2017年05月23日

◆ 共謀罪のまとめ

 共謀罪が立法化に向かっているが、これまで本サイトで述べたことを示す。

 ──

 特に新たに示すことはないが、肝心の点についてはこれまでに述べた。その項目を列挙する。

 (1) 「テロ対策」を名分としているが、実際はテロ以外が対象となっている。逆に言えば、テロ対策以外のことを処罰するために、「テロ対策」を名分としている。これはペテンだ。
  → 共謀罪のペテン

 (2) 「国際組織犯罪防止条約」の批准を目的としてるが、それならば「国際性」を犯罪要件とすべきだ。なのに、そうなっていない。これもペテンの一種だ。「国際的な犯罪」を対象とすると言いながら、実際には「国内的な犯罪」を対象とするからだ。
  → 共謀罪はこう直せ
 
 (3) 共謀罪は、それ単独ではあまり怖くはないが、「未決勾留」と組み合わされると、とんでもないこととなる。日本では法制度がないがしろにされ、容易に長期勾留されるからだ。このせいで人生を破壊される例は非常に多い。どれほど無実であっても、警察に疑われたというだけで人生がおしまいになる。しかも、今後は、その対象が大幅に増える。(共謀罪のせいで。)
  → 共謀罪と未決勾留

 ──

 以上の3点が、共謀罪の問題の本質だ。
 詳しくは、それぞれの項目を参照。
 


 [ 付記 ]
 本質は上記の通り。
 しかしながらマスコミは、その本質を見失っている。「法制度としておかしい」というような手続き論ばかりがやたらと掲載されている。「国民の人生を破壊する危険な法律だ」ということをよく理解できていない。その恐ろしさをよく理解できていないのだ。
 なぜか? この恐ろしさは、共謀罪それ自体から来るのではなく、未決勾留という別の問題から来るからだ。

 比喩的に言おう。ペストという病気がある。それを蔓延させるものは、病原菌ではなく、ネズミである。ネズミはペストを蔓延させる恐ろしい小動物だ。ただしネズミそれ自体には危険性はない。ネズミはペストを蔓延させるだけだ。
  ・ 未決勾留 …… ペストのようなもの
  ・ 共謀罪  …… ネズミのようなもの


 未決勾留という恐ろしいものがある。しかしそれは小規模にとどまっている限りは、たいして被害をもたらさない。その被害に遭う人はごく少数だけだ。
 しかし共謀罪というものが導入されると、それはまるでネズミのように、未決勾留を拡大する。これまでは痴漢などの疑いのかかった人だけが未決勾留の被害に遭うだけだったが、今後は多くの人が未決勾留の対象となる。それというのも新たに 277 〜 316 も、新しい罪が導入されるからだ。
  → 「共謀罪」対象犯罪 衆院事務局調査「316」

 しかもこの罪は、物的な証拠なしに犯罪扱いすることができる。なぜなら、この罪は「犯罪の実行」ではなく、「犯罪の意思」という内心を処罰するものだからだ。内心には証拠などはない。それゆえ、容易に国民を処罰できる。

 本来ならば、こういう強力な処罰法案には、きわめて強い制限がかかるべきだ。特に、「国際性」「組織性」の二点が重要だ。なのに、今回の法案は、その二点が犯罪要件となっていない。
  ・ 国内犯罪でも処罰される。
  ・ たった二人でも「組織」と見なされる。

 こんなデタラメな条件で「大犯罪」という扱いにするのだから、呆れてものが言えない。これはもはや戦前の「治安維持法」と同様だろう。


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 共謀罪には、以上のような問題がある。
 しかし、政府のデタラメさもひどいが、問題点をまともに理解していないマスコミもひどい。特に、「未決勾留」の問題とからめて論じているマスコミは皆無であるようだ。本サイト以外では、誰も言及していないようだ。
 
 政府(安倍自民)は悪魔のようにひどいが、その恐ろしさをまともに理解できていない国民もまた愚かすぎる。せめて本サイトの記事を理解できればいいのだが。

posted by 管理人 at 23:59| Comment(6) | 一般(雑学)4 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ブログだけではどれぐらいの人に読まれているか
わからないので是非マスコミや反対議員に
直接説明できませんか?
Posted by 岡野 at 2017年05月23日 11:46
そんなことはこのブログの管理人の仕事ではないよね。ブログの管理人はブログで意見を述べることで問題を解決しているのだから。
Posted by ななし at 2017年05月24日 20:43
管理人の言ってることは概その通りだと思うが、
今回「未決勾留」が論点になりにくいのは、いわゆる共謀罪特有の論点ではないから。
代用監獄制度に対する問題点てのは以前から指摘されてる別個の問題であり目新しさがないんですよ。

共謀罪の一番の問題点と言うなら
管理人が番号をつけて指摘している3つではなく、

>しかもこの罪は、物的な証拠なしに犯罪扱いすることができる。
>なぜなら、この罪は「犯罪の実行」ではなく、「犯罪の意思」という内心を処罰するものだからだ。
>内心には証拠などはない。それゆえ、容易に国民を処罰できる。

をやはり挙げるべきなのかなと思いますね。
これは共謀罪特有の論点なので。
もちろん代用監獄制度と組み合わさることによって、人権侵害が何倍にも拡大する恐れがあるというのはその通りですが。
Posted by 解析する者 at 2017年05月25日 01:58
> 共謀罪の一番の問題点と言うなら
> 管理人が番号をつけて指摘している3つではなく、

 いや、本項は「共謀罪の一番の問題点」ではなくて、「本サイトで論じた3項目」です。
 本項の冒頭(1行目)を読み直してください。

 内心の問題は、本サイトで論じるまでもなく、あちこちのマスコミでいやと言うほど論じられてきた。だから私は特別には言及しなかっただけです。「論じるまでもない、話の前提」という感じ。

 仮に「共謀罪の一番の問題点」というのなら、内心の問題は1番目に来て、そのあと、本項の三つが「他の問題点」として三つで ひとまとめになるでしょう。
Posted by 管理人 at 2017年05月25日 05:26
なるほど。そういった趣旨でしたか。
確かに普通の一般人からすれば、実際どうなるのか?が重要でしょうし、
理論の問題よりも具体的な実際の運用が重要というのは納得のいくところです。
お手数おかけ致しました。
Posted by 解析する者 at 2017年05月25日 10:43
《紹介のみ》
金田法相が「治安維持法は適法」と明言、処罰対象も次々拡大
http://lite-ra.com/i/2017/06/post-3223.html


警察のやりたい放題になりそうな予感です。
Posted by 反財務省 at 2017年06月06日 12:01
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