2017年05月12日

◆ ふるさと納税で「お犬様」を

 ふるさと納税の金で「お犬様」の命を救おう、という NPO が話題になっている。

 ──

 ふるさと納税については、昨日の項目でも論じたが、別の事例が見つかった。これもおかしな事例だ。
 週刊新潮の記事だが、「ふるさと納税で、殺処分になる犬の命を救う」という名分で金を集めている NPO 」という話。簡単な紹介記事は、下記にある。
  → (デイリー新潮) - Yahoo!ニュース

 一部抜粋すると、
 NPO法人「ピースウィンズ・ジャパン」が東日本大震災後に始めた「ピースワンコ・ジャパン」は、広島県内の犬の“殺処分ゼロ”を掲げ活動している。拠点を置く同県神石高原町の「ふるさと納税」によって活動資金は賄われているが、その実態は理想とかけ離れたものだった。
 殺処分をゼロにする“1000日計画”を2013年秋に始めたピースワンコは、昨年3月末にこれを実現できたと発表、今後は殺処分対象の犬を全頭引き取ると宣言した。
 ピースワンコを支えるのは「ふるさと納税」だ。14年9月に寄付の対象になると、神石高原町への寄付金額は80倍超となり、すでに8億円が“納税”。ピースワンコはHPで、現在も「殺処分ゼロ」を継続中としている。
 ところが、広島県動物愛護センターのデータには、「ゼロ」であるはずの昨年4月以降、52頭の犬が殺処分された旨が明記されている。
 「ゼロ」を看板に血税をかき集める団体の偽善を、5月10日発売の「週刊新潮」で詳しく報じる。


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 殺処分になるはずの犬を引き取って飼っているという。たしかに犬を救っている。現在、1250匹を飼育中だという。
 ただし、不妊手術をしていないので、新たに 150匹が産まれて、どんどん増えているそうだ。「不妊手術をしないなんて、常識外で、とんでもない」というのが、記事の趣旨だ。(批判記事。)
 ただし「不妊手術をしない」というのは、たいして問題ではないように思える。「将来の破綻」を意味しているので、愚かではあるが、悪質というほどでもない。愚行と悪行とは違う。こういう阿呆を、馬鹿にするのはいいが、非難するほどのこともあるまい。(不妊手術をしない、という店では。)


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 では、批判するべきことはないかというと、そうでもない。私が思うのは、こうだ。
 「殺処分をしないで飼育するというのは、単に犬の命を延ばすことだけだ。それは、個人の善意でやるのは構わないが、税金を使ってやることじゃない。保育園に入れない子供や、介護施設に入れない(要介護)老人がいる。これらの人々は生きるための人権を損なわれている。その一方で、犬のために多額の税金を投入するというのは、馬鹿げている」


 人の命よりも、犬の命を大切にする。人の人生が苦しくなっても放置するが、犬の生涯は幸福に生きられるようにする。……これでは平成の「お犬様」だ。ま、それを、金持ちが自分の金でやるのなら構わないが、血税を使ってやるのは道理が通らない。

 ふるさと納税というのは、「国や自治体の金を自分の懐に入れる」(猫ババする)という制度だ。その金を、自分の好きなように使うというつもりで、お犬様のために使おうとする。
 このとき、「自分の金を勝手に使っている」と思っているのだろうが、それは勘違いだ。元はと言えば、国や自治体の金だ。それを、自分のためでなく、犬のために使うからといって、(血税の)猫ババがなくなったわけではない。それを善行だと思うとしたら、盗人たけだけしいというものだ。

 昔、鼠小僧というのがいた。
 「金持ちの金を盗んで、(一部を)庶民に配ります。だから、おれのやっている泥棒行為は、正しいことなんだよ。善行なんだよ」
 こういうってうそぶく泥棒。しかし、これは屁理屈だ。いくら善行をしようと、その金の出所が、自分の金でなく他人の金であるとしたら、しょせんは泥棒である。
 ふるさと納税もまた同じ。

 こういうふうに泥棒制度がはびこるせいで、子供や老人は犬以下の扱いとなる。畜生以下だ。子供や老人が不憫だ。
 ふるさと納税の歪みがいかにひどいものであるか、今回のお犬様の事例を見ると、よくわかる。



 [ 付記1 ]
 ふるさと納税は、一種の泥棒である。これは合法的な脱税であるからだ。前に述べたとおり。
  → ふるさと納税は合法的な脱税

 どうしてかというと、公平ではなく、一部の人だけが得をする不公平な制度だからだ。形式的には公平だが、実質的には不公平となる。
 現状は、下記にある。
  → 認知率はほぼ100%も実施率は10%

 一般的に言えば、貧しい高齢者は金をもらえず、若者と小金持ちばかりが得をする。
( ※ 大金持ちにとっては、はした金なので、どうでもいい。)

 [ 付記2 ]
 この制度を「ひどい」と述べた。だが、これを「納税」だと思うから、ひどいと思えるのかもしれない。
 実は、制度としては「納税」ではなく「脱税」の仕組みだ。とすれば、「ふるさと納税」ならぬ「ふるさと脱税」という名称にすればいいのかも。それなら、まともな脱税制度になっているので、批判するべきではないのかも。
 泥棒が「警官だ」と名乗ればおかしいが、泥棒が「泥棒だ」と名乗ればおかしくない。
 政府はさっさと、自分たちが犯罪者集団だと自認するべきだな。
posted by 管理人 at 20:10| Comment(0) | 一般(雑学)4 | 更新情報をチェックする
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