は申請できなかった」という趣旨で報道されているでしょ。
(正確には「両方に情報を与えた」という大臣答弁が嘘だった、という趣旨。)
   http://www.asahi.com/articles/DA3S13057728.html

 不都合な情報をあれこれと廃棄したり、都合の悪い記憶をすべて「記憶にございません」と答えたり、嘘をついてばかりいることは明白なんだが。

 他にも、「広域」という条件をつけたことや、京都にだけは事前情報を与えずに、「短期間で書類を全部用意しろ」と注文をつけて、京都は準備不足で申請できなくなったり……と、証拠はいっぱい上がっている。

> 総理の友人を優遇したという疑惑

 「総理の友人」ではなくて、「今治市と加計学園」です。ついでに「森友学園」も含まれる。「個人的な友人であったから」という点については、あまり議論されていません。単にこの二つを優遇したかどうかだけが議論されている。状況証拠は、ほとんど真っ黒です。

Posted by 管理人 at 2017年07月28日 07:42
http://www.asahi.com/articles/DA3S13057728.html
⇒この記事からいえることは山本氏の答弁の確認が内閣府は取れないということに過ぎないです。山本氏が内閣府を介さずに連絡をした可能性があります。そこから、大臣答弁が嘘であるとするのは論理に飛躍がありますね。さらにそこから官邸が1校だけという制約をしたとするのは妄想の域です。

>「広域」という条件
⇒広域という条件では京産大が外れることはないと民間議員が指摘しているので、それは制約条件とは言えないです。前回上げた動画を見てね。
一方で京産大の記者会見では若干不利に感じたとはあったそうですね。

>京都にだけは事前情報を与えず・・
⇒京都産業大学自身が記者会見+質疑で、開設の時期が京産大外しにつながってないと主張しています。
記者会見全文
http://www.twitlonger.com/show/n_1sq1vm4?new_post=true

また官邸が意図的に準備不足に持って行った証拠を私ことPPAPは知らないです。もしあれば教えてもらえると助かります。

一方で文科省は京産大に対して異なる対応をしていたとする新聞が東京新聞から出ていますね。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201707/CK2017072702000134.html
官邸はわかりませんが、文科省の官僚様方はサボタージュした可能性はあるかもしれないですね。
Posted by PPAP at 2017年07月29日 00:08
>状況証拠は、ほとんど真っ黒です。
⇒以下の小野寺議員の質疑を聞けば、官邸側の状況証拠は
 ほとんど真っ白に見えます。
 むしろ、前川氏以下の官僚達が、勝手に自分たちの都合よく思い込み(忖度し)、
 それを確認もせず(確認ぐらいしましょうよ、どこの大学出てるんですかね(笑))、
 獣医学部新設を邪魔したり、1校だけに絞ろうとしたりと、彼らの杜撰な知能が際立ちます。
 https://www.youtube.com/watch?v=sco_AWenwRA
Posted by F12 at 2017年07月29日 23:22
 まあ、意見は多様だから、「真っ白だ」と思う人がいてもいい。けれど、世間の大半は疑惑を抱いています。ゆえに、内閣支持率が暴落。
 ちなみに、世論調査でも、「首相は潔白だ」という方向の意見を持つ人は、1〜2割はいるようです。そういう人がいてもいい。

 ちなみに、該当の動画の文字起こしを見ました。
  → http://hamusoku.com/archives/9613488.html

 まあ、ネトウヨは、こういうのを見て、「自分たちは勝った」と思うんでしょうね。「第二次大戦で日本は勝った」と主張する人がいたのと同様だ。
 私としては、相手をしたくない。議論が成立しないのは自明。
Posted by 管理人 at 2017年07月29日 23:33
>まあ、意見は多様だから、・・
⇒それはその通り。現段階では官邸に対して疑いを持っている人たちは
 多いと思います。それが支持率の大部分の影響なのかはわかりません。
 因みに私は官邸ではなく、官僚に対して疑いを持っています。

>まあ、ネトウヨは・・
⇒知的レベルの高くない人間は、意見の異なる人間に対してレッテル貼りをして、勝ち誇る
 方々もいるみたいです。少なくとも私は別に安倍総理を擁護したいつもりはありません。疑問がわくだけです。
Posted by F12 at 2017年07月30日 00:05
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