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温暖化にともなって、サンゴの白化(死滅)が話題になっている。前から何度も報道されてきたが、アメリカのパリ協定離脱(前項)にともなって、温暖化被害の象徴というような形で、本日の朝日新聞でも報道された。
世界最大のサンゴ礁で有名なオーストラリアの世界自然遺産グレートバリアリーフで、サンゴの死につながる「白化現象」が昨年から2年連続で起き、日本の国土の3分の2近い規模に広がっている。地球温暖化による海水温上昇が主因とみられる。米国が温暖化対策の「パリ協定」離脱を決め、いっそう危機感が広がる。
白化は、サンゴに共生する「褐虫藻」という生物が、海水温の上昇などのストレスによって離れてしまい、サンゴが白色に変化する現象。褐虫藻がつくる栄養分をもらえなくなったサンゴは、南半球が冬となる7、8月ごろまでに褐虫藻が戻ってこなければ死に絶えてしまう。
( → 「白化」進むグレートバリアリーフ 温暖化でサンゴ危機:朝日新聞 2017-06-07 )
同趣旨の話は、下記にもある。
→ グレートバリアリーフで9割のサンゴが「白化」している|WIRED
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( → グレートバリアリーフ サンゴ白化が「過去最悪」に - BBC )
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ここで、次の疑問が浮かぶ。
「暑い地域でサンゴが死滅するとしても、あまり暑くない地域ではサンゴが増えているのでは?」
そう思って、調べてみると、やはり、案の定というか、サンゴは温帯地域でどんどん増えているそうだ。
日本列島全体に目を転じると、従来は分布していなかった南方系のサンゴが分布するようになる「サンゴの北上現象」が、本州や九州で近年、相次いで報告されている。まるで、温暖化で熱くなりすぎた南の海から、サンゴが逃げ出そうとしているかのようだ。
( → ブルーバックスのサイト )
他にも記事がある。
→ 地球温暖化によりサンゴ礁が北上中…30年間で100キロメートル
→ サンゴ7割消えた 沖縄・石西礁湖 国立環境研・朝日新聞社調査
さらには、サンゴの白化の根本原因を下がると、バクテリアの影響が大きいそうだ。バクテリアしだいで、白化が起こったり起こらなかったりする。だから、バクテリアをうまく調整すると、サンゴの白化(死滅)を回避できるのだ。
→ サンゴ白化、バクテリアが関与 静岡大が初解明 | 沖縄タイムス
→ 海の異変の救世主? “白化しないサンゴ”|NHKニュース
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というわけで、サンゴの白化については、あまり大騒ぎする必要はない。「何もしないで、ほったらかしていい」というわけではないのだが、あたかも「地球の終わり」とでも言わんばかりに危機感をあおるマスコミは、「オオカミが来た!」と騒ぐオオカミ少年(嘘つき少年)みたいなものだ。
サンゴの白化については、地球温暖化とは別の次元で、バクテリアによる対策などの水産技術で対処すればいい。これは単に学術レベルの問題だ。
そもそも、世界各地で絶滅危惧種がいろいろ話題になっているのに、そっちをほったらかしにしておいて、サンゴばかりを騒ぎ立てるというのは、温暖化論者による過剰なプロパガンダと見なした方が良さそうだ。引っかからないようにしよう。
( ※ 「嘘に引っかかるな」という趣旨ではなく、「大騒ぎに引っかかるな」という趣旨。)
あと、これから問題になるのは、空気中の二酸化炭素が増えると海に溶け込む二酸化炭素も増えて、海のpHが低くなります(海洋酸性化といいます)。珊瑚はpHが低すぎても生きていけません。北の方が水温が低いので、今後、珊瑚は海水温の上昇とpHの低下で挟み撃ちになります。
まぁ、今後温暖化によって起こる数多くの影響の1つにすぎないといえばそうですので、
「地球の終わりのように言うのは騒ぎすぎ」ということは賛同します。
の文が繰り返されています。