2017年06月18日

◆ IT時代の格差拡大は?

 現代では貧富の格差が拡大しつつあるが、これにはITが影響している。では、どうするべきか?

 ──

 話が ずれるが、最初のテーマは、これだ。
 「 AI は職を奪うか?」


 現代では、アルファGO みたいな人工知能が発達してる。IBM の医療診断システムは、人間の医師以上の能力があるらしい。
  → IBMのWatsonは癌の診断能力が人間の医師よりも優れている ?
  → IBMのWatson、わずか10分で難症例患者の正しい病名を見抜く
  → IBM THINK Watson - 「もはや人智、人力を超えた世界」
 このままだと、どんどん人間のかわりを果たすようになるかもしれない。
 
 ──

 さて。これをもって、AI やロボットなどの機械について、
 「 機械が人間の仕事をするようになると、人間は仕事を奪われて失業する。地獄だ」
 という懸念がある。

 一方で、その逆に、
 「 機械が人間の仕事をするようになると、人間は遊んで暮らせるようになる。楽園だ」
 という期待もある。

 地獄と楽園。そのどちらが正しいのか? 

 ──

 正解はこうだ。
 「資本家は機械を使って、機械に働かせることができるので、遊んで所得を得る。楽園だ」
 「資本家以外は、金がないので、機械に働かせることはできない。従って、機械といっしょに働くことしかできない。下手をすると、機械のメンテ係となるので、機械の下僕(女中みたいなもの)となる」

 実は、これは、不思議ではない。百年以上前に、マルクスが喝破していた。
 「資本家は(資本を使って)不労所得を得る」
 というふうに。
 たしかに、その通り。資本家は、資本を出して、株を得る。あとは、その資本を使って、経営者と労働者が生産する。資本家は配当金を受け取る。……これが資本主義だ。
 で、その「投資」の先が、普通の機械や土地や建物ではなくて、AI になることもある。それだけのことだ。
 つまり、
 「何もしないで遊んで暮らせる」
 というのは、AI が発達したころになってできるのではなく、百年以上も前から、そうであったのだ。資本家というのは、そういうものだ。

 ──

 さて。ここで最初の問題に戻る。
 「現代では、貧富の格差が拡大しつつある」
 こういう現状がある。

 これは、次のことを意味する。
 「資本家はIT技術を使って、ますます富むようになる。一方、労働者は、技能労働がITによって無効化され、単純労働ばかりがやたらと増えるようになった。そのせいで、低賃金労働者ばかりが増えるようになった」

 これはどういうことか? 「労働者の賃金全体がいっせいに下方シフトしている」のではなくて、「高所得労働者の職がどんどん減っていき、低所得労働者(単純労働者)の職がどんどん増えていく」ということだ。と同時に、労働者への支払いコストが減ることで、資本家の所得はどんどん増えていく。
 これがIT時代の所得格差の根源だ。

 ──

 では、この問題を、どう解決すればいいか? 簡単だ。この問題は、マルクスの時代から発生していたし、解決方法も、マルクスの時代から知られていた。こうだ。
 「労働組合を結成する」


 つまり、下記の動画と同様、「万国の労働者よ 団結せよ」ということだ。


インターナショナル




    ♪ いざ戦わん〜 奮い立て いざ〜

 労働者が団結して、労組を結成すれば、ストライキを通じて、賃金上昇を招くことができる。それが正解だ。

 正解はわかっている。なのに、実行できない。なぜか?
 IT時代には、人々が孤立化して、団結力をなくしてしまったからだ。以前は「人と会話をすることが苦手だ」という人が話題になったが、今では「電話をすることすら面倒だ」という人が増えてきた。それほどにも、人々の孤独化・孤立化は、進展しているのだ。
  → 「電話がイヤ」で会社辞める若者 - Togetterまとめ

 ──

 では、どうすればいいか? そのための解決策はないか?
 ここで、「困ったときの Openブログ」と唱えれば、たちまち名案が浮かぶ。こうだ。
 「ネット時代に孤立化が進むこと自体は、どうにも避けがたい。しかし、ネット時代には、団結もまたネットで可能となるのだ」

 つまり、ネットによって団結すればいいのだ。具体的には労組をネット化すればいいのだ。
 これと似た例はある。それは「クラウドファンディング」だ。これは「ネットによる資本家の集積」というふうに見なせる。それと同様に、「ネットによる労働者の集積」をなせばいいのだ。
 簡単に言えば、「労組のネット化」である。

 ところが、これはあまり進んでいない。
 いちおう、労組のネット化は、それなりにはある。
  → 全国個人加盟インターネット労働組合ジャパンユニオン
  → 労働組合のインターネットへの掲示 | 労働組合対策相談室

 とはいえ、労組のネット化 をネット検索しても(ぐぐっても)、見つかるのは上記のページぐらいで、あまり有効なページは見つからない。
 要するに、個別の企業では、労組のネット対応はきわめて遅れている。これは、労働組合に、IT能力があまりないせいかもしれない。
 また、IT企業では、社員にはIT能力はたっぷりとあるのだろうが、社員の方に「労組意識」というものが欠けているようだ。
 結局、「IT知識」と「労組意識」の双方をもつような労働者団体は、ほとんどありもしない、という状況だ。
 ここが根源だろう。だからこそ、労働者の低賃金下(貧富の格差の拡大)は、なかなか解決しないわけだ。

