2017年06月24日

◆ 都立高校の受験資格の緩和

 都立高の受験資格が緩和された。方針はいいが、そのときの論理がおかしい。

 ──

 本項では、「論理がおかしい」という話をする。方針としては正しい政策が取られたのだが、その方針を取る論理が狂っているせいで、おかしなことになっている。


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 話題は、「都立高校の受験資格の緩和」だ。新たに次の方針が取られた。
 《 都立高の受験資格、一方の保護者が転入でOK 》
 東京都教育委員会は、来年春の受験生から都立高校への応募条件を緩和し、都外から受験する生徒の一方の保護者が転入できない場合でも、やむを得ない事情があれば全日制高校の出願資格を認める。これまでは一家で都内に転入しなければ出願できなかった。
 都教委によると、これまで全日制の都立高校に応募するためには、入学日までに一家で都内に転入し、入学後も保護者と同居し、都内から通学することが条件だった。「保護者」は、父母のどちらか一方がいない場合はもう一方、双方いない場合は後見人を指すが、離婚・死別していなければ「父母両方」とされ、2人と同居する必要があった。
 ただ、この条件だと仕事や介護などの事情で、保護者のどちらかが都内に移れない生徒は出願することができなかった。
 今後は出願時に「同居できない理由」を書面で提出してもらって資格を判断し、在学中も住所を確認するなどの方法を検討する。
( → 朝日新聞 2017-06-24

 この方針は、政策としては妥当だ。とはいえ、論理としてはおかしい。
 なぜか? 次のことが考慮されていないからだ。
 「夫婦が別々の県に住んでいる場合には、どの県の公立高校にも入学できなくなる」

 この点は、東京都の新たな方針でも同様だ。「同居できない理由」が十分に妥当であると認定されないと、都立高校に入学できなくなる。かといって、他の県の公立高校に入学できるかというと、そうでもない。結局、どの県でも公立高校に入学できなくなる。……これはおかしい。親の都合で、子供の「教育を受ける権利」が奪われるからだ。

 ──

 この問題を避けるには、次のようにすればいい。
 「高校の受験者は、どの県の公立高校を受験するかを、自分で一つだけ選ぶことができる。それを出身中学で確認・保証する」


 これなら、親がどの県に住んでいるかは関係ない。子が自分の望む県を一つだけ選んで、その一つの県で公立高校の受験資格を得る。これなら、必ず一つの県で公立高校を受験できるし、しかも、複数の県で受験する重複は避けられる。(中学が重複をチェックして、重複しないことを保証する。)

 これこそが、論理的に正しい方法だろう。



 [ 付記 ]
 「受験する県を一つだけ選ぶことができる」
 と述べたが、ここでは、選択は無制限ではない。たとえば、千葉県や神奈川県の生徒が無制限に東京都の都立高校を受験できるわけではない。居住地による制限はあっていい。
 ただしそのことは、本項の話題ではないので、軽く言及しておくに留める。
( ※ こういうのは余計な話だが、いちいち書いておかないと、コメント欄で文句をつける人が出てくるので、あらかじめ注釈しておく。)
posted by 管理人 at 20:10| Comment(0) | 一般(雑学)4 | 更新情報をチェックする
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