2017年05月25日

◆ グローバルホークは必要か?

 無人偵察機のグローバルホークの導入価格が急騰している。これほどまでの大金を払ってまで必要だろうか? 

 ──

 無人偵察機のグローバルホークが、首都圏の米軍生地に配備された。
 米軍横田基地(東京都福生市など)への一時配備が始まった米軍の無人偵察機「グローバルホーク」が24日、公開された。首都圏への初配備で、北朝鮮や中国への警戒監視を強化する狙いがある。自衛隊も3機の導入を予定している。
( → グローバルホーク、首都圏に初配備:朝日新聞 2017-05-25

 自衛隊も3機の導入を予定しているとのことだが、この導入価格が急騰している。
 3機の買い入れを決めたところ、米政府は調達から廃棄までのライフサイクルコストについて、機種選定の際に示していた金額の2倍近い3000億円以上を吹っ掛けてきた。
 今年4月中旬、米国防総省を通じて、グローバルホークを製造するノースロップ・グラマン社が機体価格を合計100億円値上げすると防衛省に伝えてきた。慌てた防衛省は5月半ば、急きょ担当幹部を米国へ派遣、国防総省や同社との間で協議を開始した。機体価格は1機158億円で3機合計すると474億円。これを合計600億円程度まで値上げするというのだ。
 選定段階で3機を20年間使って廃棄するまでの総額、すなわちライフサイクルコストは約1700億円だと説明していた米政府は、機種選定が終わると3269億円に上方修正した。後出しじゃんけんとはこのことである。
( → 現代ビジネス 半田 滋2017-05-20

 デタラメさ加減はあまりにもたくさん説明してあるので、詳しくは上記記事の本文を読んでほしい。
 ともあれ、どんどん価格をつり上げるのは、詐欺商法だ。こんな詐欺商法に引っかかるべきではない。さっさと導入うをキャンセルするべきだろう。キャンセル料は? 必要あるまい。価格上昇なら、これまでの契約は自動的に無効になるはずだからだ。
( ※ 仮に「価格が上昇しても自動的に契約が継続」なんていう条項が入っていたら、日本は無制限にいくらでも金を奪われることになる。そんなことはありえない。とすれば、値上げが生じた時点で、契約解除は可能だ。)


mujinki.jpg

出典:Wikipedia


 さて、キャンセルした場合、代替策はどうなるか? 私の代案は、こうだ。
 「 F35 を、有人偵察機として使えばいい」


 理由は、下記の通り。
 「偵察機を飛ばすとしたら、その対象は、北朝鮮しかあり得ない。北朝鮮に偵察機を飛ばすとしたら、無人偵察機である必要はなく、有人ステルス機で十分だ。なぜなら、北朝鮮の地対空ミサイルは、旧式の低性能のものばかりだからだ」


 詳しく言うと、次の通り。
  ・ 北朝鮮の地対空ミサイルは、旧式の S-75 (ロシア製)が主体だ。
  ・ ロシア製の最新型の地対空ミサイルでさえ、ステルス機には無効だ。

   → ロシアの地対空ミサイルは、F-22、F-35、B-2を撃墜できるのか?

 というわけで、北朝鮮の上空に飛ばす限りは、撃墜される可能性がないので、無人偵察機を飛ばす必要はない。有人ステルス機で十分だ。
 それどころか、ステルスでない F15 でも十分だろう。 S-75 が飛んできたら、デコイ(おとり)でも落としておけば、ミサイルはそっちに向かうはずだから、心配ない。
  → デコイ兵器

 要するに、偵察専用のグローバルホーク3機のために 3000億円以上をかける必要はない。汎用の F35 を偵察用途に使うだけで十分だ。あるいは、F15 でもいいし、偵察衛星でもいい。さらに言えば、米軍の運用するグローバルホークに頼ってもいい。日本独自のグローバルホークなんか、必要ない。

 ──

 少なくとも北朝鮮向けに関する限りは、以上のように結論できる。
 一方、中国やロシアや南シナ海にグローバルホークを飛ばすというのは、日本の「専守防衛」の方針に反する上に、相手が巨大すぎて、問題とならない。……こっちの用途は必要あるまい。(米軍ならば必要だろうが、日本には必要ない。)

 かくて、「グローバルホークは必要ない」という結論になる。



 [ 付記 ]
 前に、「無人偵察機にはグローバルホークを購入せよ」と述べたことがあった。
  → 国産無人偵察機を開発(2012): Open ブログ

 これは 2012年の時点の記事。その趣旨はこうだ。
  ・ 国産無人偵察機は、高コストで、低性能だ。
  ・ グローバルホークならば、低コストで、高性能だ。
  ・ だから、国産無人偵察機をやめて、グローバルホークを購入せよ。


 この当時では、グローバルホークの価格は 3,500万ドル(28億円)だった。
 しかしその後、導入価格が急騰した。先に示したように、現状では1機 200億円(3機 600億円)で、諸費用込みだと1機 1000億円以上となる。あまりにも高額すぎる。
 当時とは事情が変わったので、結論もまた代わることになる。簡単に言えば、当時と比べて、「コスパが悪すぎる」ということだ。

 グローバルホークは、米軍にとっては、中・ロシアへの戦略の上でも必要だろうが、日本にとっては、北朝鮮への戦略の上では必要ない。高価格・高性能すぎるからだ。日本にとって必要なのは、もっと低価格・低性能なものだ。それがないとしたら、F35 で代用することで十分だ。

( ※ イスラエル製の無人偵察機を導入する案もある。しかしこれはやめた方がいい。イスラエルと軍事的に協力すると、アラブのテロの対象になりかねない。日本でもテロが起こりかねない。)

posted by 管理人 at 19:00| Comment(0) |  戦争・軍備 | 更新情報をチェックする
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