 ──

 とはいえ、「何をなすべきか」という正解は、本項で示された。実現はできていなくとも、たどるべき道は明らかにされた。
 この道を実際にたどるかどうかで、未来は決まる。
  ・ 労組のネット化が進む   → 未来の所得格差は縮小する
  ・ 労組のネット化が進まない → 未来の所得格差は拡大する


 そのどちらになるかは、人々自身(労働者自身)が決めることだ。



 [ 付記 ]
 ちなみに、私の予想は、後者だ。つまり、こうだ。 
 「労働者の関心は、アニメだけだ。人々は団結せず、アニメばかりを見て、喜んでいる。かくて、たいていの人々は所得を失い、その分、ごく少数の資本家はガッポガッポと儲かる。

 資本家としては、万国の労働者を団結させないためには、労働者をアニメ漬けにしてしまえばいいのだ。「けいおん!」や「響け! ユーフォニアム」でも見せておけば、労働者はすっかり骨抜きになるはずだ。




 逆に言えば、労組が「響け! ユーフォニアム」みたいなもので勧誘すれば、労組は勝てるんだが。(現実には、その逆で、センスの悪いものしか使うまい。)
  → 労組のキャラ、「ユニオニオン」くん

 泣けるね。
 
posted by 管理人 at 20:07| Comment(10) | 一般(雑学)4 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
労働組合=左翼=民進(民主)・社民・共産 の思考回路が日本人にはあり、忌避すべきと思う人が少なからずいるため、労働組合の組織率が低下しています。

いわゆるネトウヨでない人たちにおいても、労働組合に関してはネトウヨと同じ思考回路になる傾向にあります。

また、過去、国鉄時代に法令違反のストライキを実行したことや、労働貴族化した組合幹部の実態が明らかになったことなども、労働組合離れを助長しているものと思います。
Posted by 反財務省 at 2017年06月18日 20:35
良いアイデアと思います

企業単位の組合が多く、かつ組合の殆どが御用組合と化した日本では従来と異なる形態での組合活動が喫緊の課題ですからね(最近は派遣労働の増加を受けて地域単位のユニオンも増えてはいますが)
Posted by 名無し at 2017年06月18日 21:00
ITによる生産性向上で生じた労働力の需給ギャップ拡大が格差拡大の一因でもあると考えます。組合による労働者の賃上げを含む待遇改善は、生産性向上にブレーキをかけることになるのでは?
国内で同時の組合化が可能としても、国際競争力の低下が懸念されます。
Posted by 作業員 at 2017年06月18日 21:49
> ITによる生産性向上で生じた労働力の需給ギャップ拡大

 それが本当なら、労働時間はどんどん減少しているはずだが、実際には長時間残業が横行している。

> 待遇改善は、生産性向上にブレーキをかけることになる

 生産性とは、単位時間あたりの生産量のことではなく、単位時間あたりの生産額のことです。
 一般的には、その額が多いほど、給料も上がります。因果関係がどうなるかは、考えればすぐにわかるはず。給料が上がるから生産額が減る、ということは、あり得ない。給料が上がるから生産額が増える、ということは、ありがち。プロ野球選手を見ればわかるでしょう。給料が高い球団ほど、成績が良くなる。例。ソフトバンク。
Posted by 管理人 at 2017年06月18日 23:05
労組のネット化ということは、企業別組合の形態を欧米型の産業別組合に転換させていこうということにも繋がりますね。
これは実現できれば低賃金労働者の多くの労働状況が改善される可能性を秘めている案だと感じるけれども、
大企業からの政治献金漬けである現政権がこのような企業の負担になるような形態を容認するのだろうか?と不安になる。
Posted by 解析する者 at 2017年06月18日 23:22
> 現政権がこのような企業の負担になるような形態を容認するのだろうか

 別に容認しなくても、労組が勝手に行動すればいいでしょう。縛る法律はありません。
 歴史上、縛られた例はただ一つ。GHQ による「ゼネスト中止命令」だけです。今ではそんな超法規的なことは無理。つまり、ストに制限はない。労組の産別化も制限はない。

 ただし……共謀罪があるので、産別労組を作ろうとすると、共謀罪で全員が逮捕される危険はある。
 むしろ、そのために共謀罪を作ったのかもね。
 「ゼネストによる事故多発を狙って、大量殺人事件を狙っている!」
 というふうな。
 現実に事件が起こる必要はなく、「起こるかもしれない」という可能性だけで処罰できるのだから、たとえ荒唐無稽なシナリオだったとしても、いくらでも国民を処罰し放題だ。

Posted by 管理人 at 2017年06月18日 23:38
というよりも、ストを計画するということはまさしく威力業務妨害罪の共謀罪に該当するんじゃないかなと思います。
Posted by 解析する者 at 2017年06月19日 09:20
>生産性とは、単位時間あたりの生産量のことではなく、単位時間あたりの生産額のことです。

”生産性”を投入資源(時間、コスト)当たりの生産額と捉えれば、労働者の待遇改善は生産性向上に逆行するのでは?
Posted by 作業員 at 2017年06月19日 09:27
素晴らしい案だと思います
Posted by paddington at 2017年06月19日 19:45
 割と好評なので、労組向けに「ネット労組」というソフトウェアを販売すると、売れるかもね。
 全国統一ソフトにして、各労組は1ユーザーとして加入するだけにすれば、負担額は少なくて済む。丸々ソフト開発するわけじゃない。
 一方で、ソフト開発会社は、普通に利益を得られる。うまく行けば市場の独占も。
Posted by 管理人 at 2017年06月19日 21:08
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