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原発の安全対策として、「強力な対策をしろ」という方法がある。次のように。
・ 戦争対策としては、「鉄の檻を作る」(前項)
・ 地震対策としては、巨大堤防を作る。(浜岡)
とはいえ、いずれにしても万全ではない。特に浜岡は、「万一暴走したら、首都圏が壊滅する」というリスクがある。あまりにもリスクが高い。
→ 浜岡原発の事故の想定 【 重要 】
では、どうすればいいか?

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ここで、困ったときの Openブログ。名案がある。
「どんなに対策をしても、コストが巨額になる割には、効果は限定的だ。ならば、巨額の対策など、一切やめればいい」
これなら、コストがかからない。
とはいえ、対策をしないだけでは、危険が残る。そこで、危険回避をするとしたら、対策するかわりに、どうすればいいか?
それは簡単だ。危険の原因となるもの自体を、廃止してしまえばいいのだ。
次の2案がある。
・ 原発そのものを全面廃止する。(停止する)
・ 危機の時点で、原発を放棄する。
この前者と後者を、評価しよう。
通常の発想は、前者だろう。
「原発は危険だ。だから、戦争のときの危機を回避するために、原発をあらかじめ全面廃止しよう」
これは、反原発論者の意見だ。
しかし、今ある原発をいっせいに廃止するのは、コスト的にあまりにも無駄だ。もったいない。別に、北朝鮮がミサイルを大量配備したわけでもないのに、こっちが勝手に原発を廃止するのでは、相手のブラフに応じて、賭金を全部捨てるようなものだ。ポーカーで言えば、最弱の愚者だ。あまりにも馬鹿馬鹿しい。
私の推奨は、後者だ。
「原発は危険性があるとしても、今は別に戦争になったわけじゃない。だったら、別に何も対策しなくてもいい。そして、いざ戦争になったら、原発をすべて放棄(全面停止)すればいい。ウランを抜いて、原発を停止させておけば、何も問題はない。たとえミサイルが落ちても、原発は安全だ」
つまり、いちいち鉄の檻を作らなくても、「いざとなったら原発を事前に停止させておく」という方法を取るだけで、カタが付くのだ。
ウランはどうする? 原発から抜いたあとで、地下の深い格納庫に収納しておけばいい。つまり、原発全体を厚い防護壁で守るかわりに、ウランだけを地下収納庫に収めておけばいいのだ。これなら、ごく簡単だ。
かくて、ごく安価に、ミサイル対策ができる。(戦争対策)
( ※ 「それじゃ電力が足りなくなるぞ」と思うかもしれないが、心配ない。長い時間をかけて、少しずつ、原発から他の電力に移行すればいい。そもそも、現時点でさえ、原発はほとんど稼働していないのに、電力不足は生じていない。原発が止まったって、たいしたことはないのだ。単にコストがちょっと上がるだけだ。)
一方、地震対策はどうするか? 実はこれも、同様の発想で済む。
浜岡原発では、巨大防潮堤のために 1000億円をかけたが、それでできた防潮堤は、薄っぺらなものであって、巨大な津波が来たときには崩壊しかねない。特に、想定以上の高さの津波が来たら、一挙に崩壊することは確実だろう。(釜石の防潮堤を見ればすぐにわかる。)
※ 以上、詳しい話は、本サイト内の別項で述べた。
こんなあやふやな防潮堤に巨額の金をかけるよりは、防潮堤などは建設せず、何もしない方がいい。かわりに、次のようにする。
「耐震対策は、一切しない。どうせ巨大地震には耐えきれないのだ。耐震対策をしても、耐震対策のコストの方が上回る。ならば、巨大地震が来たら、原発そのものを捨てればいい」
ここでは、「地震が来ても、原発を守る」という対策は、一切しない。かわりに、「地震が来たら、原発を捨てる」という対策をする。
具体的には、こうだ。
「巨大地震が発生した時点で、水棺方式で、原発を水没させる。こうして原発を完全停止させることで、被害を防ぐ」
あとは、確率計算だ。
・ 今後 30年に巨大地震が来る確率はどのくらいか?
・ 耐震対策をするコストは、どのくらいか?
この両者を比較すれば、「耐震対策に巨額の金を投入するよりは、いざとなったら原発を捨てるつもりで、安価な工事で済ませる」という方が、ずっとお得だとわかるだろう。
また、いくら安全対策をしても、万全だということにはならない。それより、「いざとなったら、あっさり捨てる」というつもりでいる方が、ずっと安全だ。
[ 付記 ]
原発対策をするとき、人々は守るべきものを間違えている。
戦争や巨大地震があったとき、守るべきものは、原発ではない。人間だ。国民だ。こちらを守ることが真の目的だ。そして、そのためには、低いコストで最大の安全性を確保することが可能だ。
一方、戦争や巨大地震があったとき、原発そのものを守ろうとすると、莫大な費用がかかり、しかも、効果は不完全だ。
「何を守るべきか」
ということを間違えなければ、低いコストで最大限の効果を得られる。
原発信者は、原発を守ろうとするせいで、肝心の国民を守ることができなくなっている。頭隠して尻隠さず、どころか、尻を隠して頭隠さず、という感じだ。愚策ですね。
【 関連項目 】
水棺にした場合、原発は安全となる。これで原発がおシャカになるかというと、そうではない。
真水ならば、再開は可能だ。海水だと、おシャカになる。
福島原発では、海水を入れようとしたので、「原発がおシャカになる」と思った東電は、最後まで抵抗した。
それを押し切って、海水投入をさせたのが、菅直人。
そのために殉職した形になったのが、吉田所長。
菅直人を非難したのが、安倍・自民総裁。
……以上、詳しくは、本サイトの別項に書いてあるので、サイト内検索すれば見つかる。
【 関連サイト 】
→ ノーガード戦法 - Google 検索